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2015.05.18 (Mon)

7色のプリカジュールエナメルのアンティークペンダント(ステンドグラス)

近頃、写真の撮り直し等で、新着ジュエリーのアップが遅々としており、申し訳ございません!
私がもう一人欲しいような欲しくないような・・・。

さて本日「7色のプリカジュールエナメルのアンティークペンダント(ステンドグラス)」をアップいたしました。
*そして既に完売いたいました、有難うございます。

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精緻なアンティークエナメルの中でももっとも高度でそして美しいといわれているプリカジュールエナメルの技法が用いられています。

プリカジュールとはフランス語の「Plique-a-jour」から来ています。
通常のエナメルのように七宝(エナメル)の裏面に基盤としての金属の下地がなく、金属枠のみによってエナメルを支える至難のエナメル技法です。
ステンドグラスと同じ状態で光線を通しますから、特に光にかざした時に美しく見えるジュエリーです。

この光にかざした状態のお写真や動画を撮りたくて、ここ数日悪戦苦闘をしておりましたが、これがなかなか難しかったです。

このプリカジュールエナメルは、かのルネラリックが得意とした技法です。
ルネラリックと言いますと皆様、アールデコの香水ビンのイメージが強いかもしれませんが、ルネラリックはその職業人生の前半はアールヌーボーのジュエラーとして活躍。
そして後半を今度はアールデコのガラス工芸家として活躍したという、まさに日の目を二度みた稀有な人生を歩んだアーティストです。
ルネラリックをアールヌーボーの著名なジュエラーとしてスターダムに押し上げたのが、このプリカジュールのエナメル技法でした。


ルネラリックは数々のプリカジュールエナメルの優れたジュエリーを残していますが、下記はエピソードの欄にも掲載しましたパンジーのブローチです。
ガラス、エナメル、ブルーサファイヤで描かれたパンジーのブローチ、アメリカのウォルターズ美術館所蔵です。
こちらは同系色の色の妙が感じられる作品です。

renelaliquepliquajour.jpg

プリカジュールエナメルは非常に難しい技術でしたから、使われる色は1-2色のグラデーションであることが多く、今回のペンダントのように7つものカラーを施したプリカジュールエナメルは非常に珍しいものです。

下記は以前に当店で販売しましたプリカジュールエナメルのペンダント、やはり同系色の色でまとまった作品です。
プリカジュールのアンティークジュエリーで比較的よく見られる色彩です。

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今回のペンダントは栞のように薄く(こうした栞のように薄いペンダントは、やはりアールヌーボー期に作られたジュエリーの一つです)、そして両面にほぼ同じパターンのエナメルが施されています。
エナメルだけでなく、金細工の繊細さも美しい作品でした。

優れたアンティークエナメルのジュエリーは、それこそ現代では絶対に再現不可能。
ロマンを感じるアンティークジュエリーですね。
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