昨日アップしました、まるで真珠のように見える吹きガラスのアンティークピアス。

こうした「吹きガラスの独特な光沢」はどのようにして出ているのか・・・かねがね不思議に思っていまして色々と調べてみましたら面白いことが分かりました

当時、吹きガラスの表面に、魚の鱗から取った光沢材をコーティングして、独特の光沢を出したそうです。
なるほどそれでこの独特のツヤツヤ感が出ているのですね。
アンティークジュエリーの世界は、勉強してもしても知らなかったことを発見することが多く、飽きません
(言い換えれば、一生勉強なので大変です

吹きガラスはガラス工芸の技術のひとつで、高温溶融されたガラスを、吹き竿に巻き取って、息を吹き込んで成形するガラス工芸技法のことです。
その起源は紀元前1世紀まで遡ります。
東地中海沿岸のフェニキア人が発明しました。
吹きガラス製法は古代ローマの時代からほとんど変わっていません。

イギリスやフランスでは18世紀に、ロココスタイルの仕上げとして登場した吹きガラスが登場します。
「もっとも上質なフェイクパール」として敬意をこめて「ローマの真珠(roman pearls)」と呼ばれることもありまりました。


例えば↓(こちらは当店の商品ではなく、海外の資料から抜粋しました)は、今回のピアスで使われている吹きガラスの光沢によく似ていると思いますが、18世紀のロココ様式の吹きガラスのピアス。
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当店でこれまで扱ってきました吹きガラスのアンティークジュエリーは合計で3点。

以前にご紹介いたしました吹きガラスの一連のネックレス、推定1820-30年頃。
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今回の吹きガラスのピアス。推定19世紀後期
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そしてもう少し後年のアールデコのロングネックレス。推定1920年頃
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こうして数点をまとめて見ていただくことで、天然真珠とは異なる独特のテクスチャーを感じていただきやすいかと思います。
ココ・シャネルが颯爽とフェイクパールで一世風靡をする前の、最も最初で上質なフェイクパールでもある吹きガラス。
所謂天然の宝石ではありませんが、手の込んだ当時の職人が生み出した味わいある素材は、アンティークジュエリーならではの醍醐味です。
私は何だかとても惹かれるものがあります、当時の職人のロマンが息づいているのを感じるからです。
皆様はいかがでしょう?


アップしましたジュエリーのご感想等も是非お気軽にくださいね!