先日、真珠に関してちょっと面白い出来事がありましたのでご紹介いたします。
当店のお客様で真珠をこよなく愛される方から、興味深い昔のデッサンを頂きました。

「Perles du Japon(直訳しますと「日本の真珠」)」と書いてあるんですけど、日本の(養殖)真珠はこの時代から一般的に流通していたのでしょうか?
と疑問に思われたようです。

「表面」
perlesdujapon1.jpg

「裏面」
perlesdujapon2.jpg


色々と読み進めていくとどうも変です。
ちょうど忙しい時期だったということもあり、なんだか変だなーと思い少ししてから集中して読みましたがやはり変です。

なぜなら説明文を乱暴に直訳しますと、

「日本の真珠(Perles du Japon)、青い250グラムの丸箱で売ります。
認可取得済み
(marque deposeというのは色々な分野で使われる言葉で、そのブランドなどが確かに認可されたことを示す言葉です)

1889-1900年パリ万博金賞受賞。

Perles du japon(日本の真珠)は流行している一方、探されています。
(話題になっているが需要が供給に追いついていないといった感じなのでしょう)。
このおいしい食材は、これまでの様々なフランスのポタージュのいずれにも類似していません。
その名前が示すように、調理をするとこれ(perles du japon)はその形といい透明感といい、本当に真珠に似ています。
すべての食材屋で販売します。」

お粗末な翻訳ですがこんな感じです。

日本の真珠が食材屋さんで手に入る?
ポタージュ??
いったい何のことを言ってるのだろう?と頭の中が???になります。


答えはこちらでした。
なんとタピオカ!

perlesdujapon3.jpg

この時代にフランスを席捲したエギゾティックな食べ物を「日本の真珠(perles du japon)」と命名していたのです。
その色合いや形、またこれまで見たこともない不思議な食べ物は、極東の未知なる国、「日本」を連想させたのでしょう。
日本でもそうですが、海外でも外国名を取り入れた面白い商品名というのはあるものです。
イギリスでは近年、「極度乾燥(しなさい)」というブランドも流行していますね。

そして今でも、タピオカはフランスでperles du japon(日本の真珠)と呼ばれ続けているようです。

すっかりネーミングに騙されてしまいました!
ちょっと面白い発見でした。