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2015.11.10 (Tue)

アールヌーボーゴールドネックレス(カボションカットルビー、バラ)

最近、ブログが買い付け日記一色になっていたので、なかなか細かくできなかった新着ジュエリーのご紹介。
本日は書きたいことが満載の「アールヌーボーゴールドネックレス(カボションカットルビー、バラ)」です。

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こうしたタイプの金細工のネックレスは、フランスのアンティークジュエリーがお好きな方なら「あっ、あれだ!」と思ってくださることでしょう。
実際、ザ・フランスアンティークジュエリーの王道で、これまで当店でも何度か似たテイストのネックレスをご紹介させていただきました。

面白いのはこのテイストのネックレスは、イギリスなど他国のアンティークジュエリーでは見つからないことです。
またフランスでも作られた年代は非常に限られ1890-1910年頃。
特にこのようなヌーボーの特徴が出ているものは1890-1900年頃に製作されています。
知名度のわりに数が出てこないのは、「限られた場所で短期間の間にしか作られなかったから」です。
*近年特に数が少なくなってきております。


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秀逸な金細工がポイントになりますが、その金細工も彫金なのかレポゼ(押し出し)なのか等、ネックレスによって用いられている技法が異なります。

例えば下記は同時期の典型的なレポゼ技法によるネックレスです。
一般的にレポゼの場合は、軽量になります。
薄手のブラウス(例えばシルク布)にあわせて、女性らしさ、繊細さで繊細さを表現することに長けています。

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今回ご紹介しているルビーのネックレスは、彫金によって仕上げているネックレス。
彫金によって仕上げている場合にはある程度重みのあるほうが、落ち着きがありクオリティーも高いことが多いです。
重量があれば良いというわけではないのですが、この手のネックレスはかなりピンきりですので作りの良いものを選ぶことが大事です。
あまり良くないものですとすぐに裏返ってしまったりと、使いにくいという声をよく聞きます。


こうしたアールヌーボーのネックレスは「金細工」が要ですので、宝石はナシで18金だけで仕上げられたもの、あるいは少し小さな真珠の入ったものが大半です。

下記はやはり今回仕入れることができた同時代のネックレス、真珠が入っています。
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色石が入っている例というのは非常に少なく、特にカボションカットされたルビーが入っているのには驚きました。
ルビーの滑らかな赤色が首元を華美すぎず、しかし艶やかに美しく見せてくれるまさに大人の女性のためのネックレスです。

こうした程よく色合いの明るいネックレスを、年齢を重ねた高齢のフレンチマダムはさらっと着けるのに長けています。
サンジェルマンなどを歩いていますと、白髪のおばあちゃんがこうしたジュエリーを着けて一人でカフェでお茶を飲んだりしているのがなんとも様になって「あっ、フランスにいる」と感じる瞬間です。
私はフランスが好きなのは美しい洋服や建造物、優れたガストロミーというより、女性が年齢を重ねるほどに美しいから・・・です。
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