さて表題のとおり、「他店で購入したジュエリーなのですが、修理をいお願いできますか?」という依頼を時々いただきまして、これに関して当店の見解を書かせていただきますね。
結論から申し上げますと、いろいろな意味で難しいです。
具体的な問題点としまして
1)まず使われている宝石などの素材について、100%確信が持てません。
当店で扱っているジュエリーでしたら、まず買い付けのときに情報は入ってきていて、さらに鑑別機関で鑑別もしてもらって確認をとっていますので、宝石の種類などについては100%確信がもてているのですが。
以前国内の催事等で「見てください」といって見せていただいたジュエリーに、大変恐縮なのですがそれなりの割合で「宝石違い」がありました。
エメラルドがガラス石、ルビーと思われているものが、上辺はルビーだけど下はガラス石。
こうした大切な情報が異なってしまうと(私が判断できるものも多いとは思いますが、やはり鑑別をしないと100%とはいえません)、修理は火をかけるので危険を伴います。
実際に火をかけたときに、素材違いで石が割れる等のトラブルが起こりえます。
2)状態が把握できていません。
自社で仕入れた商品は、まず仕入れのときから情報量が多いです。
さらにそれから洗浄や写真撮影、商品説明の記載までをすべて私が行っております。
その中で気づくことはとても多く、拡大した状態でいろいろな角度からいろいろなチェックをしています。
(アンティークは一点ものでかつ年月を経てきているものですから、正直それでも漏らしてしまうことってあるぐらいなのです)
またそうした状態を鑑別士さんや修理工房の方など「違うプロの目」からチェックをしてもらっています。
たとえば石の状態がどんなかですとか、とめ具などが緩んできていないか、過去の修理の跡やジュエリーとしての構造と強さ等々、100%ではないですがこうした職人さんからのアドバイスで分かることも多いです。
つまりジュエリーの材料と状態をとてもよく把握しているジュエリーなのです。
今は大丈夫だけれど将来的にトラブルが起こりうると判断するものはすでに販売前に修理をさせていただいておりますので、何かの修理をしたときに想定外のトラブルが起こる可能性は低めです。
それに対して、他店で購入されたジュエリーというのは、私は一度も直接見たことはありません。
たとえばよくあるのが「爪が割れている」等、他のトラブルも見つけてしまう場合です。
それだけならよいのですが、そのトラブルゆえに、依頼された修理がより難しくなってしまうこともあります。
火をかけるので、どこか脆弱な部分や過去にきれいに直されていない箇所がありますと、そこの半田がとれてきてしまうですとか。
お客様にとって最悪なのは、やはりある部分の修理をしようとするときに、どこかがひどくなってしまうことだと思うんですよね、「であればしなければ良かった」みたいなことになりますね。
でもこういうことってゼロではないのです。
特に自分のあまり把握していないジュエリーでは、想定外のことが起こらないとは言い切れません。
(100%ということでいえば、当店扱いのジュエリーだって絶対に絶対とはいえないのですが、最悪の場合、責任を取るということができます)
3)お客様との信頼関係がまだ築けていない。
やはり当店で何度もお買い物を下さっているお客様などは、すでに信頼関係がありますので、私もより安心していられるのですが。
他店でご購入されたジュエリーの件でご連絡を下さるお客様とは、まだ出会ったばかりでよく存じ上げていないのです。
古くから当店をご愛顧してくださるお客様のチェーンがちょっと切れられたといった場合にはもちろん対応させていただくことがございまして、それはやはり何か万が一トラブルが生じた場合にもご相談ができるであろうという安心感があるのですが。
これがはじめてのお取引ということになりますと、「修理が気に入らない・・・なんでそんなにお金がかかるの?時間がかかりすぎる等々」といったことであらぬご不満などを残してしまう可能性も否めません。
安心してこちら側も事情を説明させていただける、誠意を持って取り組んでいるということをご理解いただけるか否かはやはりこれまでの関係があってこそだと思うのですよね。
まさに信頼は一朝一夕にはならず、当店のお客様のことは私自身もとても信頼しています。
実はアンティークのジュエリーの修理って、100%ということは難しいです。
トラブルは割とよくおきます。
何せ年月をへてきたものです。
たとえば比較的簡単な指輪のサイズ直しも「火をかけることで分かる状態もあり、○部分より、△部分からきったほうがよいですね」等々、予定していた工程とは異なる方法をとることもあります。
当店では余程の大きな修理出ない限り、修理代金は、あらかじめお見積もりをご提示されていただくのですが(たとえば指輪のサイズ直しなどはあらかじめご金額を明示をさせていただいております)、実はかなりの頻度で持ち出しになっています。
工房もプロですので、トラブルが生じても必ず解決策を出してくれます。
ただその分工程が増えたり高度になることによって、費用はかかるのです。
でも自分で扱っているジュエリーですから、もちろんそれも含めて責任を負いますし、そうすることは私にとってまったくストレスではありません。
まず自分で仕入れてきたジュエリーは半ば自分の分身のようなものですし、それを良い状態にしてあげたいという気持ちがあります。
あとは自分のお客様ですから、お客様に対してもできる限りよい修理をさせていただきたいと当然思っております。
ただこれが他店のジュエリーとなりますと、正直そこまで責任は負えないです。
ごめんなさい。
仕事のスタンスっていろいろだと思うのですが、私はまずお客様に誠意を尽くすことがもちろん最優先ですが、自分が納得した仕事以外(つまり自分が責任を負えない可能性のあること)は手を出さないようにしています。
案外、石橋は叩いて渡るところがあるのです。
本当はもっと広く皆様のお役に立てたら良いのですが、結局やぶ蛇になってしまいそうな気もしまして、今のところお断りをしております。
ご理解を賜れましたら幸いです。
先日アップしましたピンクガーネットx天然真珠のクラスターリング。
ガーネットの周りを真珠が囲った、お花の形をした指輪です。
アンティークガーネットの指輪でクラスターリングのものは意外なほど、ないです。
これだけ愛らしさの詰まったガーネットのアンティークリングは案外、みつけにくいです。
ガーネットの色がなんといっても美しい、フォルムもとても愛らしい指輪です。
![j01036-3.jpg](https://antique-jewelry.jp/blog/blog-imgs-70.fc2.com/c/h/e/cherchemidi/j01036-3.jpg)
結論から申し上げますと、いろいろな意味で難しいです。
具体的な問題点としまして
1)まず使われている宝石などの素材について、100%確信が持てません。
当店で扱っているジュエリーでしたら、まず買い付けのときに情報は入ってきていて、さらに鑑別機関で鑑別もしてもらって確認をとっていますので、宝石の種類などについては100%確信がもてているのですが。
以前国内の催事等で「見てください」といって見せていただいたジュエリーに、大変恐縮なのですがそれなりの割合で「宝石違い」がありました。
エメラルドがガラス石、ルビーと思われているものが、上辺はルビーだけど下はガラス石。
こうした大切な情報が異なってしまうと(私が判断できるものも多いとは思いますが、やはり鑑別をしないと100%とはいえません)、修理は火をかけるので危険を伴います。
実際に火をかけたときに、素材違いで石が割れる等のトラブルが起こりえます。
2)状態が把握できていません。
自社で仕入れた商品は、まず仕入れのときから情報量が多いです。
さらにそれから洗浄や写真撮影、商品説明の記載までをすべて私が行っております。
その中で気づくことはとても多く、拡大した状態でいろいろな角度からいろいろなチェックをしています。
(アンティークは一点ものでかつ年月を経てきているものですから、正直それでも漏らしてしまうことってあるぐらいなのです)
またそうした状態を鑑別士さんや修理工房の方など「違うプロの目」からチェックをしてもらっています。
たとえば石の状態がどんなかですとか、とめ具などが緩んできていないか、過去の修理の跡やジュエリーとしての構造と強さ等々、100%ではないですがこうした職人さんからのアドバイスで分かることも多いです。
つまりジュエリーの材料と状態をとてもよく把握しているジュエリーなのです。
今は大丈夫だけれど将来的にトラブルが起こりうると判断するものはすでに販売前に修理をさせていただいておりますので、何かの修理をしたときに想定外のトラブルが起こる可能性は低めです。
それに対して、他店で購入されたジュエリーというのは、私は一度も直接見たことはありません。
たとえばよくあるのが「爪が割れている」等、他のトラブルも見つけてしまう場合です。
それだけならよいのですが、そのトラブルゆえに、依頼された修理がより難しくなってしまうこともあります。
火をかけるので、どこか脆弱な部分や過去にきれいに直されていない箇所がありますと、そこの半田がとれてきてしまうですとか。
お客様にとって最悪なのは、やはりある部分の修理をしようとするときに、どこかがひどくなってしまうことだと思うんですよね、「であればしなければ良かった」みたいなことになりますね。
でもこういうことってゼロではないのです。
特に自分のあまり把握していないジュエリーでは、想定外のことが起こらないとは言い切れません。
(100%ということでいえば、当店扱いのジュエリーだって絶対に絶対とはいえないのですが、最悪の場合、責任を取るということができます)
3)お客様との信頼関係がまだ築けていない。
やはり当店で何度もお買い物を下さっているお客様などは、すでに信頼関係がありますので、私もより安心していられるのですが。
他店でご購入されたジュエリーの件でご連絡を下さるお客様とは、まだ出会ったばかりでよく存じ上げていないのです。
古くから当店をご愛顧してくださるお客様のチェーンがちょっと切れられたといった場合にはもちろん対応させていただくことがございまして、それはやはり何か万が一トラブルが生じた場合にもご相談ができるであろうという安心感があるのですが。
これがはじめてのお取引ということになりますと、「修理が気に入らない・・・なんでそんなにお金がかかるの?時間がかかりすぎる等々」といったことであらぬご不満などを残してしまう可能性も否めません。
安心してこちら側も事情を説明させていただける、誠意を持って取り組んでいるということをご理解いただけるか否かはやはりこれまでの関係があってこそだと思うのですよね。
まさに信頼は一朝一夕にはならず、当店のお客様のことは私自身もとても信頼しています。
実はアンティークのジュエリーの修理って、100%ということは難しいです。
トラブルは割とよくおきます。
何せ年月をへてきたものです。
たとえば比較的簡単な指輪のサイズ直しも「火をかけることで分かる状態もあり、○部分より、△部分からきったほうがよいですね」等々、予定していた工程とは異なる方法をとることもあります。
当店では余程の大きな修理出ない限り、修理代金は、あらかじめお見積もりをご提示されていただくのですが(たとえば指輪のサイズ直しなどはあらかじめご金額を明示をさせていただいております)、実はかなりの頻度で持ち出しになっています。
工房もプロですので、トラブルが生じても必ず解決策を出してくれます。
ただその分工程が増えたり高度になることによって、費用はかかるのです。
でも自分で扱っているジュエリーですから、もちろんそれも含めて責任を負いますし、そうすることは私にとってまったくストレスではありません。
まず自分で仕入れてきたジュエリーは半ば自分の分身のようなものですし、それを良い状態にしてあげたいという気持ちがあります。
あとは自分のお客様ですから、お客様に対してもできる限りよい修理をさせていただきたいと当然思っております。
ただこれが他店のジュエリーとなりますと、正直そこまで責任は負えないです。
ごめんなさい。
仕事のスタンスっていろいろだと思うのですが、私はまずお客様に誠意を尽くすことがもちろん最優先ですが、自分が納得した仕事以外(つまり自分が責任を負えない可能性のあること)は手を出さないようにしています。
案外、石橋は叩いて渡るところがあるのです。
本当はもっと広く皆様のお役に立てたら良いのですが、結局やぶ蛇になってしまいそうな気もしまして、今のところお断りをしております。
ご理解を賜れましたら幸いです。
先日アップしましたピンクガーネットx天然真珠のクラスターリング。
ガーネットの周りを真珠が囲った、お花の形をした指輪です。
アンティークガーネットの指輪でクラスターリングのものは意外なほど、ないです。
これだけ愛らしさの詰まったガーネットのアンティークリングは案外、みつけにくいです。
ガーネットの色がなんといっても美しい、フォルムもとても愛らしい指輪です。
![j01036-3.jpg](https://antique-jewelry.jp/blog/blog-imgs-70.fc2.com/c/h/e/cherchemidi/j01036-3.jpg)
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