2015.05.19 (Tue)
神戸国際宝飾展
先日、神戸で開催されておりました「神戸国際宝飾展」にいってまいりました。
アンティークジュエリーはほとんどありませんが、ジュエリー全体のトレンドが分ります。
神戸は高校の時の修学旅行以来いったことがなかったので、これを機会にいってみることにしました!
東京の国際宝飾展と開催会社は同じですから、イベントの作りとしてはとても似ています。
しかし数年前に出展しました東京国際宝飾展と、やはりその時代を反映しているなと思うところも多くありましたので、以下気づいたことをご紹介いたしますね。
まず・・・・中国パワー。
先日もササビーズのオークションで、おそらく中国(あるいは中国系)の金余り現象から、希少な宝石がこれまで以上に高く落札されていることが話題になっていました。
下記はカルティエ製のビルマ産ルビーのリング、落札金額 は3030万ドル(約36億円)と驚くべき価格をレコードしたそうです。

日本で開催されている国際宝飾展も、中国系の方の来客が非常に多く、中国語が非常に目立ち、また中国系のお客様をターゲットにした商品が多くみられました。
中でも昨今何かと話題の「赤珊瑚」の出展が非常に目立っていました。
各社、中国語対応のスタッフも配置し、中国の富裕層の取り込みに余念がありません。
一方・・・現代ジュエリーのクリエイションに関しては国内メーカーも海外ブランドもブース数も少なく、残念ながらあまり盛況ではありません。
私はもちろんアンティークジュエリーが好きですが、やはり現代のクリエイションも面白いと思うことは多いですし、ジュエリー業界全体の盛況は望ましいと思っているので少し残念です・・・。
ひとつ「100年後のアンティークジュエリーを!」と言うスローガンの下に、現代でアンティークジュエリーを意識したデザインで、ジュエリー製作をしている会社さんを見つけました。
確かにテイストとしては似ているのですが、非常に貴金属の使う量が少なめで宝石もとても小さいのが気になりました。
やはり現代でよいジュエリーを作ろうとすると、技術だけでなく素材の制約(昔程よい宝石も入らず、貴金属の値段も高騰している)も大きいのでしょうね。
そしてもう一つ、ピアスキャッチの店で足をとめました。
クリスメラさんという会社で、実は代表の菊永さんは友人が友人で、以前お会いしたことがあります。
スタッドタイプのピアスのキャッチを販売している会社さんです。
特許をとった技術により、まず絶対にピアスが外れない構造になっているのです。
気になりましたので一つ購入、当店のアンティークジュエリーにあわせてみました。

↑
こちらがオリジナルのキャッチ。

↑
こちらが「クリスメラ」のなくさないピアスキャッチをアンティークピアスにあわせた写真。
案外違和感なくなじみますね。
アンティークピアスはなかなか高額ですし、ご心配であれば、こうした「なくさないピアスキャッチ」と組み合わせるのも中々良いかもしれません。
いかがでしょう?
色は三色、素材はアレルギー加工されたステンレス素材です。
あと余談ながら、こんな看板の写真を撮ってきました。
ローズカットはアンティークジュエリーらしいダイヤモンドのカッティングですが、ローズカットは現代でもやろうと思えば可能です。
「ローズカットのダイヤモンド→アンティークジュエリーの証拠にはならない」といったことをエピソードで書いたと思うのですが、これがまさに証拠(笑)。
現代でもローズカットのカッティングそのものは可能で、主にインドでなされます。
現代のジュエリークリエイションです。

現代では東南アジアやインドでそこそこレベルの高いアンティーク風ジュエリーが製作されていますので、そうしたアンティーク風ジュエリーと本物のアンティークジュエリーがごちゃまぜにならないよう、願うばかりです。
特にロンドンのマーケットでは、この二つがかなり一緒に売られています・・・。
パリでも年に2回開催されるもっとも大きなアンティークフェアの(つい先日も、セーヌ河岸で開催されていました)屋内ブースにさえ、近年はこうしたアンティーク風ジュエリーが「アンティーク」として販売されています。
そういうのを見ると私は本当に胸が痛いのですが、売られている方は案外堂々とされいていて、
「ねぇ、これアンティークジュエリーじゃないよね?」
と以前、聞いてみたことがあるのですが・・・。
「そうよ!混ぜて売ってみてるの。オーセンティックなアンティークジュエリーの横においてみたわ、どうかしら?」
と悪びれずに言われたことがあります。。。
色々とアンティークジュエリーについて、また宝飾界全体について考えさせられる一日でした。
神戸は海と山の両方が見えて風光明媚、美しい街ですね。
アンティークジュエリーはほとんどありませんが、ジュエリー全体のトレンドが分ります。
神戸は高校の時の修学旅行以来いったことがなかったので、これを機会にいってみることにしました!
東京の国際宝飾展と開催会社は同じですから、イベントの作りとしてはとても似ています。
しかし数年前に出展しました東京国際宝飾展と、やはりその時代を反映しているなと思うところも多くありましたので、以下気づいたことをご紹介いたしますね。
まず・・・・中国パワー。
先日もササビーズのオークションで、おそらく中国(あるいは中国系)の金余り現象から、希少な宝石がこれまで以上に高く落札されていることが話題になっていました。
下記はカルティエ製のビルマ産ルビーのリング、落札金額 は3030万ドル(約36億円)と驚くべき価格をレコードしたそうです。

日本で開催されている国際宝飾展も、中国系の方の来客が非常に多く、中国語が非常に目立ち、また中国系のお客様をターゲットにした商品が多くみられました。
中でも昨今何かと話題の「赤珊瑚」の出展が非常に目立っていました。
各社、中国語対応のスタッフも配置し、中国の富裕層の取り込みに余念がありません。
一方・・・現代ジュエリーのクリエイションに関しては国内メーカーも海外ブランドもブース数も少なく、残念ながらあまり盛況ではありません。
私はもちろんアンティークジュエリーが好きですが、やはり現代のクリエイションも面白いと思うことは多いですし、ジュエリー業界全体の盛況は望ましいと思っているので少し残念です・・・。
ひとつ「100年後のアンティークジュエリーを!」と言うスローガンの下に、現代でアンティークジュエリーを意識したデザインで、ジュエリー製作をしている会社さんを見つけました。
確かにテイストとしては似ているのですが、非常に貴金属の使う量が少なめで宝石もとても小さいのが気になりました。
やはり現代でよいジュエリーを作ろうとすると、技術だけでなく素材の制約(昔程よい宝石も入らず、貴金属の値段も高騰している)も大きいのでしょうね。
そしてもう一つ、ピアスキャッチの店で足をとめました。
クリスメラさんという会社で、実は代表の菊永さんは友人が友人で、以前お会いしたことがあります。
スタッドタイプのピアスのキャッチを販売している会社さんです。
特許をとった技術により、まず絶対にピアスが外れない構造になっているのです。
気になりましたので一つ購入、当店のアンティークジュエリーにあわせてみました。

↑
こちらがオリジナルのキャッチ。

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こちらが「クリスメラ」のなくさないピアスキャッチをアンティークピアスにあわせた写真。
案外違和感なくなじみますね。
アンティークピアスはなかなか高額ですし、ご心配であれば、こうした「なくさないピアスキャッチ」と組み合わせるのも中々良いかもしれません。
いかがでしょう?
色は三色、素材はアレルギー加工されたステンレス素材です。
あと余談ながら、こんな看板の写真を撮ってきました。
ローズカットはアンティークジュエリーらしいダイヤモンドのカッティングですが、ローズカットは現代でもやろうと思えば可能です。
「ローズカットのダイヤモンド→アンティークジュエリーの証拠にはならない」といったことをエピソードで書いたと思うのですが、これがまさに証拠(笑)。
現代でもローズカットのカッティングそのものは可能で、主にインドでなされます。
現代のジュエリークリエイションです。

現代では東南アジアやインドでそこそこレベルの高いアンティーク風ジュエリーが製作されていますので、そうしたアンティーク風ジュエリーと本物のアンティークジュエリーがごちゃまぜにならないよう、願うばかりです。
特にロンドンのマーケットでは、この二つがかなり一緒に売られています・・・。
パリでも年に2回開催されるもっとも大きなアンティークフェアの(つい先日も、セーヌ河岸で開催されていました)屋内ブースにさえ、近年はこうしたアンティーク風ジュエリーが「アンティーク」として販売されています。
そういうのを見ると私は本当に胸が痛いのですが、売られている方は案外堂々とされいていて、
「ねぇ、これアンティークジュエリーじゃないよね?」
と以前、聞いてみたことがあるのですが・・・。
「そうよ!混ぜて売ってみてるの。オーセンティックなアンティークジュエリーの横においてみたわ、どうかしら?」
と悪びれずに言われたことがあります。。。
色々とアンティークジュエリーについて、また宝飾界全体について考えさせられる一日でした。
神戸は海と山の両方が見えて風光明媚、美しい街ですね。
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