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2014.10.13 (Mon)

パリ 鍵忘れ事件

パリでの買いつけの日々の様子の続きを書いていきますね。

2日目の日はやはり早めにおきまして出陣!
・・・の前に、朝ポワラーヌしてきました。

ポワラーヌ(poilane)とは当店の店名の由来になっておりますサンジェルマン地区のcherche midi通りにあるパン屋さんで、日本でも有名です。
今回宿泊していたアパルトマンとポワラーヌは歩いて5分程度。
朝7時からパン屋はオープンしているということで、さっくり朝のパンを買ってきてアパルトマンで食べました。


poilanetareauxpommes.jpg

そのおいしいことといったら。
特に私の好きなのはtarte aux pommes(りんごパイ)、朝から元気をもらったのでがんばります!

朝一番に出かけたのは実験的な場所で、月イチで行われているアンティーク市。
アンティークフェアより少し格下の市場です。
ずっと前、私がこの仕事を始めた頃は、こうしたパリの色々なところで行われるbrocanteと呼ばれるアンティーク市が頻繁に開催されており、大きな作品ではないけれど小ぶりの指輪やピアスなどを見つけることができました。
しかし・・・この日の朝の収穫はゼロでした。
現地のディーラーたちも近年よく「今や、路上では何も見つけられない」とぼやくのですが、本当にその通りです。


私の場合、最後の良い時代にスタートアップをきっていましたので、以前こうしたアンティーク市に出ていた人あるいはその格上のフェアに出ていた人の中でよいジュエリーをお持ちのディーラーさんと個人的に親しくなっていき少しずつ信頼関係が生まれていきました。
今はほぼアポイントベースで買い付けを行っています。
でももし時代が少しずれて、今スタートアップをきっていたら仕入れはもっとずっと大変になっていたことでしょう。
いまや若い人はスタート地点に立てないそんな感じです。

でももちろんどんなに大変な時代であっても、そこから抜群のセンスと行動力でスターダムを駆け上がる人もいることでしょう。
そして自分より若い年代のディーラーさんが出てくることで、ただでさえ厳しくなる市場がより大変なことになるのかもしれないです。
でも中年と言う年齢に差し掛かりつつある今、私が思うのはそれでもそうした自分より若い世代のディーラーさん(日本人であれフランス人であれイギリス人であれ)にやはり温かい目を持っていられる人間でありたいなということです。
どんな業界であれそうした若い力で、新しい波が生まれたり何かの原動力になり、業界が活性化するのですから。

さて話はずれましたが朝イチの仕事は早々に見切りをつけて、アポ現場へ。
ここから2つ懇意のディーラーさんのところでジュエリーを見せてもらいました。

一人目のディーラーさんは、私が最も知識をもらったディーラーさんで、本当に勉強熱心。
今日はコピーはなかったですが、時々本の抜粋などコピーも用意して待っててくれます。
知識を得ることにも、それを与えることにも惜しみのない人で、仕事もプライベートもほとんど混ざっているそう。
心からアンティークジュエリーが好きなのだと思います。
彼女のところで見つけるジュエリーは非常に珍しいジュエリー、定番モノというより希少で見つけにくいジュエリーが多いです。
この日もとても変わったジュエリーをお持ちなので悩みに悩みぬき特に真珠のジュエリーを数点、彼女のところで仕入れてきました。


2人目のディーラーさん、今お付き合いしているディーラーさんの中でもっともお付き合いが長い彼女。
かなり長いことtomoko boxを作っておいてくれたようで本当に有難いです。
お互いピアス好きなので、特に小ぶりの愛らしいピアスを見つけると私の顔を思い出すのだとか。
この日もなかなか変わったピアス、定番のピアスなど、昨今きわめて価格の高騰しているピアスを、以前のような価格で譲ってくださいました。
本当に優しいなぁ。。。
何だかんだ言ってたまにしかあえず、しかも一緒にすごす時間はあっという間に過ぎていきます。
別れ際はなんだかとても寂しくて、向こうも「あっという間に帰っちゃうのね」と。
たくさんビズー(ほっぺたの両側に頬と頬をくっつけてキスをすること)して別れます。
異国の地で旧知の人に再会するほど心温まることはなく、それだけに別れ際はなんだかとても寂しい気持ちになります。



比較的スムーズにこの日の仕事終了!
といっても朝イチでアパルトマンを出て再びアパルトマンに戻ってこれたのは17時過ぎ。
あわててもろもろ身支度をして早々にまた出発です!
その日の夜は旧知の友人と夕食の約束をしていたからです。
彼のアパルトマンでやはり共通の知り合いの友達と皆で集まることになっています。
Let's go~~、無事に彼のマンションの前までつくとなんと扉の前で待っているではありませんか!

私:「んん、どうしたの?」
友人D:「鍵を会社に忘れてきたみたい!」

えぇーー。
ということでシャンゼリゼ近くの高級レジデンスの扉の前で足止めを食らう私たち。
私:「会社に戻って取ってきなよー」
友人D:「また電車に乗るのは絶対にいや」

となぜか電話を掛けまっている。
彼の働くオフィスはパリの西側の郊外にあり、どうも彼のアパルトマンのある地下鉄1号線を皆つかって、パリの中心部に帰っていくそうな。
つまり彼のマンションはいわば多くの従業員の帰り道にあるので、誰かオフィスに残っている人を捕まえて、近くまで持ってきてもらおうという魂胆らしい。
しかしこの日に限ってなかなかつかまらない!
とうとう上司にまで
そのちょっと前に、「今、働いている部署の上司が最悪だから、部署移動のために今、社内で面接を受けているんだよね」
って言っていたのですが、その上司も小間使いにすることを辞さないらしい、彼らしくて大笑いです。

しかし結局その上司も既にオフィスを出てしまっているようで、ようやく違う仲良しの同僚の女性がつかまり。
近くのバーレストランで私たちがアペリティフのKirを飲んでいる間に、彼女が鍵を持って現れました。


argentine.jpg

人徳だなー。
ということで友人Dと鍵を持ってきてくれた優しい同僚の女性、Dと私の共通の男友達の四人でなぜか彼のアパルトマンのすぐ近くのレストランでそのままご飯を食べることになりました。

argentine22.jpg

住宅街のこんな通りに面したなかなか良いレストランでした。

argentine4.jpg

メニューに「tenpura」を発見。
頼んでみたらこんな感じでした、斬新!


argentine33.jpg

その他、もろもろ飲んで食べて、しかしかなり疲れていたので晩餐の終わりごろにはあくびが・・・。
そんなに遅くない時間に切り上げました。
友よ、次回は鍵を忘れないでね。


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