さて初日はついただけで、飛行機であまり眠れなかったせいか、夜の22時から朝の8時までぶっ通しで眠ってすっかり元気になり二日目を迎えます。
この日は午前中は、アパルトマンにパリの郊外からディーラーさんが来てくれるとのこと。

午前中10時の約束まで少し時間があったので、近くで食料品の確保とディーラーさんと一緒にたべるおやつを買います。
クレームブリュレを用意。
そして珈琲メーカーに珈琲を落としていると電話が!
あわててマンションの下まで迎えに行き抱擁をかわします


彼女と会うのは実に一年ぶりなのです。
というのも前回渡仏したときは、田舎にいっていてパリにいなかったのです。
しばらく諸事情で「売り」をしていなかった彼女の在庫は素晴らしく、初日の最初のアポイントで非常に大きな収穫を得ます。
それからあれやこれやと近況報告。
考えたら3時間近くたっていて焦ります。


私は行き当たりばったりのマーケットで1点ずつベストプライスを求めるといったやり方を取らず、これぞと思った数人のディーラーさんと毎回会い、長年付き合うようにしています。
もちろん赴いたマーケットなどでたまたまお得なものを見つけたらピックアップはしますが、昨今はそうした場所でお買い得品などめったいにないのが現状です。


仮にその時、たまたま在庫がそれほど充実していないとしてもお会いした限りは少しは買うようにしています。
そうして良い関係を細く長く続けていくのです。
今回フランスで仕入れをしたディーラーさんの全員と最低5年以上のつきあいで、会うたびに時間が許す限りお互いの近況とマーケットの状況(例えばフランスの地方のマーケットやオークションの状況等)について話し込みます。
共通で知っているディーラーさんも何人かいますから、その人たちの話にも及ぶことがあります。

時にはそれは国をまたいでロンドンのディーラーさんの話にも及ぶことがあり、結局私たちはどこかで皆つながっているのです。
大事なのはできるだけ供給源に近いところで仕入れをすることです。
そしてその方がなぜ良いものを供給できるかを把握はするようにしています。
そしてここぞと思ったディーラーさんとは少しずつ関係をはじめて、定期的に長く、そしてお会いした時はある程度まとめて取引をするということを心がけています。
それは誰かにそうしたほうが良いよ!と教えてもらったことではないのですが、それが良いと思っているからです。
そして他のディーラーさんもまた私とは異なる、別の大事にされている仕事のやり方をきっとお持ちでしょう。

次のアポイントまで余裕と思っていたのに結構ぎりぎりの時間になってしまいました、お昼抜き決定!
彼女とまたハグをしてわかれ、今度は少し郊外の方へ今度は私が地下鉄であわてて向かいます。

滞在していたのはこのvaneauのあたりです。
このあたりは皆様が思い浮かべるパリがまさに体現できるところでお薦めです☆

vaneau.jpg

次にお会いするマダムも、とてもおしゃべり!
噂話も好きで本当にいつもアップテンポで盛り上がります。
しかしこのディーラーさんは少し大きめの(価格もはる)ジュエリーが多いので、選ぶときは慎重です。
彼女は私と同じく、1910年前後のジュエリー(つまりアールデコのちょっと前、イギリスでいうところのエドワーディアンで、フランスで言うところのベルエポック後期)が大好きで、いつもその話にもなります。
結局、今回もこの時代あたりのジュエリーを数点入手!


それからまたマシンガントーク。
その後、彼女も予定が詰まっていたのでわりと慌しく分かれましたが、今度「夕ご飯食べようよ」と。
そうだね、今度夕ご飯を食べよう!
いつもお互いそんなことをいっていて、買い付けのときは私も慌しくしていてお茶ぐらいしかできないのですが、たまにはゆっくり結うご飯もいいかも。
毎度温かくそして刺激的に迎えてくれて、仕事絡みの人間関係でありながら一方で久しぶりに会う友人みたいな感覚もあります。

「明日はどこを回るの?」といった雑談にもなり、
「うんうん、なるほど彼は今、割と持ってるよね」
とかいろいろ他のディーラーさんの話にもなったりと、とにかく世界は狭いこの業界なのでした!

その後、夕方は少しだけ時間ができたので個人的な買い物を済ませ。
そしてこの日は夜ご飯を私的な友達と約束していたので、17区に向かいました。
そしてその夜、大変なドジをしてしまうとも知らずに、この頃は良い買い付けができたと気分もルンルンでパリの街を歩いている私でした・・・。