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2013.08.30 (Fri)

アンティークジュエリーの刻印についてNoⅠ

今日はちょっとまじめな話を。
先日、初めてのお客様からのお問い合わせで

「このリングに刻印はありますか?
気にいっているのですが、アンティークジュエリーには最近リプロも多いと聞いたので不安です。
というのも、アンティークの割りに指輪のバンドやショルダーがシンプルすぎるのでは?」


といったお問い合わせをいただきました。

もちろん早速、出来るだけ詳しくご説明をしてご返信をさせていただいたのですが、思わず「うーん」とうなってしまいました。
といいますのも刻印の話って、そんなに単純なものではなくて、色々な例外があります。

まず刻印がある=本物というのも、必ずしもそうではございません。
そしてこのご質問は、究極的にはアンティークの本物って一体なに?というものすごく深い話になっていってしまうため。
かなりの長文でお返事をさせていただきましたが、心から納得していただくには多分メールでは難しいだろうなと。
うーん、アンティークというものを、お会いせずに販売する難しさを改めて感じました。


まずイギリスとフランスでも事情が大きく異なります。
私は今回、フランスの刻印について書きますね。
まずフランスは、イギリスと比べてそれ程「刻印の歴史」はしっかりしていません。

刻印が押されていないモノは実はかなりたくさんあります。
1)一番多いものはなんと言っても指輪。
サイズ直しの歴史の中で消えてしまったと言うケースです。
今回お問い合わせいただいた指輪もこれであったろうと思います。

2)重量の少ないもの
免責されます。

3)これを言ってしまうとおしまいですが、そもそもフランスの刻印制度が厳しくなってきたのは後年になってきてからですので、アンティークで押されていないものは実はかなり多いのです。
具体的に言いますと19世紀前半以前のアンティークジュエリーは、刻印が押されていないものも多いです。
フランスのホールマークは19世紀の間に確立していったからです。


「じゃ、一体フランスの刻印って何なの??」って怒りを感じ始めますね。
はい、私ももっとしっかりしていてくれればお客様に説明しやすいのに!とよく思っています。

それを理解するためには、「フランスの刻印制度が何のためにあるか?」ということを考えてみるのが良い方法です。
「フランスの刻印=アンティークを証明するために作られたもので」では決してないというところを理解しておかないといけないです。

基本的には盗難防止が目的です。
アンティークのための刻印ではなく、現代ジュエリーを含むいわゆる「ゴールド」がその対象です。
このあたりが作られた場所や場合によっては大体の年代までわかってしまうイギリスの刻印と大きく異なります。


フランスの税金やこのあたりの法律って実はとても細かくて、例えばフランスのセラーは、一点一点、決められた台帳にそのジュエリーの重量等、そしてそれを誰から仕入れたかなどを記載しなくてはいけません。
1商品ずつ番号がついていて、売却する際は決められた領収書(日本のように色々な文具店が出しているものではなく政府の決めたもの)にそのあたりも含めて全部記載します。
ちなみにこの領収書も事業者登録を行っている業者が、事業者登録番号を持ってようやく入手できるものです。

そしてフェアなどで売る際は、必ずその台帳を持参すること、これは盗難品の販売を防ぐためです。
そして現代の法律において、刻印のないゴールド製品はは(免責されないもの以外は)原則として、刻印を押さないといけないことになっています。
しかし実際にはもちろん、サイズ直しや修理といった経過の中で消えるものも含めて、刻印のないジュエリーがたくさんあるのです。

そこで色々なケースがおきてくるのです。かなり長く難しい話になるので、続きはまた後日。
何回かに分けてフランスの刻印の深い話を書いていきます。

このあたりのことは例えばアンティークがらみの日本で出版されている文献などにも通りいっぺんのことしか書いてありません。

例えば18Kには鷲の頭の刻印があります。買う時は必ず刻印をチェックしましょう!
みたいなことしか書いてないです。
そしてそれが一人歩きして、また色々な情報が氾濫しているので、お問い合わせくださいましたお客様のように情報だけが先に来てしまって心配になられる・・・みたいなことが多いのではないかなと思います。

私も長い年月の間に色々なジュエリーの刻印について実際に現地のディーラーから色々なことを教えてもらい、また事象に遭遇し。
おしゃべりのなかで「これにはこんなことがあったのよ!」「この前、こんなことがあったのよ」みたいな話が沢山集まり、いろいろなことを知ることになりました。
現地のディーラーさんでも知識もピンキリで、かなり詳しくマニアックに刻印や素材について追及する人もいれば、
「あっ、これ刻印ない、ごめん、押してもらってこようか?(この意味についてはまた次回書きますね。」と言ったことを言う方もいます。

なかなか日本ではあまり言及されていない面白い話になると思います!

アンティークジュエリーの刻印に関しては後日、アンティークジュエリーの刻印についてと言う専門のページを作りました。
是非ご拝読ください。



最近アップしたスタッドタイプのピアスです。
このように耳にピッタリとフィットするタイプのピアスはずっとつけたままにでき、また失くしやすいので非常に重宝です。


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とても使いやすい、シンプルなようでいて、実はなかなか変わったところの多いダイヤモンドピアスです。

10:30  |  アンティークジュエリーレッスン  | 

2013.08.15 (Thu)

アンティークアメジストペンダント(パンジー、銀製、チェーン付き)

お盆、いかがお過ごしでしょうか?

シェルシュミディはお盆も特に休みなく営業をしております
どうぞお気軽にお問い合わせなどもどうぞ。


とはいえ世の中がお盆ですと仕事も少なく、今日はど暑い中、比叡山に行ってきました。
京都の街中、出町柳と言う駅からちんちん電車にのって20分ほど、それからケーブルカー&ロープウェイをのりつぐとそこはも比叡山の山の頂です。


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木々に囲まれて涼しそうにみえますか?
気温は確かに京都市内より5-10度低いのですが、今日は日差しがとても強かったので、残念ながらかなりの暑さでした。
皆様もどうぞ良いお盆をお過ごしください。

先日アップした商品。
アメジストのペンダント。
パンジーがモチーフ。
ンジーはフランス語の「考える」を意味する言葉「パンセ(penser)」がその名前の由来です。
深く考え込む人の姿に似ていることにちなんで名付けられたそうです。

パンジーは、19世紀になって作られた花で、ジュエリーのモチーフにされ始めるのも、この頃からです。
それまでの慣習や先入観から離れて知識や理性によって物事を考える「自由主義」のシンボルになります。
アンティークジュエリーでは度々見られる花の一つで、この指輪のように宝石を使って表現された他は(しかし3色の宝石を使って表現されたジュエリーは珍しいです)、エナメルで表現されたものも多いです。
パンジーの花言葉は 誠実な愛、信頼、忠実。
19世紀前半から、中ー後期、そしてアーツアンドクラフト運動の中でも愛されて度々ジュエリーのモチーフにされてきた花です。

とても愛らしく、アメジストも綺麗でお薦めです。

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22:07  |  新着アンティークジュエリー  | 

2013.08.10 (Sat)

京の七夕

今、京都で「京の七夕」と言う夏祭りが開催されています。
京都の七夕って8月なの?と言う素朴な質問をまだ誰にも聞けておりませんが、なかなか良いお祭りです。

市内の2大川である鴨川と堀川をメイン会場にしていますが、それ以外も例えば堀川通りぞいにある二条城などでも夜間参拝や夜のイルミネーションが行われています。

私が今日行ったのも二条城。

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夜に入ったのは初めてだったのですがとても素敵です。
かっこいい音楽と共にイルミネーションで色々な色に二条城が彩られるという粋なイベントでした。

そして目の前の堀川へ。
友禅流しといって、堀川の川の中に着物を入れて光を当てています、粋ですよね。


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ちょっと大正ロマンを思わせるような鮮やかな色合いの着物の色や柄がとても素敵でした。
今日は土曜日だったので結構混んでいて、今度ゆっくり平日にまた見にいきたいな~。

このイベント、10日間ぐらい行われているんです。
先週末は同お祭りの鴨川会場で、屋台のご飯を食べてきたところです。
なかなかアットホームで雰囲気ののよいイベントですので、真夏に京都にいらっしゃる方はぜひ出かけてみてください。


22:15  |  京都  | 

2013.08.07 (Wed)

アンティークピアスからイヤリングへの加工について

さて、先日のブログでも少し書かせていただきましたピアスからイヤリングへの加工。
最後に行いましたのが2年以上前でして、そのときから色々と状況が変わった部分があり、工賃にも変更がでてしまいましたので、本日は業務的で恐縮ですがお知らせです。

以前は15,000円ぐらいで出来た作業なのですが、結論として21,000円-23,000円前後かかることになりそうです。
(そのジュエリーのデザインや作りなどにより多少異なります)



理由は2つ。
-昨今のゴールドの価格急騰からイヤリングパーツの値上げ。

-以前はシェルシュミディにかかわる修理を2つの工房にわけて、難易度によって2つの工房を使い分けていたのですが。
ちょうど2年前ほどぐらいから、仕上がり方に関して私がよりお客様に満足していただけると判断した1つの工房にすべてまとめました。
そしてこちらの方の工房の方がいくらか工賃が高めなのです。



私は今、すべてをお願いしている方は日本でも1,2の指に入る方だと思います。
比較的修理が簡単なサイズ直しですとか、ちょっとゴールドの通し輪がきれてしまって・・・みたいな比較的難易度の高くない作業(アンティークジュエリーの場合同じサイズ直しでも、指輪によってはとても難しかったりするので安易に難易度についてはいえないのですが)も今はこの方にすべて一任しております。

腕がものすごくよい方であるのはもちろんのこと、センスが良いのです。
あととても誠実な方です。
仕上げてもらったものはいずれも今までとても満足しており、安心してお任せでき、結果としてお客様に満足していただけると思います。

こちらは当店のものではないのですが、その方が手がけられたピアス→イヤリングへの加工事例です。
雰囲気がつかめるかと思いましたのでご参考までに。

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多少、工賃が値上がりになってしまい恐縮なのですが、この腕にして極めて良心的な価格でやってくださっていると思います。
また当店も修理に関して極めて、真剣に取り組んでいると自負しております。
この部分をとても大事なことと考えております。
どうかご了承頂けましたら幸いです。


指輪のサイズ直しなどもデザインによって多少お値段が前後してしまうことがあり、「これはいくらぐらいなの?」とあらかじめきになられるものがございましたら、ご購入を決められるまででもどうぞお気軽にお問い合わせをいただけましたらと思います!

最近アップしました商品。
どこまでも澄み切った美しいガーネットの川のようなネックレスです。
こうしたネックレスのことを川に例えて、リヴィエール(フランス語)と呼ぶことがあります。

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素晴らしいガーネットが全周にセットされています。
女性なら誰もが憧れる華やかで素晴らしいネックレス、こちらはsoldです。
22:14  |  お知らせ  | 

2013.08.02 (Fri)

オールドヨーロピアンカットダイヤモンドピアス(大粒 1900年頃、ゴールド)

昨日、お客様から教えていただいた鴨川を眺めることの出来るカフェ、その名もKAWA CAFEへ行ってきました。

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命がけで行った?価値ありです、ほらこんなに素敵!
オーナーさんは何とフランス人なんですよ、「kawa cafe」って言うネーミングも日本人なら逆につけないかも。
ちょっとフランス人らしいセンスが素敵です。

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京都ってフランス人率かなり高しで、特に鴨川近辺によく見かけます。
街の中心に川があるのってパリと同じですし、フランス人が鴨川好きなのって本当に良く分かります。
私も大好きです。


最近アップいたしましたピアス。
まさにザ・フランスアンティークジュエリーの正統派。
それだけに割と似たタイプのピアスもあるのですが、こういうものこそ質の良いものを手に入れないといけないです。
モノによっては、随分華奢で作りがしっかりしていなかったり、ダイヤモンドがあまりに存在感がなかったりしますし、コンディションのチェックも重要です。

こちらはダイヤモンドも大粒で作りもしっかりしていて、一生モノとして手に入れたい定番のピアスです。



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「宝石の大きさ=必ずしもアンティークジュエリーも魅力」ではありません。
しかしながらこうした定番モノのジュエリーの場合、特に大きな宝石がそれに応じたクラス感を放つのも事実です。
小ぶりでさり気ないピアスであるにもかかわらず、メインのダイヤモンドは意外に粒が大きく直径3.5ミリあります。


ところで最近ピアスを何個かアップしておりましたら、イヤリング派のお客様から、ピアス→イヤリングに加工した時のイメージとして。
過去のそうした修理例を写真でご覧になられたいというリクエストをいただきました。


それで早速、探させていただたのですが、私ってもうおっちょこちょい、修理後の写真を保存してなかったのです
加工済みのジュエリーはもうお客様に納品済みだし、ということで工房の方に今、確認をしておりまして写真を探してもらっております。

同じようなイヤリング派の方もご覧いただくとイメージがわきやすいかと思いますので、また写真が届きましたら
今度は忘れないうちにブログでアップさせていただきます。
工房の方、すごくマメで生真面目な方なので、すべての修理の前にbefore afterで写真をとってくださるのですが。
ものすごーく生真面目な方でして、その量もはんぱなく(しかも割りとアナログな方なので整理が大変なのだとか)、それでよくてんぱってらっしゃいます。
ちゃんと出てくると良いのですが。。。



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