忙しい買い付けとはいえ滞在中に1回は、美術館などで自分の時間を過ごすようにしています。
だいたい半日あるかないかですが、それでもそれがあるのとないのではやはり違います。
だって、せっかくフランスにいるんですから。
この仕事、感性も大事な要素です



ということで今回はどこに行こうか悩みましたが、オランジェリー美術館でちょうどモディリアーニ展がやっていましたのでそこに行くことにしました。
モディリアーニに、私は(勝手に)ご縁を感じています。

まだまだ駆け出しの2008年のこと、東京の乃木坂にある国立新美術館でモディリアーニ展が開催されていました。
そこの展示が終わったところのショップスペースで、シェルシュミディが展示販売させてい頂いたのです。


モディリアーニをはじめとするエコールドパリの画家が活躍したのは、20世紀パリ。
そんな時代のジュエリーを販売したらよいかというコンセプトでお誘いくださったようです。

国立新美術館はとても素敵なところで実際に好評の展示でしたから、良い思い出になりました。

そんなこんなで、雨の日曜はオランジェリー美術館へ。
コロナも終わった朝イチの雨の日曜なんて混んでいないと思って事前予約をしていなかったのですが、思いがけず行列ができていて焦りました。
でも案外すぐに通されて、ほっ

うつろな目の首の長い女性。
見ていると意識が浮遊するような、ほかの画家にはない作風に私自身惹かれます。
そして改めて見てみますと、首の長い女性の絵のいくつかにジュエリーが描かれているのですよね。
写真がOKでしたのでいくつか撮らせて頂きました。

この時代からパリでは女性がカメオやペンダント、ピアスなどのジュエリーを自然につけていたのですよね。

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「アンティークジュエリーを商いにしていて今更何を言う?」という話ですが、このようにして100年以上の年月を経た絵画に描かれたジュエリーが古びた感じがせず、今も普通に着けれそうなことにドキリとします。
そしてモディリアーニの絵で描かれたアンニュイな女性たちもどこか現代に通じる雰囲気がありますね。
ちょっとタイムスリップをした感覚です。


展示後は、慌ただしく現実に戻り、前日に書類をもらい忘れていたディーラーさんのところに向かいます。
そしてそのついでに世間話→違うディーラーさんを紹介される、とまたまた仕事の無限ループに戻っていくのでした。