昨日、アールヌーボーの彩り豊かなバタフライのブローチをアップしました。
バタフライ(蝶)をモチーフにしたアンティークジュエリーは19世紀後期、特に19世紀末にアールヌーボー様式の影響を受けてヨーロッパで絶大な人気を誇ります。

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色とりどりの石はペーストガラス。
そしてその背景にはぎっしりと天然真珠がセットされています。
真珠は台座に埋め込まれるように深くセットされているので、私は最初見たときにそこまで真珠に目がいかなかったのですが、見れば見るほどこの「天然真珠xペーストガラス」の色の組み合わせに吸い込まれていきます。

ペーストはピンク、ミドリ、青、ブルー。
ペリドット、ピンクトパーズ、ブルーサファイア、ガーネットを連想させます。
ペーストガラスは私は、個人的にもとても魅力を感じる素材なのですが、皆様はいかがでしょう?

こうしたペーストは単にガラスをそのままセットしたのではなく、ガラスを一度粉砕し、高温で練り直しています。
私たちの日常生活で目にするいわゆる「ガラス」と成分としては同じですが、風合いが異なるのはそのためです


当時、巨匠と呼ばれるジュエラーも蝶にインスピレーションを受けて、アールヌーボージュエリーの傑作を残しています。
エピソードの欄にはジョルジュフーケやルシアン・ゴートレが当時、製作したまさに歴史的なジュエリーもご紹介しましたのでぜひご参照ください。
宝石の美しさだけでなく、その構図が他のどの時代にもない特別で独創的であることを感じていただけることでしょう。


また下記は当店で保有している、他のバタフライのアンティークジュエリーです。


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特にこちらのペンダントはなぜまだ売り切れていないのだろう?と本当に不思議に思うジュエリーです。
美しいシルエットはもちろんのこと、ハイクオリティーのダイヤモンドが贅沢に使われているジュエリーです。
特に中心のローズカットダイヤモンドの美しさは、厚みもありカッティングも完璧で、アンティークジュエリーと言えどもここまで存在感のあるローズカットダイヤモンドは滅多に見ることがありません。


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こちらは何とオリジナルのチェーンが付いており、オープンワークの美しい蝶(バタフライ)です。
この時代のジュエリーは、空間の取り方が独創的で面白いジュエリーが多いです。こうした曲線が入り組んだオープンワークは言うまでもなく、高度な宝飾技術を要します。

美しい蝶の世界、是非ご堪能ください。