2009.08.09 (Sun)
オパールとエメラルドのアンティーク指輪(19世紀後期フランス)
ようやくこの本を読み終えました。
フランス上流階級のスタイル辞典ということで、フランスのブルジョワについてかなり詳しく書かれた本です。
フランスの(しかも一世代前の)サブカル的要素、注釈なども多いので、読み解くのに思いっきり時間がかかってりまいましたが、とても興味深く読み応えありです。
日本では97年に、私の大学の先輩にもあたる伊藤緋紗子さんによって翻訳されて本で。
原作はフランスで91年に出された本です。
なので内容的にはかなり古く、フランス80年代におけるブルジョワの実態を書いた本といった感じでしょうか。
今、読んでみると「あー、古いなぁ」と思うところもあるのですが、それがかえって面白いところもありました。
パリでは近年、新しいタイプの富裕層の形として「Bourgeois boheme(ブルジョワボヘム)」と呼ばれる富裕層が注目されて久しく。
私のフランス人の友人でも典型的なBOBO族の子たちがちらほらいるのですが、そのブルジョワボヘム(略してBOBO)、が出てくるいきさつなんかもこの本を読みながら読み解くことができます。
この本の面白いのはさまざまなタイプのブルジョワ女性を実名・仮名でその生き様とか、家族、仕事、悩みなどをヤバイぐらい具体的に書いている点。
例えば、今でも圧倒的なお金持ち&家柄を誇る超ブルジョワから、家柄はよいが資産的には今ではそこそこの堅実家で伝統的なBCBG族、ニューリッチ系のキャリア志向の強い女性たちとか。
一言に「ブルジョワ」といっても、いくつかのタイプがあるものだし、また彼女たちの間の敵対意識とか書かれています。
階級間の敵対意識が、女性が働くことで大きく変化することになったというところなんかも、近年の日本の女性事情にも驚くほど似ています。
(意外かもしれませんが、フランスの上流女性の間ではけっこう近年まで「上流女性は家を守る、家にいること」こそがステータスだったという一面もあるのです。)
一言に女性といっても誰もが女性の社会進出が素晴らししモノと思っているわけではなく、女性の温度差があって、そんな「働く派」「家にいる派」の争い!?というかリアクションの違いは、どこの国でも起こるんだなぁと。
フランスの場合、そこに階級というのが絡み合うので、もうちょっと複雑になるといった感じでしょうか。
アンティークジュエリーは、もともとはこうしたフランスの数世紀前のフランスの富裕層の女性のために作られたものです。
そして今でも、特にハイジュエリー系のアンティークジュエリーの出元は、いわゆる現在のフランスの富裕層です。
日本のディーラーの多くは現地のディーラーから買っているので、買付けという点において現地の富裕層と交わるということはあまりないのかもしれませんが、私は好奇心から、機会があればこうした富裕層の人から直接ご自身のコレクションを買い取るということをしています。
またときどき、そのような方を紹介されることがあります。
それはディーラーを通すと、どんどんと最終的な買付け価格があがったり、面白いものがそうそうでてこないという商売的な理由もあるのですが。
やっぱり個人的に、彼女たちの生き様に何より興味があるんです。
そのマナーとか金銭価値とか(案外ケチだし、お金の話に超積極的にするところとか面白い)。
アンティークジュエリー探しと平行したライフワークとして、探索し続けようと思います。
最近アップした商品。


左:ジェットのピアス。フランスのジェットピアスでは珍しく彫りが入っていて可愛い。
右:オパール&エメラルドの指輪。
![]() | 私たち、ブルジョワ―フランス上流階級のスタイル事典 (1997/11) ヴァレリー アノテルマリー・ロール ドゥ・レオタール |
フランス上流階級のスタイル辞典ということで、フランスのブルジョワについてかなり詳しく書かれた本です。
フランスの(しかも一世代前の)サブカル的要素、注釈なども多いので、読み解くのに思いっきり時間がかかってりまいましたが、とても興味深く読み応えありです。
日本では97年に、私の大学の先輩にもあたる伊藤緋紗子さんによって翻訳されて本で。
原作はフランスで91年に出された本です。
なので内容的にはかなり古く、フランス80年代におけるブルジョワの実態を書いた本といった感じでしょうか。
今、読んでみると「あー、古いなぁ」と思うところもあるのですが、それがかえって面白いところもありました。
パリでは近年、新しいタイプの富裕層の形として「Bourgeois boheme(ブルジョワボヘム)」と呼ばれる富裕層が注目されて久しく。
私のフランス人の友人でも典型的なBOBO族の子たちがちらほらいるのですが、そのブルジョワボヘム(略してBOBO)、が出てくるいきさつなんかもこの本を読みながら読み解くことができます。
この本の面白いのはさまざまなタイプのブルジョワ女性を実名・仮名でその生き様とか、家族、仕事、悩みなどをヤバイぐらい具体的に書いている点。
例えば、今でも圧倒的なお金持ち&家柄を誇る超ブルジョワから、家柄はよいが資産的には今ではそこそこの堅実家で伝統的なBCBG族、ニューリッチ系のキャリア志向の強い女性たちとか。
一言に「ブルジョワ」といっても、いくつかのタイプがあるものだし、また彼女たちの間の敵対意識とか書かれています。
階級間の敵対意識が、女性が働くことで大きく変化することになったというところなんかも、近年の日本の女性事情にも驚くほど似ています。
(意外かもしれませんが、フランスの上流女性の間ではけっこう近年まで「上流女性は家を守る、家にいること」こそがステータスだったという一面もあるのです。)
一言に女性といっても誰もが女性の社会進出が素晴らししモノと思っているわけではなく、女性の温度差があって、そんな「働く派」「家にいる派」の争い!?というかリアクションの違いは、どこの国でも起こるんだなぁと。
フランスの場合、そこに階級というのが絡み合うので、もうちょっと複雑になるといった感じでしょうか。
アンティークジュエリーは、もともとはこうしたフランスの数世紀前のフランスの富裕層の女性のために作られたものです。
そして今でも、特にハイジュエリー系のアンティークジュエリーの出元は、いわゆる現在のフランスの富裕層です。
日本のディーラーの多くは現地のディーラーから買っているので、買付けという点において現地の富裕層と交わるということはあまりないのかもしれませんが、私は好奇心から、機会があればこうした富裕層の人から直接ご自身のコレクションを買い取るということをしています。
またときどき、そのような方を紹介されることがあります。
それはディーラーを通すと、どんどんと最終的な買付け価格があがったり、面白いものがそうそうでてこないという商売的な理由もあるのですが。
やっぱり個人的に、彼女たちの生き様に何より興味があるんです。
そのマナーとか金銭価値とか(案外ケチだし、お金の話に超積極的にするところとか面白い)。
アンティークジュエリー探しと平行したライフワークとして、探索し続けようと思います。
最近アップした商品。


左:ジェットのピアス。フランスのジェットピアスでは珍しく彫りが入っていて可愛い。
右:オパール&エメラルドの指輪。
14:23
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