先日、お客様からお問合せを頂いて、そういえばあまりまとめてご案内したことがなかったと思いました。
アンティークジュエリーでもゴールドなどの貴金属が地金になったものは、日常使いの汚れでしたらご自身でクリーニングして頂けることが多いです。

クリーニングができるアンティークジュエリー:ゴールドやプラチナが地金のジュエリー。
*宝石もダイヤモンドやサファイヤなどは特に簡単ですが、真珠なども気を付けて頂ければ可能です。

クリーニングができないアンティークジュエリー:特にエナメルのジュエリー/時計等


簡単なクリーニング方法

1)中性洗剤
ママレモンなどの比較的安価でシンプルな中性洗剤がお薦め。
オーガニックなど凝ったものではなく、ドラッグストアでよく売っておりますママレモンなどの中性洗剤にされてください。

と言いますのも日常でつく汚れの大半は実は「油汚れ」であるからです。

ぬるま湯に中性洗剤を薄めて、軽く手でこすりながら洗い流す。
→「えっ、それだけ?」と思われるかもしれませんが、案外これですっきり綺麗になることも多いです。

2)こすり洗い
もう少ししつこい汚れの場合は、水気&こすり洗いがよく効きます。

下記のようなジュエリーフロスを水に軽くつけて、気になる部分を部分的にこすってください。
フロスを使うと、汚れは劇的に落ちます。
ただし基本的に研磨になりますので、汚れが落ちないところに部分的にアプローチ。
日常的なご使用というより汚れが目立つときのケアとしてお考え下さい。

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3)ジュエリークリーナー
特別汚れの目立つときは、東急ハンズやアマゾンなどで売っている下記のようなジュエリークリーナーにつけて頂いても良いです。
ただこちらも基本的に研磨になりますので、数ヶ月に一度のお手入れを目安に頻繁にはご使用されないほうが良いです。
ジュエリークリーナーは「真珠やエメラルド、ムーンストーン」等のデリケートは宝石用と、そうではない宝石の入ったクリーナーに分かれていますのでお気をつけください。

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4)シルバーフロス
銀が地金のジュエリーの場合、シルバージュエリーの洗浄液につけると汚れが落ちすぎて白っぽく(アンティークジュエリーの風合いが損なわれてしまう)ケースもあり、「按配」が難しいです。
シルバー系のジュエリーの場合、むしろ下記のようなシルバーフロスが按配が掴みやすくお薦めです。

私が使っているのは、下記のものです。
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ちなみにシルバーを用いたアンティークジュエリーの将来的な黒ずみについて良くご質問を頂きますが、基本的にジュエリーで使われているシルバージュエリーは黒ずみは出づらいです。
銀製のカトラリーなどの黒ずみを思い浮かべて心配される方もいらっしゃるようなのですが、ジュエリーに用いられている銀は純度が高いです。
よほどの特殊な事情がない限り、ぎっしりと黒ずみがでるといったことはないです。

ちなみに私は銀製のアンティークジュエリー(商品)で何年も買い付けた時の手入れ以外は、何年も手入れなく保管しているものも多く持っていますが銀の色はそのままです。


5)超音波清浄機はゴールドが地金のものも含めてお避けください。
工房などでは注意をしながら(例えば気を付けるべき宝石に超音波清浄機があたらないようにしながら)使うことがありますが、一般の方がする場合はリスクいが高いので、避けてください。

「真珠のついたジュエリー」
現代、真珠のジュエリーを買うと「水気厳禁」と案内されることも多いようですが、特に1)の中性洗剤&ぬるま湯の洗浄は真珠のついたアンティークジュエリーでも可能です。
昔の真珠は天然のものはもちろん、養殖でも初期の頃のものなので巻きが厚く、丁寧に扱っていただけるようでしたらちょっとした水気や中性洗剤を使っていただいて退色することはまずないです。
現代の養殖真珠はおそろしく巻きが薄いので、それで水気厳禁となっているわけです。


「個人差」
実はジュエリーに付く汚れは、かなり個人差があります。
ご投薬や汗の体質によってかなり汚れやすい方もいらしゃいます。
18カラットゴールドのような入カラットゴールドが地金のものも6/24は他の金属ですし、特に昔のローズゴールドは紫っぽい色がでて汚れが付着してしまったように見えることも多いです。
多くはこすり洗いにより落ちます。

ディープな汚れ落としのコツ
ちょっとしたコツとしてものすごく長い間放置していたような強固な汚れは何度かに分けてクリーニングすると落ちやすいです。
焦って一気にきれいにしよう!と思わず数回に分けてみると案外すんなり落ちたりします。

海外(特にフランス!)で仕入れると、時々ものすごい汚れが放置されたアンティークジュエリーに出くわすことがありますが(ハイジュエリーであってもあります、基本的にそのあたり大らかな国民性です)、基本的に当店のジュエリーは一度当店か工房のほうでクリーニングが入っていますので、皆さんがそんなディープな汚れのついたアンティークジュエリーに出会うことはあまりないかもしれないですが・・・。

「免責」
以上は私が長年日常的にアンティークジュエリーを扱ってきた経験から、また職人さんととても仲が良いのですがいろいろ教えていただいた経緯から学んだことです。
100%すべてのジュエリーにあてあはまるわけではなく、扱いにもよるところが多いです。
多くの方のご参考になるのではと思い書かせて頂きましたが、最後は自己責任でお願いできましたら幸いです。