さて今回の買い付けの間、多くのディーラーさんが口にしていた中国人問題!
もうこの数年、アンティークジュエリー市場は中国人が一番大きなバイイングパワーになっていますので、それで価格が高騰していてみんな困っているのですが。
実際にお金を落とすのは中国人ということが多いですから、現地のマーケットやディーラーさんは致し方なく付き合うしかほかないところもあります。
ちなみにこの数年はアメリカ人もかなり大きく力を取り戻していますので、今、アンティークジュエリーで大きなマーケット中国とアメリカです。

今回特に聞いたのは「キャッシュ買い!」
100万円以上を超えるようなもの(時には1000万円以上)も、すべてキャッシュ(現金)で買っていこうとするのそうです。
それも大量に、そして大勢の人数でやってくるそうです。
フランスは自由な国とのイメージとはうらはらに、社会的、経済的な規制が多い国です。
マネーロンダリング防止のため、外国人がキャッシュで買おうとすると一定額以上(確か1500ユーロ程度)以上になりますとパスポートの提示が必要です。
そして仮にパスポートを提示したとしても、ディーラーさんにとってキャッシュを受け入れる限界はあります。
というのも実際、彼れらも売却したお金で別のジュエリーを仕入れないといけませんが、今キャッシュを受け入れてくるところはとても少ないですし銀行にも嫌がられる。

でもなんでそんな高価なジュエリーやオブジェを多額の現金で買うのでしょうか?
中国人のマネーロンダリングでは?と言われています。
というのも紙幣としては小さく20ユーロのお札を、超大量!!!!といった感じの買い方だそうです。


そして・・・その中国人というの、最近はなぜかドイツから来るそうなのです。
フランスは法律が厳しいので…フランス在住というよりドイツに住んでいる学生!」なんだとか。
どんな学生なんでしょうね・・・・


先日、ベルギーでハイクラスはフェアがあったのですが、そこでも非常に高価なアンティークオブジェを中国人がやはり現金バイをしようとしたそうなのですね。
ですが売主のムッシューは「NON」といったそうなんです。
というのもあまりに高価なオブジェであったのと、とても良いものではあったそうなのでそれであればなおさら、面倒に巻き込まれるのはご免と思ったそうです。

私が初日に会ったディーラーさんも開口一番
「私、もう中国人は我慢ならない」と決めたわ。
と言っていました。
諸刃の矢といいますか、確かに大きなお金は動くのですがリスクも大きいのですよね。

例えば、ちょっと前までは中国人はアンティークサンゴをたくさん買っていました。
私の知りあいのイギリス人のディーラーさんもそれを見越して大量のアンティークサンゴを(主にフランスで)買い付けていたんですよね。
ただここの所急に規制が入ったらしく、パタっと中国人がサンゴを買わなくなったそう。


別の若手の男性ディーラーさんいわく「あと、2-3年でこのような中国人の大量買いは収まるんじゃない?」と言っていましたが、私はやはり中国人は裕福な人も貧しい人も何といっても人口が多いので、購買力はそう簡単に低下しないと思うんです。
ただ何かしらの規制(中国人学生のビザの厳格化ですとか。嗜好品の購入は禁止とかしてくれないかなぁ・・・)が入って、買えなくなるとかそうした「急激な変化」はありえるのかな?と思いました。
そうなってくれると少し落ち着いてありがたいんですけどね・・・


写真はそんなきな臭い話を忘れるような、通りがかったお花屋さん。
ちょうど母の日でした!

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