さてパリ4日目。
この日もフルスイングです。
まず朝一番でダメモトでよったアンティークマーケットで思わぬ戦士品を入手。
数多くの象牙のアンティークジュエリーです。

長さ152センチもある象牙のソートワール、アールデコらしい幾何学模様のネックレス、薔薇の彫りの入ったネックレス、指輪まで。
こんなに多くの状態の良い、センスの良い象牙のジュエリーを見たのはいつぶりでしょう?
買いまとめたこともあり、超お買い得価格で入手。


実はこれにはかなり訳があります。
ワシントン条約により売買に制限のかかっている象牙製品。
禁止されているのは、現在これから作られるものであり、アンティークジュエリーのように過去に作られた象牙の加工製品は禁止対象ではありません。
しかしヨーロッパで特にフランスで問題なのは、フランスは以前も書きましたようにかなり規制の強い国で、実際に売買をするためには証明書を提出することが義務付けられていて、それがまぁ本当に面倒でお金のかかる作業のようなんです。
象牙のアンティークジュエリーはもちろん貴重品ですが、それでもダイヤモンドなどに比べてそこまで1点ずつが高価なわけではないですから、業者としては割に合わない作業です。
それで今、一時的に行き場のなくしたアンティークの象牙のアンティークジュエリーが出てきていて、比較的リーズナブルに買い叩けたというわけです


これから作られないことを考えても、アンティークの良質な象牙のジュエリーが少なくなってきていることを考えても、長期的には確実にまたあがっていき、これまで以上に更に非常に品薄になると私は考えています。
最後の買い時かなと個人的には思いましたので、買えるだけ買っておきました。

さてそれからアンニュイな魅力を放つ色っぽい女性ディーラーさんのお宅へ向かいます。
ここで先行案内でも販売済みのフィリグリーのネックレスや。
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2つで1つになるダイヤモンドリング。
こんなの初めて見ます。
彼女は「婚約のための指輪」と勝手に名づけていました。

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あと皆が探している20世紀初頭のプラチナチェーンまで!
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一通り商談が終わり、雑談をしているときに私はこれまでにない衝撃を受けました。
というのも彼女とても美しくて色っぽいのですが、
「ねぇ、私何歳ぐらいだと思う?」と言う話になり。
「50代後半ぐらいかな」と思っていたのでそう答えると、実はもっともっとずっと上、20歳ほど見間違えていたんです!
アジア人は肌に湿気があり細いのでいつも若く見られますが、彼女が若く見える理由というのはそうした「ある意味での幼さ」とはまた異なるんです。
女性らしさ、成熟と経験、そして色気。
それで彼女が言うんです。
「私、まだ女なの、言っている意味分かる?」

うーん、衝撃を受けました



深いですね・・・。
彼女の発言で印象的だったのは、確かに見た目はすごく若くて周りにもそう言われて、自分自身も自分の年齢だと思えないで過ごしてきた。
実際つきあってきたのはいつも20歳以上年下の男性たちで、同じ年代の男性とデートしていると親子に見えてしまうそう。
でも「実際の年齢」と言うのは確かにあって、例えば寿命とか考えると「死」だって考えられない年齢ではなくなってきている。
それが自分自身ピンとは来ないのだけれど、実年齢を考えると重いと感じるのだそうです。
前から(仕事上の)付き合いはあり実は以前から何度か彼女の恋愛話は聞いてきたけれど、「女である」ということについて話したのは初めてで、良い意味で衝撃を受けました。

今回もはじめ本当の年齢をなかなか教えてくれようとしなくて。。。
それは「私は本当の年齢を隠したいわけじゃないの。でもtomokoはきっとこれから私を違う目で見ると思うから、そうした意味での言いづらさがある」
ということでした。
うん、確かにそうかな。
「女性」という存在について深さを感じて衝撃ではあったけれど、とても良い話を聞いたと思いました。
咀嚼するにはまだ時間がかかりそうですが・・・。