先日、「ラピズラズリ ネックレス(1950-1960年頃、ヴィンテージ)」をアップさせていただきました。

j01172-6.jpg

j01172-2.jpg

少し前にアップしたジュエリーですが、色々補足したい情報もあり、こちらでご紹介させていただきます。
こちらはアンティークというよりヴィンテージなのですが、それでもなぜ仕入れたかといいますと、ラピスラズリのジュエリーがアンティークであれ、ヴィンテージであれ少ないからです。

ラピスラズリは本来、そこまでアンティークジュエリーで登場する宝石ではないので、当然あまり見つからないのです。
しかし不純物の混ざっていない、昔ながらの良質なラピスラズリは貴重でそして美しく、お薦めしたいアイテムです。
アンティークジュエリーで登場することも少ないのですが、例外は19世紀後期(1880年頃)です。
この時代、古代リバイバルがおき、古代様式を真似たジュエリーが特にイギリスで作られます。
ラピスラズリの青はいわゆる古代色のゴールドの色ととてもよく合いますので、この時代に作られた古代様式(archaeological style)のジュエリーで時々見ることができます。


例えば下記などは数年前にクリスティーズに出展されていた19世紀の古代様式リバイバルのインタリオの指輪です。
lapislazuli_christies.jpg


ラピスラズリは西欧の人にとって、どこかエギゾティックな宝石であったようです。
その後、再び少しジュエリーの舞台に登場するのは、西欧が様々な外国文化からインスピレーションを受けたアールデコ期。
下記は1930年頃にカルティエ社が製作したヴァニティーケースです。
インド様式の鳥たちがエナメルで描かれてたエギゾティックな図柄。
留め具のところに鮮やかなブルーのスクエアのラピスラズリ。その内側にシトリンを象嵌しています。

cartier_lapis.jpg



ラピスラズリを用いたアンティークジュエリーは数は少ないですが、その少しエギゾティックな存在であったがゆえ、なかなか面白い作品が見られるので好きです。
先日アップしましたネックレスはそれほど古いものではないですが、ヴィンテージらしいかっこよさ。
ゴールドとの色の組み合わせはやはり古代からインスピレーションを受けて、それがモダンに解釈されています。