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2013.06.21 (Fri)

不完全な美

留学時代のフランス人の友達が京都にきているということで、これまでどのフランス人も「ここが一番!」と口を揃えていう竜安寺(龍安寺)にご案内してきました。

竜安寺といえば石庭が有名ですね。

ryoanji4.jpg

でもこうして写真で撮ってしまうと美しさが全然伝わらないですね。
究極に象徴化された素晴らしい庭、15つの石がどの角度からも全部は見れないように計算されています。

そして以前は石庭の印象しかなかったのですが、他の庭そして山を借景にした風景が美しいこと。
ryoanji5.jpg

この庭をみてそのフランス人のお友達
「こんなに綺麗なもの、これまでの人生ではじめて見た」
と大感激でした。

ちょうどその日、京都も大雨が予想されていたのですが、幸い、お昼過ぎぐらいまではぽつぽつ雨程度で、その雨の雫が艶やかに光り、ますます美しかったです。

そして二人で広い回遊庭園をぐるぐるし、「おなか空いたね」なんていっていたときに出会ってしまった、こちら、西源院(せいげんいん)。
龍安寺のお庭とつながった精進料理のお店です。

少し高めではあったのですが、「どうする?行くでしょう!」みたいな感じで行ってきました。


ryoanji3.jpg

こちらそのお店から見えるお庭。
味は正直それ程期待してなかったのですが(場所が良すぎるので)、とてもおいしくて、そして何より目の前の景色にうっとり。


ちょうど庭師さんがお庭の手入れをしてくれていて、「やっぱり熟練した庭師なのかな。」と聞いてくるので。
「それは、そうでしょう。だってこの美しさって不完全なものだから・・・」と自分で応えていてはっと思ったのですが。
ここの美しさって不完全な中の完璧な美しさなんですよね。

フランスのジュエリーを見ていて思うのは、フランスの美って「規則性とか完璧さ」なんです。
(普段のフランス人のザックリ加減を見ていると信じられないと思うかもしれませんが、フランスの美はフランス庭園を見るとその緻密さや色使いにあるのがよく分かります)
ですので龍安寺の「有と無」で作る、自然と一体化した空間美とは対照的な綺麗さです。


ちょうどご飯を食べている時に、とても強い雨がざーっとふってきて、それを内側から眺めると、木々や葉っぱに水が光りこの世のものと思えないほど美しい。
友達ももう言葉をなくしていて。
「本当にありがとう!ともこがここに連れてきてくれたおかげ。美しすぎて何と表現していいか分からない。
今まで見た何より美しい」

と喜んでいました。
喜んでもらえて良かったです。

私のフランス人の友だちはほぼ皆、このお寺にはまります。
究極的に「日本」なんですよね。
私がフランスのジュエリーに惹かれるのも、それが究極的にフランスで、それがジュエリーというとても小さなものの中に凝縮されているから。
ジュエリーもやはり文化ですね。


最近アップした指輪。

5石のダイヤモンドが横一列に並んでいるのですが、良い意味でその表情や煌きが、均一的でないです。
ルーペでじっくり観察すると、真ん中の一番大きなダイヤモンドだけがローズカットになっていて、残りの4石がオールドヨーロピアンカットになっています。


フレンチな美学を感じる指輪です。

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