買い付け日記では、〇を買い付けた◇を買い付けたという詳細より、私が買い付けの間に感じたこと、今のフランスの社会のことについてつれぐれと(好き勝手に!?)書いていきたいと思います。

今回は夜便だったので朝の早い時間にパリ市内に到着した初日。
午後遅めの時間からアポを入れていたのですが、その前に一つ行かなければらならないところが・・・。
それはフランスの銀行です!

非居住者なので基本的に小切手やカルトブルー(CB)と呼ばれるフランスのデビットクレジットカードは持てないはずなのですが、フランスに住んでいた時の履歴、帰国してからも取引履歴が長かったために以前から許可をもらっております。
ジュエリーの仕入れは高価ですし、小切手での決済が便利です。
しかし!
今回渡仏前に荷物の準備をしていましたら、小切手帳の残数がとても少なくなっていることに気づきまして・・・
フランスから日本の自宅に送っていただくのは間に合わなそうだねということで、アポを取っていたのです。

銀行の担当者ともコロナ禍を挟み、数年ぶりの再会!
ここがフランスらしくないところなんですが、小切手なんのその…雑談で盛り上がってしまいました。
担当者のお子さんが高校生と中学生ということもあり、教育の話に。


これはその日の午後に訪れたソルボンヌ卒のディーラーさんもいっていたことですが、今フランスの大学のキャパシティーって需要においついていないそうです。
ひと昔のフランスは誰もが大学にいくわけではなくて、いわゆる専門学校とか手に職的な道をバカロレア(フランスの高校卒業資格試験)を取った後に選択する若者も多かったのですが、最近は大学志望が増えていて。
加えてフランスって大学はそのすべてが国立で(グランゼコールといわれるエリート高等教育は私立もあるのですが)、数は少ないんですよね。

日本は一流大学へいくために中学受験が増えてきていますが、フランスもやはりいい大学にいくためには昔と違って私立の高校とか家庭教師とかつける家庭が増えているのだとか。
またフランスでも近年「学力の低下」が叫ばれているそうで、それは基本的な学力の低下だけでなく目まぐるしく変わる実社会で適合して必要なスキルが大学で学びづらいといったこともあるようです。


「フランスというと=自由の国」というイメージがありますが、比較的先進的な教育で知られているのはヨーロッパでも北欧(フィンランド)とかオランダあたりです。
このあたりの比較的小さな西欧の国のほうが、新しい時代のニーズに合致したい教育をしているようで、フランスの教育は日本の教育と同じで割と古いです。


色んなジレンマにもがいているところ、過去になまじ成功してきて優れた文化を持つ。でも今はやや斜陽な国という点で、でフランスと日本の社会が抱える問題は本当に似ているなぁと思います。

銀行の担当者のお子さんは今、科目の選択の真っ最中で完全理系男子みたいで物理を取るらしいのですが、生物は取らないといっているそうで。
となるとやはり医学とか薬学の道は絶たれるのでそれで本当に良いのかな?とかお母さんとしては考えているようです。
やはり世の中の役にたってほしいし・・・でもデジタル化が進んでいるからやはり理系(特に物理は強いかな)とか・・・

フランスというと出産も無料(無痛分娩が標準)から大学も学費が無料!ということでとても優れたシステムを持っているように紹介されることが多いように思いますが、抱える悩みは近いものがありますね。


絶賛不人気のマクロン大統領。
命の危険も感じているとかでボディーガードの数がすごいそう。

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