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2014.11.21 (Fri)

円安とアンティークジュエリーの価格について


催事を行っておりますと色々な方からご質問をいただき、複数の方から同じようなご質問を受ける場合もございます。
そうしたテーマは、はやはり関心を持ってくださっている方が多いということでしょう。
なかなかデリケートな話ではございますが今回もご質問の多かった、
「円安とアンティークジュエリーの価格の動向」
について、当店の見解を書かせていただきたいと思います。


ここ数年、特にこの1ヶ月は急激に円安が進んでおります。
対ドルでは3割ほどの円の下落、「ということはやはりアンティークジュエリーの価格がそれだけ上がってしまうのでは?」とご心配いただいてくださるお客様が近年多いです。
答えはですね、、、、大変つらい事実ですが確実に上がると私も思っています。
単純にユーロが円に対して3割あがったから3割り増しになるといった感じではないと思いますが、確実にあがらざるを得ないでしょう。


ただ私が危惧しているのは為替だけではありません。
1)アンティークジュエリーが減ってきていることから(特にフランスもの)、2-3年前からEUR建てでも既に価格が大きく上昇してきている(3割増しぐらいになってきている)。

2)上記に加えてこの2年は急激に円安が進んできている。

といったことです。
仕入れ値は5割程度増していると言う感覚です。


これがそのまま販売価格に反映されるかというと、現時点では多少はされてきていますがそこまでではありません!
日本はかなりの間、不景気が続いておりましたからどの業者さんもギリギリのところを削って頑張っているという状況だと思います。
当店を含めて日本の業者さんは経費削減、利益削減でかなりギリギリのラインで頑張っているのではないでしょうか。
現状では販売価格そのものは少しずつ上昇してきているように思いますが、仕入れ値の上昇分ほどは上げられていないといのが現状だと思います。
しかしそうしていると当然しわ寄せは、業者に行くことになります。
実際、この数年店じまいや規模縮小をしたお店はかなりかなり多いです。


まだ価格がそこまで上昇していないのは、一つにはお店はどこも在庫を抱えており、その中には随分前に仕入れたものも多いはずで、それは昔仕入れたものですから、こうした状態になってきていても価格は以前と変えていないこと。
またEURやポンドなどをある程度、前もって持っているお店さんなどもいるでしょうから、そうした工夫などでだいぶ吸収できていると言うところも現時点ではあると思います。
しかしこうしたことが永遠に続くわけではありませんので、今後、緩やかに上昇していかざるをえないでしょう。


と書きますと
「この先、この業界ってお先真っ暗じゃない!」
と思われるかもしれませんが、うーん、まぁでもそういうものだと思います。
今より円安の時代もありましたし、アンティークジュエリーの価格ってそもそも近年随分安く売られるようになったぐらいで、昔私が始める前のころの日本での相場はもっとずっと高かったですよ
当店では、向こう2-3年の為替のリスクは多少は軽減できるような措置をとっています(もちろん全てを吸収できるわけではありませんが、半分ぐらいは吸収できそうです)。
EUR建ての価格を抑えて仕入れができるかどうかは、やはりディーラーさんとの関係や付き合い方、タイミング等につきますので、色々まめに相談をしては可能な限り抑えています。
しかし取れるだけの対策を取ればそれ以上はある意味、気を揉んでも仕方ありません。
いつの時代もフレキシブルに対応する、これにつきます。


あと一言で「価格が安い、高い」といってもやはりアンティークジュエリーの場合、価格は簡単に比べられるものじゃないのです。
ちょっと似たようなものはあるかもしれませんが、よく見るとそれはだいぶ違うものでもあったりします。
例えば「ダイヤモンドxルビー」の同じような同じ頃に作られた同じ大きさぐらいの指輪があっても、その美しさの優劣というのはだいぶあるものです。
またアンティークジュエリーそしてジュエリーそのものや宝石の持つ価値も、時代のよって少しずつ変わってきています。
やはり世界的に見てアンティークジュエリーは希少になってきており、そしてそれは実は現代ものの天然宝石もそうなのですよ。
香港の現代物のジュエリーオークションなどでは近年、ジュエリーや原石の最高落札価格の更新が続いています。
ピカソの絵を昔、購入した人の価格と今、購入する人(簡単に買えるものではないですが!)の価格が違うように、世の中で認められる価値が異なってきているというところもあります。

とまぁ、色々と考えていくと頭がぐるぐるになりますが、大きくいえば
アンティークジュエリーの価格はあがってきているし、もっと上がると考えている。
しかしだからといってお先が真っ暗なわけではない。
それをお伝えしたかったのです。


またそもそも価格にとらわれすぎると良い買い物はできません(それは私のようなディーラーも皆様も同じです)。
少しお値段のはるものだって何十年もヘビーローテーションで使えるのだったらある意味お買い得です!
最終的には、何を持って適正価格と取られるかはお客様次第ですし、それがアンティークジュエリーの醍醐味でもあります。


さて紅葉がだいぶ色づいてきました。
今日は京都の市街地でいち早く色づいていた真如堂近辺にいってまいりましたよ。

金戒光明寺から真如堂へ、この間の風情のある小道を通り抜けながら散策するのが好きです。
紅葉の季節も桜の季節も、京都のど真ん中にあってなぜかなかなか空いている穴場なのです。

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