今日はちょっと真面目なテーマです。
買い付けに行くちょっと前にハマスのイスラエルの攻撃があり、それに続きイスラエルの反撃が始まり、今もガザが大変なことになっています。

お付き合いのあるフランスのディーラーさんたちはいつもとてもおしゃべり!
なんの話題でも一切の躊躇なく、ぺちゃぺちゃ持論を語る人たちです。
ところが・・・この新たな戦争の話については皆さん、口が重いです。


一つにフランスは当事者なのです。
フランス国内にパレスチナ系の移民、ユダヤ人がたくさん住んでいます。
フランスはヨーロッパ最大のアラブ人コミュニティーを抱えています。
一方で当初私も止まる予定にしていたマレ地区を中心に、フランスには多くのユダヤ人も住んでいます。


親しいディーラーさんも
「(私の事務所)とかで、この話題について触れるのはOKだけど、レストランやカフェなどのオープンなスペースではこの話題に触れない方が良い。
この問題には頭をつっこまないこと、フランスはこれ以上頭を突っ込んだらフランス自体が内戦になるよ」
というほど。

実はジュエリー業界というのは、ユダヤ系の方がかなり多いです。
ダイヤモンドはかつてインドや南アフリカで採掘され、スエズ運河を通ってヨーロッパに運ばれました。
スエズ運河を支配していたのがユダヤ人で、この業界はユダヤ系の方がとても多いということもあり非常にデリケートな状態です。

「結局のところ、パレスチナ人は何も生み出せない人たち。あの地のすべてのものはイスラエルが作ったのよ」
という方もいらっしゃるほどなのです。

どちらに正義があるのかは、私も分からないですし、語ることはできないです。
ただ今回興味深いと思ったのは別のディーラーさんが言っていたことで。

「フランスには多くのアラブ人が住んでいる。
パレスチナから離れてフランスの恩恵も受けてフランス人として生きている人だってものすごい数になる。
にもかかわらず、彼らはあのテロ以来急激に過熱している反ユダヤ主義、反民族主義について『そんなことはやめよう』という人はほとんどいない。
それってすごく危険なんだよ。
第二次世界大戦の前の雰囲気がまさにそれ。
戦争が近づくと、言論が少なくなる」


どっちが良いとか悪いとかではないけれど、戦争の前には自由に発言するのをはばかる雰囲気が出てくるということを言いたかったようです。
普段はちょっと太っただけで「妊娠中?」ぐらいの軽口をたたくディーラーさんが、皆口を閉ざしてため息をついている今は、異常事態です。

ただ戦争が終わることを祈っています。
下記はデモで道が封鎖されている様子です。

manifestation