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2015.04.29 (Wed)

カリブレカットルビーのアールデコ指輪(ダイヤモンド、1920年代)

昨日、カリブレカットルビーxダイヤモンドのアールデコらしさがよく出た指輪をアップいたしました。

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「カリブレカット」、アンティークジュエリーの本などを読んでいると時々出てくる言葉ですね。
カッティング技法と思われている方もいらっしゃるようですが、これは宝石のセッティング(石留め)をあらわす言葉です。

フランス語でCalibre cut(カリブレカット)。
石を留めるのに爪を使わずに、石の両側の縁をわずかに倒して留めます。
「爪を使わず」にと言うところがポイントです。

アンティークジュエリーにおいて長年「宝石を留める爪」は一つの大きな制約でした。
(むしろその手を装飾的にうまく活かしているケースも多々ありますが・・・)
20世紀に入り宝飾技術のレベルが高くなり、ハイクラスのジュエリーを中心に叶えられたのがこのカリブレカット。
小さな石を連続してラインを作る時、爪がないことで宝石がすっきりとして見えます。
そしてまるでデッサンに描いたようなジュエリーデザインを体現することが可能になったのです。

カリブレカットはは以下のようなアンティークジュエリーに見られることが多いです。

・アールデコ期のハイジュエリー
・この時代の同じ色の同じ形の連続する石を留める時。
・アクセントカラーとなる色石の石留め(主にルビーとブルーサファイヤ)
です。


今回ご紹介しました
*「中央のメイン石」の周りにカリブレカットのルビー(あるいはサファイヤ)を配した指輪」はアールデコのジュエリーで好まれた一つのデザインです。

*中央のメイン石はほぼ100%ダイヤモンドであることが多いのですが、稀に下記のような例外もあります。
こちらはメイン石がアクアマリン(当店にて販売済み)。

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またカリブレカットは指輪に限りません。
例えば下記のようなブローチ(当店にて販売済み)。

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ネックレス(当店にて販売済み)。

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そしてアールデコより少し後年の下記のようなゴージャスなカクテルウォッチ(当店にて販売済み)でも用いられることがありました。

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カリブレカットが用いられたアンティークジュエリーは1920-30年のアールデコのジュエリーに最も多いのですが、その前後20世紀初頭から1940年頃までのハイクラスのジュエリー及び高級時計に見られます!
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