2016.12.08 (Thu)
薔薇のアンティークピアス他 ピアスの試着時のお写真について
試着時のお写真が少し!?下手なようでイメージがわきずらい所があるようで、申し訳ございません。
下記に試着時の写真を追加したものを、ご紹介させていただきます。
「薔薇のアンティークピアス(アールヌーヴォー様式、カラーゴールド)」




アンティーク真珠とダイヤモンピアス(アールデコ セット1930年代)



「アンティークローズカットダイヤモンドピアス(星と花、金細工、ローズゴールド)」




いずれのピアスもジュエリーとしての美しさだけでなく、装着感やフィット感。
つけたときの美しさも格別です。
アンティークピアスは近年特に良いものを見つけるのが難しいです。
価格の上昇も激しいアイテムですが、一方で皆様からのリクエストをもっとも頂くのがピアス。
頑張って見つけるようにしていますが、なかなか追いつかないのが現状です。
お気に入りを見つけましたらぜひお見逃しなく!
2016.07.25 (Mon)
天然ルビー ボンブリング(渦巻き トゥルビヨン 1940-1950年代)

私は買い付けたジュエリーを出張中に親しいディーラーに見せることも多いのですが、決して大きな作品ではないですが(サイズは大きいですが・・・)ディーラーの中でも好評だった指輪です。
サイズ感ですとか、この指輪が与える独特のインパクトは、他のリングには見られないもの。
本日、シェルシュミディのフェイスブックで横向きの試着時のお写真のリクエストがありましたので、アップさせていただきます。


この指輪以外でも、試着時の写真の追加リクエスト等ございましたら、どうぞお気軽にご連絡をくださいませ。
2016.06.08 (Wed)
象牙のアンティークジュエリー
今はネットでもHPにブログに、フェイスブックやツイッター。
最近ではインスタグラムまであり、何をメインに使っていくかは悩ましいところです。
シェルシュミディは最近はフェイスブックページの更新が多いのですが、実はツイッターもあって。
でもあまり活用していないので、こちらは潔く辞めようかなと思っているところです。
次々にプラットフォームが出てくるのは喜ばしい反面、私も結構な年齢になってきているのでついていくのが大変!と思うことも。
皆さんはいかがでしょうか?
さて本日はタイトルどおり象牙のアンティークジュエリーをブログで一番先にご紹介します。
前回の買い付けでそれはたくさんの象牙のジュエリーをまとめて仕入れましたが、新着ジュエリーのアップは一度には出来ないのでまだぜんぜんアップできていません。
下記にいくつかご紹介いたしますので気になられる作品がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
1)まずは圧巻のソートワール(ロングネックレス)。
長さはなんと152.5センチ!


2)20世紀初頭のアールデコ期の幾何学的モチーフのネックレス。


3)丸っこい数珠のような形が愛らしいネックレス。


4)何と象牙の指輪!
サイズ直しは絶対にできませんが・・・。


気になられる作品がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
2016.03.26 (Sat)
マーガレットフラワーリング ルビーとダイヤモンド
ここのところ、写真をいくつか更新することに力を入れております。
かつて撮影をしているジュエリーで、ジュエリーそのものの魅力が本当に伝えられていないなと思うものも多く、夢中になりすぎてなかなか中断することができません!
もちろん写真の更新だけでなく、新着のジュエリーのアップも定期的に行っております。
本日はその中でもお気に入りの指輪「マーガレットフラワーリング ルビーとダイヤモンド」をご紹介いたしますね。

真ん中の赤石はルビー。
ルビーの周りだけ爪をイエローゴールドにしたり、その周りにイエローゴールドを一吹きするように、うっすらと塗られているところがにくい!

下部のダイヤモンドもこの美しさ。

現地で一目ぼれした作品です。
なんと言ってもデザインがよく、そして宝石がとても綺麗なんです。
指輪としても難しいデザインですが、どこから見ても完璧!
20世紀初頭の作品ですが、やはりこの時代の宝飾技術は一番です。
久しぶりにサイズを直して自分用にしたいと言う衝動に駆られた作品です。
綺麗なだけでなく実用しやすそうなところもポイントです。
そしてマーガレットと言う花はエピソードにも書きましたが、フランスのマーガレットと日本のマーガレットが指す花が少し違うんです。
かなり頭が混乱する複雑な話ですね。
ある意味ではフランスのマーガレット=デイジーでもあるのですが、これまで頭が混乱しそうですが、そのデイジーは皆様が頭に思い浮かべられるあのデイジーとはまた異なります。
お花は品種改良等ありますから、まったく複雑です。
そういえば野菜なんかも、ヨーロッパにあるものと日本にあるものでは同じ名前でも微妙に形状が異なったりしますね。
ヨーロッパの「なす」はずっと大きいですし、りんごだって大きめで緑のものも相当多い。
葱もいわゆる日本の長ネギとはだいぶ異なります。
でもそうした違いって文化の豊かさの象徴でもあり、愛しいものでもありますね。
2016.02.08 (Mon)
ラピズラズリ ネックレス(1950-1960年頃、ヴィンテージ)


少し前にアップしたジュエリーですが、色々補足したい情報もあり、こちらでご紹介させていただきます。
こちらはアンティークというよりヴィンテージなのですが、それでもなぜ仕入れたかといいますと、ラピスラズリのジュエリーがアンティークであれ、ヴィンテージであれ少ないからです。
ラピスラズリは本来、そこまでアンティークジュエリーで登場する宝石ではないので、当然あまり見つからないのです。
しかし不純物の混ざっていない、昔ながらの良質なラピスラズリは貴重でそして美しく、お薦めしたいアイテムです。
アンティークジュエリーで登場することも少ないのですが、例外は19世紀後期(1880年頃)です。
この時代、古代リバイバルがおき、古代様式を真似たジュエリーが特にイギリスで作られます。
ラピスラズリの青はいわゆる古代色のゴールドの色ととてもよく合いますので、この時代に作られた古代様式(archaeological style)のジュエリーで時々見ることができます。
例えば下記などは数年前にクリスティーズに出展されていた19世紀の古代様式リバイバルのインタリオの指輪です。

ラピスラズリは西欧の人にとって、どこかエギゾティックな宝石であったようです。
その後、再び少しジュエリーの舞台に登場するのは、西欧が様々な外国文化からインスピレーションを受けたアールデコ期。
下記は1930年頃にカルティエ社が製作したヴァニティーケースです。
インド様式の鳥たちがエナメルで描かれてたエギゾティックな図柄。
留め具のところに鮮やかなブルーのスクエアのラピスラズリ。その内側にシトリンを象嵌しています。

ラピスラズリを用いたアンティークジュエリーは数は少ないですが、その少しエギゾティックな存在であったがゆえ、なかなか面白い作品が見られるので好きです。
先日アップしましたネックレスはそれほど古いものではないですが、ヴィンテージらしいかっこよさ。
ゴールドとの色の組み合わせはやはり古代からインスピレーションを受けて、それがモダンに解釈されています。
2016.01.27 (Wed)
Projet de bague (指輪計画) /カリブレカットサファイヤのアールデコリング
買い付けの時に、懇意にしているディーラーさんからちょっとしたサプライズやプレゼントをもらうことがあります。
高価なものではないちょっとしたものなのですが、前回とても嬉しいことがありました。
見つけたときに「tomokoにあげよう、と思って取っておいたんだ」と嬉しいお言葉。
小さい封筒に「projet de bague」。
直訳すると「指輪計画」です。
これはこのディーラーさんのもともとの私物ではなく、彼がたまたま入手した「昔のジュエリーのデッサン画」です。

恋人あるいは奥様を喜ばせようと、ジュエラーにオリジナルの指輪の製作を依頼したのでしょう。
当時のデッサン画が、オリジナルの封筒に入ったまま残っていたものです。

デザインが完全にアールデコ。
アールデコでも前半の1920年代にデザインされたものです。
カリブレカットされたブルーサファイヤとダイヤモンドのアールデコリング。

ジュエラーのところによった帰り、ポケットにでも入れてこのデッサン画を持ち帰ったのでしょう。
うきうきするような足取りで。
まだ時代も良かった頃。
ローリング20's、誰もが熱狂していた時代。
そのきらびやかなうきうきするような足取りが、封筒を空けた瞬間に感じられるようなそんな気がしました。
とても嬉しかったプレゼントです。
そして先日、まさにこの時代の指輪をアップしました。

とても評判がよく購入ご希望者がお二人現れたのですが、この指輪現状17号とかなり大きく、たまたまかなり細い指の方でしたのでサイズダウンがかなり大きくなってしまうのです。
13号ぐらいまでが最も綺麗に直せそうです。
それ以下になりますと少し潰れたような円形になります。
サイズダウンして少し潰れたような形になるってどういうことかといいいますと、下記みたいな感じです。

サイズアップに比べますところんとした感じで、愛らしいとかえってお好きな方もいます。
私も個人的にサイズダウンして少し頭でっかちになった指輪のシルエットはかなり好きですが、「真円」ではありません。
別にこだわらなくてもいいとは思うのですが・・・気にされる方もいらっしゃいますので、あらかじめお伝えしております。
ちなみに上記の「アクアマリンxルビーのリング」は私が手にした時点で既にこのサイズでしたが、おそらく過去にサイズ直しされてこのようなシルエットになっていたと思われます。
2016.01.18 (Mon)
バラとパンジーのアールヌーボーゴールドネックレス(1900年頃フランス)
京都は冷たい雨で、であれば雪の方がよかったなぁなんて思いながら・・・寒さでぶるぶるしています。
さて近頃、ぞくぞくと新着のジュエリーをアップしています。
先日ご紹介いたしましたのは「バラとパンジーのアールヌーボーゴールドネックレス(1900年頃フランス)」。

アールヌーボーのゴールドネックレスは日本でももっとも人気のあるフランスアンティークジュエリーですが、それだけに実に色々なレベルのジュエリーが存在します。
こちらのネックレスは通常のこの手のネックレスの中でもかなり重め。
複数の金細工技術がいずれもトップクラスで、非常に優等生的な作品です。
モチーフとデザインの良さもいい。
その触れたときの独特の重みや質感は写真ではなかなかお伝えしにくいのですが、すこし布の上で撮りますと分かりような感じがしましたので、追加写真です。
↓

HPの写真では、商品を販売する上で、どうしても映さなくてはいけないところがいくつもありますので、私も案外生真面目な正確ですのでそれに追われているところがあります。
「質感や着けた時の雰囲気」みたいな、もう少し自由な写真でイメージを膨らませていただきやすい写真も撮れたらいいなと思っておりまして、今年はそうしたショットもなるべくブログで紹介していけたらと思っております!
以前、シェルシュミディのフェイスブックでもご相談いたしましたが、カメラも買い替えたいなと思っておりますが(約10年間、商品の撮影にコンパクトデジタルカメラ)を使ってきましたが、限界を感じ始めています。
商品への愛情と何を伝えたいかというところがポイントであったりもすると思いますので、そのあたりも大事にしつつもう少しレベルアップしていきたいなと思っています。
写真といえば、パリでの買いつけの写真ももっと良いカメラでもっと良いショットをたくさん撮りたいのですが、買い付けの時はとにかく買い付けで頭がいっぱいで。
おっちょこちょいなのを自覚していますので、観光客らしく見えてしまう大きなカメラは保安上、持たないようにしてるんです。
ジュエリーなどの貴重品を持っていますと、それだけで危ないですからね。
2015.12.28 (Mon)
アンティークピアス他、写真を数点改めました!
来年の抱負の一つとして、写真をもっともっとがんばりたいです!
よく「シェルシュミディさんのジュエリーは写真より実物の方が絶対に良いから安心して買えるわー」
とおっしゃっていただきます。
お客様に喜んでいただけるのが一番ですので結果オーラーですが、写真がイマイチということですねヽ( ´_`)丿
1)アンティークシトリンネックレス(天然芥子真珠、シードパール)
シトリンは個人的にアンティークジュエリーで最も好きな宝石の一つです。
皆様はいかがでしょう?
前回ロンドンで、戦後のヴィンテージの大粒でなかなかかっこいいシトリンの指輪がありまして、迷いながら年代が通常当店で扱っているものよりだいぶ新しかったのでパスしたのですが、いまだに頭に残っています。
来年は年代にとらわれすぎることなく、少し新しいめのジュエリーでもかっこいいものは、仕入れたいと思っています。

2)アンティークアイオライトネックレス(アールデコ、銀製、チェーン付き)
以前の写真がダメダメダメで申し訳ないことになっていました。
黒バックの方が輪郭が掴みやすいですね。
さりげないですが球体のアールデコのデザインが秀逸な、なかなか気の利いたネックレスです。
アンティークジュエリーでも時々出てくる紫色の宝石はアイオライト。

3)アンティークダイヤモンドピアス(フランスベルエポック、18kゴールド)
フランスアンティークピアスの王道。
完璧に美しい、定番のピアス。
何であるのかなと思ったら、細部がまったく映ってなかったですね。
このデザインのピアスは定番ですので比較的良く見かけるタイプですが、ダイヤモンドがココまでしっかりと大きく綺麗なものは少ないです。

4)アンティークダイヤモンドピアス(ドロップピアス、1900年頃)
お花の形がふんわりとしていて、とても愛らしいです。
あと細やかな金細工も良いです。
小粒だけれどセンスの良い意匠で丁寧に作られたアンティークピアス。
かつてはよく仕入れることができましたが最近は驚くほどお値段が高かったりして、段々見つけることが難しくなってきています。
どこかに手付かずのアンティークピアスがたっぷり入った宝箱が眠っていないかな~(例えば昔のディーラーさんが溜め込んでおいたとか・・・)なんて思うこのごろです。

5)アンティーク天然真珠ピアス(1900年頃)
アンティークピアスの中でも他に見ない珍しいデザインのピアスです。
クラシックでありながらも幾何学を組み合わせた面白いデザインから、アールデコを前取りしたような時代を先鋭さも感じられます。

6)アンティーククラスターピアス(ダイヤモンド、お花、ゴールドとプラチナ)
こちらは私が今まで見たクラスターピアスの中でも俄然、作りが素晴らしいと思えるものです。
この時代の宝飾技術がやっぱりジュエリー史上最強だな、ということを改めて思います。
特に花の中心部から、うっすらとイエローゴールドが拡散していく様は、自然の花の一瞬の綺麗さを表現していて、そのセンスの良さを見るとなんだか切なくなるほどなんです。

綺麗なものを見て切なくなるというのは不思議ですが、それはとても居心地の良い切なさです。
そうした「感受性を溜めていくこと」が、この仕事を長くしていく上ではやはり必要なことなんじゃないかな・・・なんて思ったりもする今日この頃です。
今年ももう残すところ僅かですが、来年目指したいことで既に頭がいっぱいです。
どうか少しでも実現できますように!
2015.12.23 (Wed)
アンティーククロス(十字架)
一年一年が、恐ろしいほどあっという間に過ぎていきます!
クリスマスにちなんで、今日は当店で扱ってきた様々なアンティーク十字架をご紹介いたしましょう。
「十字架」というとクリスチャンではないので・・・
といったご反応を示す方も多いですがフランスなども一応キリスト教徒が多数とはいえ、日常的に教会にいくことはない、普段はあまり宗教を意識していない方がほとんどです。
特に1900年以降のクロスは、カトリックというよりファッションモチーフトしての意味合いが大きいです。
またクロスを持っていた→信仰を持っていた→(比較的)恵まれない方の持ち物だったのでは・・・
といったご意見も以前伺いましたが、この時代こうした宝石の入ったあるいは貴金属でできたクロスを持つことができたのは・・・
相当恵まれた方であったことは間違いございません(^ ^)。
「宗教関係者の(例えば司祭のような方)の持ち物だったのでは?恐れ多い!」
といったご意見も伺いましたが、確かに中世などのクロスはそのような方の持ち物が多いですが当店で扱う19世紀以降のクロスはほぼ100%女性のファッションアイテムです。
よいうことでぜひ気軽にファッションに取り入れてみてください。
下記はこれからアップするクロス。
1830年頃のフランス製。
クロスであるのと同時に、トルコ石で勿忘草が描かれています。
中心にはなんととても小さなダイヤモンドが入っています。

下記もこれからアップする作品です。
1900年頃、南仏のクロスです。
黒エナメルが入っているのですよ、金細工がうっとりするほど綺麗です。
こちらも全体としてはクロスのデザインになっていますが、一つずつのモチーフで花を描いています。

下記はこれまで販売したクロスで心に残っているもの。
なんと南仏のアルルのダイヤモンドが使われています。
(僅かですがその昔、鉱山がありダイヤモンドが取れました)

下記はガーネットが艶やかでとても美しいクロス。
近々写真を撮りなおそうと思っていますが、本当になんでまだ残っているのが不思議。
それは美しいガーネットのクロスです。

下記も販売済みですがこのクロスもとても面白かったです。
クロスx花の両方がモチーフになっています。

一言でアンティーククロスと言ってもその装飾スタイルも素材も実に様々ですね。
皆様どうぞ良いクリスマスをお迎えくださいませ。
2015.12.19 (Sat)
ダイヤモンド アンティーククラスターリング(フラワーリング、フランス)
日照時間が長いですから。
フランスに住んでいたとき、朝出て行くときも暗く、夕方帰ってくるときも暗いのには少し参りました・・・。
先日アップしましたクラスターリングのように、花をモチーフにしたアンティークジュエリーを見ると、思うのです。
厳しい気候、寒い気候の時があるからこそ、こうした春の美しい花、しかし時期が過ぎれば枯れてしまう花をジュエリーのモチーフにしたのかなと。



当店では時々男性の方から「プロポーズをしたい!」ということで、エンゲージメントリングのチョイスについてご相談を受けます。
個人的にお薦めなのがこうしたハイクラスなダイヤモンドのクラスターリングです。
実際、クラスターリングは愛をこめて贈られました。
そんなエピソードもこめて、こんな美しくも愛らしいお花の指輪をサプライズでもらったら、嬉しいですよね。
華やぎがでます。
「もちろんご結婚して何十年経ったけど何かプレゼントをしたい!(そんな日本男性が増えることを願っております^ ^ )」
ですとか
「一年がんばった自分へのご褒美に」
といった需要にも自信を持ってお薦めいたします。
やはり美しい花のデザインの指輪を前にすると、女性であれば誰しも胸が高鳴ります。
現代のジュエリーでお花といいますと妙に可愛すぎて子供っぽいと思われる方も、こうしたハイクオリティーなアンティークのクラスターリングでしたら満足いただけることと思います。
皆さん時々愛らしいモチーフのジュエリーをご覧になると「いやぁ、もう年ですから・・・」
なんておっしゃいますが、とんでもない!
こうした指輪はおばあちゃんになって取り出してしても素敵ですよ。
そもそも「歳だから・・・」なんて言わないでくださいね。
フランスでは女性は40歳ぐらいでしたらまだ若い女性(jeune femme)と呼ばれますよ。
それ以降も70代ぐらいまで皆さん、現役のマダムです☆
京都も、3日前ほどから急に冷えこんできました。
あぁ、京都の底冷えする冬!という感じです。
全国的に寒くなっているようですので、お風邪などめされませぬようなさってください。
2015.12.15 (Tue)
アンティークスタッドピアス ペアシェイプダイヤモンド 1930年代
毎日お問い合わせなども有難いことに多く頂戴いたしまして、何せ一人でやっているために、ブログなどがあまり更新できずに申し訳ございません・・・。
クリスマスまでどこまで走れるかな・・・。
順不同で、これはお好きな方が多いのでは?といったアイテムを優先的にご紹介しています。
本日は「アンティークスタッドピアス ペアシェイプダイヤモンド 1930年代」。
ピアスはお探しの方が多いですが、一方でここ数年本当に難しくなってきているアイテムです。
需要があるのは分かっていますのでかなり前もってディーラーさんたちにもお伝えし(もっとも私がピアス好きなのは、皆さん既に知っていますが・・・)、何とかお値段も折り合うものをかなり思い切って買ってきているのですが。
いつもあっという間になくなってしまいます!
本日アップさせていただきましたピアスは
ペアシェイプダイヤモンド x アールデコ x 取れにくいスタッドタイプ



アールデコの特に「白い30年代」と呼ばれるアールデコ後期の特徴が極めてよく出ていながらも、私自身これまで見たことがない珍しいタイプのピアスです。
良質な宝石を珍しいカッティングでセットし、そして直線的なラインで洗練されているところがとてもアールデコ的ですし。
加えて直線ラインが揺れますので、そのときにライン上にあるダイヤモンドが揺れて輝き、まるで雫のようです。
ホワイトジュエリーということもありシャープでかっこいい面もあるけれど、エレガンスがおざなりになっていない。
大人の女性がさらりと身につけると、キラリキラリと煌いて素敵です。
こうしたジュエリーを見ると、大人になるのも悪くないなと思いませんか?
さて忘れないうちに年末年始の営業のご案内をさせていただきます。
クリスマスはもちろん年内は休まずに営業させていただきます。
そして今年は珍しく、年始明けに1週間ほどお休みを頂く予定でございます。
考えましたら休みらしいい休みは、今年は夏も働きづめでしばらくとっていなかったので、思い切って休ませていただくことにいたしました。
またクリスマスカードと近いためと皆様の喪中等を把握することが困難であるため、昨年より年賀状は割愛させていただいております。
略儀にて失礼いたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
2015.12.09 (Wed)
イギリスエドワーディアン、アメジストネックレス(9金ゴールド)
当店としましては珍しいイギリス、エドワーディアンのアンティークジュエリーです。

僅かにピンクを帯びた発色の良い明るいアメジスト。

この写真が分かり易いですが、チェーンがアメジストの入っている箇所とそれ以降の場所で編み方が微妙に異なります。
もしかしますと例えばこちらはもともとブレスレットで後で、チェーンを継ぎ足してネックレスにしたのかもしれません。
ゴールドのカラットはいずれも9金で、そして両方とも古い時代のハンドメイドのチェーンですので、もしそのような加工がされたとしてもかなり古い時代にされたことになります。
あるいはもともとがこうしたものだったのかもしれません。
イギリスのこうしたネックレスでオリジナルの状態で、途中までが9金で、途中からが18金になっているものも存在します。

ロンドン在住のディーラーさんからご紹介いただきまして、この時にシトリンのブレスレットと同時に入手しました!
シトリンとアメジストは皆様もご存知の通り、色が異なる同種の鉱物です。
こうしたシトリンやアメジストを連ねたネックレスはエドワーディアンの頃にそれなりに作られたモデルですが、それだけに特徴があり、圧倒的に可愛いと思えるものには滅多に出会わないもの。
その可愛さのポイントは明るい発色の綺麗なアメジストとそのまん丸の形、そしてアメジストの周囲をぐるりと囲んだコレットセッティングとその上部に施されたギザギザの金細工です。
こちらのネックレスは程よくドレッシーで、ブラウスやシャツの中に身に着けるのにも良いです。
2015.12.01 (Tue)
ジュリアーノ一族のアンティークブレスレット(Carlo and Arthur Giuliano)
色々調べ物も多く、時間がかかり恐縮です。
有名なジュエラーのサイン入りのジュエリーであるだけでなく、ジュエリーの完成度、シルキーなすべらかさ。
良質な宝石の美しい使い方など、手にするとうっとりとしてしまうそれは美しいジュエリーです。





ジュリアーノ一族やこのブレスレットについてはHPでも詳しく記しましたのでブログではちょっとそこから離れて、カルロジュリアーノとロンドンについて書きたいと思います。
カルロ・ジュリアーノは妻と当時まだ幼かった子供たちと一緒に、イタリア南部のナポリからロンドンへ移住をします。
最初ロンドンへやってきたのはかつての師匠カステラーニのロンドンの代理店をかねていて、1867年までカステラーニの工房に所属していました。
ロンドンで最初に開いた工房はフリス・ストリートにあり、これは工房でお店ではありませんでした。
ところで「フリスストリート(Frith Street)」ってどこにあるのでしょう?
最近はパリだけでなくロンドンでもすごす時間が増え、ロンドンの町並みにもとても興味がわいて色々と探索しています。
実は20年代でまだ社会人一年目だったころ、ロンドンに三週間ほど当時の仕事で駐在していたことがあるんです。
そのような記憶をひもときながら、またロンドンの地図を眺めながら、遠く離れた過去や近い過去等、色々なことに思いが馳せます。
フリスストリートはロンドンウェストエンド。
真ん中から少し西側の、ソーホー(SOHO)にある通りです。
SOHOはもちろん中華街も有名ですがジャズクラブやミュージカルシアターもあり、エンタテイニングな界隈ですね。
フリスストリートのあとはピカデリー(115 Piccadilly)にお店を移し、こちらは店舗もかねます。
ピカデリーのお店とSOHOも近いです。
なぜこんなことを書いたかといいますと、ロンドンでもパリでも東京でも、その人によって好きなエリアって確実にあるんですよね。
ロンドンは一般的に、北と西に良い住宅地があるといわれていますが、絶対「ロンドン北部!」という人もいれば、当店とお付き合いのあるディーラーさんなどはいつも西側にいます。
例えば昔はノッティングヒルに住んでいて、それからもう少し西側の郊外に移った・・・とか。
前回の出張の時にお世話になった日本人ファミリーは、かつても長い年数、ロンドンに駐在していたのですが必ず北側です!
そのときの家族構成などにより引越しをすることがあっても案外、同じ方面で移動をすることが多いのです。
パリでも私の友人は15年ほどパリに住んでいるのですが、何度も引越ししながらずっと南側に住んでいます。
類稀なジュエラーという点からだけでなく、一人の人としてどんな人生を送っていたのかな?
とかロンドンのどんなところを好んでいたのかな?
とか考えるのも面白くないですか?
特にパリやロンドンのように歴史のある街ですと、その人を知る上でその人がどんなところが好きで住んできたかは、個人的に必ず聞いてしまう質問なのです!
2015.11.25 (Wed)
ライラック(リラの花)のアンティーク指輪(ルビーとダイヤモンド、14金ゴールド)
京都の紅葉は今年はずいぶん色づきが遅く、真っ赤になる前に散ってしまっているところも多いですが、この寒さでいっきに色づくことでしょう。
例年より少し遅れて12月の1週目ぐらいが市内の見ごろになりそうです。
さて最近ばたばたとしており、なかなかブログを更新できておらず申し訳ございません。
仕事の中で何が一番すきかといいますと買い付けや接客もとても好きですが、色々調べ物をしてそれを文章にしてご紹介することも地味ではありますがとても好きです。
そうした作業がなければいくら長くやっていたとしても、なかなか知見が深まっていかないのです。
分かっているようでも文章にするために色々調べなおしていくことで、ようやく血肉になるようなそんな感覚もあります。
さて先日アップして、お客様はもとより私の友人にまでとても評判のよい「ライラック(リラの花)のアンティーク指輪」をご紹介いたします。
ライラックという言葉が日本では一般的ですが、ヨーロッパではむしろフランス語の「リラ」をそのまま用いて通じることが多いです。



紫のイメージが強いかもしれませんが、この指輪で表現されているような赤系のリラの花も多いです。

昔のビルマ産のルビーはピンクを帯びた独特の赤色が特徴的で、まさにこうした赤ピンクのライラック(リラの花)を表現するのにぴったりの宝石といえます。
リラはヨーロッパを代表する花ですが、薔薇や勿忘草、パンジーなどに比べても、アンティークジュエリーのモチーフにされていることは少ないです。
その理由は分からないですが推測するに、どちらかというと1つの花の造形は比較的さっぱりしていて、集団で美しく見える花だからではないかなと思います。
薔薇のように1つの花のシルエットが豊かなほうが、ジュエリーのモチーフにしやすいのです。
淡い色と濃い色がブーケになったときに引き立つ、この派手ではない可憐な美しさは、むしろ日本人の美意識によりそうものではないでしょうか。
けっして派手ではないですが、「なんて可愛いのかしら!」と一目ぼれで仕入れたジュエリーです。
上品で良いです。
2015.11.10 (Tue)
アールヌーボーゴールドネックレス(カボションカットルビー、バラ)
本日は書きたいことが満載の「アールヌーボーゴールドネックレス(カボションカットルビー、バラ)」です。

こうしたタイプの金細工のネックレスは、フランスのアンティークジュエリーがお好きな方なら「あっ、あれだ!」と思ってくださることでしょう。
実際、ザ・フランスアンティークジュエリーの王道で、これまで当店でも何度か似たテイストのネックレスをご紹介させていただきました。
面白いのはこのテイストのネックレスは、イギリスなど他国のアンティークジュエリーでは見つからないことです。
またフランスでも作られた年代は非常に限られ1890-1910年頃。
特にこのようなヌーボーの特徴が出ているものは1890-1900年頃に製作されています。
知名度のわりに数が出てこないのは、「限られた場所で短期間の間にしか作られなかったから」です。
*近年特に数が少なくなってきております。

秀逸な金細工がポイントになりますが、その金細工も彫金なのかレポゼ(押し出し)なのか等、ネックレスによって用いられている技法が異なります。
例えば下記は同時期の典型的なレポゼ技法によるネックレスです。
一般的にレポゼの場合は、軽量になります。
薄手のブラウス(例えばシルク布)にあわせて、女性らしさ、繊細さで繊細さを表現することに長けています。

今回ご紹介しているルビーのネックレスは、彫金によって仕上げているネックレス。
彫金によって仕上げている場合にはある程度重みのあるほうが、落ち着きがありクオリティーも高いことが多いです。
重量があれば良いというわけではないのですが、この手のネックレスはかなりピンきりですので作りの良いものを選ぶことが大事です。
あまり良くないものですとすぐに裏返ってしまったりと、使いにくいという声をよく聞きます。
こうしたアールヌーボーのネックレスは「金細工」が要ですので、宝石はナシで18金だけで仕上げられたもの、あるいは少し小さな真珠の入ったものが大半です。
下記はやはり今回仕入れることができた同時代のネックレス、真珠が入っています。

色石が入っている例というのは非常に少なく、特にカボションカットされたルビーが入っているのには驚きました。
ルビーの滑らかな赤色が首元を華美すぎず、しかし艶やかに美しく見せてくれるまさに大人の女性のためのネックレスです。
こうした程よく色合いの明るいネックレスを、年齢を重ねた高齢のフレンチマダムはさらっと着けるのに長けています。
サンジェルマンなどを歩いていますと、白髪のおばあちゃんがこうしたジュエリーを着けて一人でカフェでお茶を飲んだりしているのがなんとも様になって「あっ、フランスにいる」と感じる瞬間です。
私はフランスが好きなのは美しい洋服や建造物、優れたガストロミーというより、女性が年齢を重ねるほどに美しいから・・・です。
2015.11.07 (Sat)
18世紀ダイヤモンドリング(シャンパンカラーダイヤモンド)
18世紀ダイヤモンドリング(シャンパンカラーダイヤモンド)。

18世紀のジュエリーは以前も数が少なくご紹介するのが大変だったのですが、ここ数年はさらに激減しまして、マーケットでもまず出てこないジュエリーになっています。
特に出てこないのが指輪とピアス。

しかも今回はなんとシャンパンカラーのダイヤモンドが特徴的です。
写真絵は少し分かりずらいと思いますが真ん中の宝石もシャンパン色です。
上下の色がもっとイエローが強いです。
ロココファッションでシャンパンカラーは流行するのです。
ダイヤモンドは当時、19世紀以上に希少で、その上人口加工などできない時代でしたから、ただでさえダイヤモンドからさらにシャンパンカラーとなりますとまさに天文学的な希少性で。
ですから当時、シャンパンカラーのペーストガラスもハイジュエリーに用いられています。
このちょっといびつな形のダイヤモンドにあわせた台座の形も迫力がありますね。

背景になっている無数の石もダイヤモンドです。
これらの石も少し傷みのある石もありますが、欠けずに残っていたのは奇跡的です。
まさにダイヤモンドのタペストリー。
そして横から見た写真が分かりやすいですが、縦長のこちらの指輪、上下に微妙なしなりが作られています。
この独特のしなりのおかげで指にとても気持ちよくフィットするのですよ。
本当に素敵な迫力ある18世紀の指輪でした。
2015.10.02 (Fri)
ルビー&ブルーサファイヤ ゴールドブローチ(1940-1950年 お花)
ルビー&ブルーサファイヤ ゴールドブローチ(1940-1950年 お花)。



当店のお客様は基本的にアンティークジュエリーがお好きですよね。
1940年代以降のジュエリーは、アンティークではなくヴィンテージというのがふさわしいですね。
しかし近年ではこの時代の特に価値のあるジュエリーをエステートジュエリーと呼び区別しています。
繊細で貴族的な前世紀のジュエリーとはテイストもデザインも一線を画します。
ヴィンテージ(エステート)ジュエリーなんて面白くない?大量生産品?価値がない?
↑
大間違いです。
しかしアンティークジュエリーと呼ばれる1930年頃までのジュエリーより難しくなるのは、価値が高く認められているのはこの時代のごく一部のジュエリーだけということです。
この時代、特にアメリカではコスチュームジュエリーが多く作られ、ミリアムハスケルをはじめ名の知れたデザイナーのコスチュームジュエリーもやはり近年非常に高いコレクター価値が見出されていますが。
この時代の特にフランスを中心にしたメゾンの製作したジュエリーは、またまったく異なる意味で非常に注目がされています。
「注目」といいましても日本の反応が遅いだけで、そのブームは既にさり確固たる地位を築いてかなりの年月が経っています。
15年ほど前、せめて10年前にこの手のジュエリーを買い集めていたら・・・と思ってしまいます。
この時代に面白いジュエリーが作られた理由はなんでしょう?
1つに、この時代はアンティークジュエリーは続く時代ですから、特に1940-50年はまだフランスに非常に腕のよい職人さんが存在していたことです。
2つ目:ジュエリークリエイションの主体がかつての貴族を中心にするパトロンではなく、メゾンに移ります。
メゾンの代表たるがカルティエであったり、ヴァンクリーフアーペルだったりしますが、それ以外にも優れたメゾンがまだたくさんあった時代。
メゾンが主体になりジュエリーが製作された、その最盛期なのです。
こうしたメゾン(ブランド)も残念ながら年月がたつほどに、面白いジュエリーが作れなくなってしまいます。
1940-1960年ぐらいにしっかりとしたメゾンの製作したジュエリーはそれだけに普遍的な価値を持つようになったのです。
ジュエリー製作の現場のスキルというのは、例えば鋳型だとかCADといった技術がでることで、本来の製作技術をどんどんとダメにしてしまい、今では10年ほど前にできたこともできなくなっているといわれています。
例えば上質な爪留めさえできる職人さんがほとんどいないのです。
本当に悲しいですけど・・・。
では1970年代、1980年代にブランドの作ったジュエリーはどうなの?といった疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、これらはヨーロッパでもいわゆる良質な中古品以外の価値は今のところ見出されていません。
実際この時代になりますと大量生産品になりますから、私から見る限りは少なくとも面白さは感じられません。
「いつか時代が来れば評価は変わるのでは?」
と思われるかもしれませんが、普遍的な価値を持つ、そして限られた数しか作られなかったものしか、年月を経ることで価値が上がることはないのではないのです。/span>
2015.09.30 (Wed)
ホークスアイ(鷹の目石)のアールデコネックレス(1920年代)
ホークスアイ(鷹の目石)のネックレス。
典型的な1920年代のアールデコのネックレスです。
*留め具は後年やり直されていると思いますが、やはりよい作りです。


ホークスアイは特に1920年代、その特徴的な「黒色」がアールデコのジュエリーに非常に好まれた宝石です。
しかし同じ黒色の宝石オニキスなどと比べましても非常に数の少ない宝石ですので、実際にマーケットに出てくるものはほとんどないのが現状です。
ちなみにこの時代、「黒の宝石」としても重用された代表的な宝石はオニキス、ホークスアイですが、あまりに需要に供給が追いつかないので、着色されたカルセドニーが用いられれたほどです。
ご参考までに。
↓はJ.E Coldwellのカリブレカットルビーとダイヤモンド、オニキスのブローチ。

↓はヴィクトリア・アルバート美術館所蔵のパリのJanesich社が1925年頃に製作したドロップ型イヤリングです。
ブリリアンカットダイヤモンドに、黒く着色したカボションカットのカルセドニー、ホワイトゴールドのセッティングです。
以下に黒い宝石が足りなかったか分かるエピソードですね。

アールデコのジュエリーでははっきりとした色のコントラストが好まれましたから「黒」と言う色はその点、万能だったのです。
ちなみに皆さん、「黒いアンティークの宝石」=「ジェット」を思い浮かべられるかもしれませんね。
しかしジェットが重用されたのは19世紀後期から20世紀初頭にかけて。
ジェットはアールデコのジュエリーでは好まれませんでした。
ジェットはマットな質感で、ビビットな黒を求めたアールデコとはまた異なるのです。
2015.09.27 (Sun)
天然パールとダイヤモンドのアンティークリング(1900年フランス、18Kゴールド)
さりげなく良い指輪です。


デザインはとてもシンプルなようでいて、その作りのよさがあってこそ。
宝石(ダイヤモンドと天然真珠)が共にとても綺麗で、愛らしくも可憐。
一方でけっしてチャチになることのない、クオリティー良さを感じさせる指輪です。
こうしたさりげなく段々に効いて来るジュエリーというのは、なかなかないものです。
フランスでは1900年前後に作られることの多かった「真珠xダイヤモンドの指輪」、どれ一つ同じものが存在しません。
見比べてみると、それぞれ表情が異なり面白いですよ。
以下、売却済みのものも多いですが少し似たタイプのものをご紹介いたしますね。
正にそれぞれ似て異なるものなのです。
ナチュラルパールクラスターリング(マーガレット、オールドマインカットダイヤモンド)
こちらもほぼ同時代、先日アップしたばかりのリング。
少し大人っぽい雰囲気です。

アンティーク天然パールリング(クロスオーバー、ローズカットダイヤモンド)
こちらは売却済み、愛らしく可憐な雰囲気の指輪でした。

天然真珠とダイヤモンドのアンティークリング(1920年代アールデコ)
もう少し後年になります。売却済み。
洗練されたリングでした。

アンティークマベ真珠指輪(オフホワイト天然真珠、ダイヤモンド)
真珠が少しのっぺりした感じだと思いませんか?珍しいマベ真珠を用いたリングでした。

ダイヤモンドと真珠のアンティーク指輪(クロスオーバーリング、トワエモワ)
少しいびつな真珠とボリュームあるダイヤモンド。

こうしてみますと一言で「アンティークの真珠とダイヤモンドのリング」と言いましても実にいろいろなデザインと表情があることが分かりますね。
いずれのリングもフランスで1900-1920年頃に作られたものなのですから、その豊かなデザインとセンスのよさには改めて惚れ惚れします。
2015.09.24 (Thu)
ロシアンエメラルドと天然真珠のアンティーク指輪(1840年頃、18金)
休日はやはりお問い合わせ等も少ないため少しぼんやりしてしまっていましたら、ブログがしばらく滞ってしまっていました、ごめんなさい。
最近、自分以外にスタッフがいるお店なら、「自分がどこか抜けている!」というところが程よくフォローされ、こうした更新が安定するのだろうな~と思います。
アンティークジュエリーのお店はこじんまりやっているところが多いですし、今後もきっとその傾向はますます強くなるとは思いますけどね!
さて先日エメラルドの指輪を二点アップしましたのでご紹介いたします。
↓こちらはエメラルドの色がずいぶん淡く透明な色だと思いませんか?
当時のロシア産エメラルドです。
エメラルドはダイヤモンドと合わせてセッティングされることが多いですので、「エメラルドx天然真珠」の組み合わせも貴重です。
きっとこの淡い色のエメラルドをいかしたかったのでしょうね。

↓こちらはいつの間にかアップしていたと思われたかもしれないですね、東京のオープンサロンでお得意様が一目ぼれしてくださり完売しましたが、参考までにアップさせていただきました。
カボションカットされたエメラルドとアールデコらしいモダンなデザインがどきどきするほどかっこいい指輪でした。

同じエメラルドと思えないほどそれぞれ異なり、それぞれが良いです。
エメラルドの良質なアンティークリングはそれほど頻繁に出会うことができないのですが、これからもがんばって仕入れたい宝石の一つです。
私、誕生石がエメラルドでしてそうした意味でも思い入れが深いのです・・・。
2015.09.16 (Wed)
ターコイズ一文字指輪(6石、トルコ石、王政復古時代)


宝石が5石とか6石、一列に横に並んだ指輪を一文字リングと呼びまして、この一文字リングは19世紀の間、比較的長い期間にわたって作られます。
ですので似たようなデザインの指輪で19世紀後期に作られたものも存在しますが、こちらは19世紀初頭のとても古い時代の指輪です。
↑
なぜ時代の判別がつくかといいますと(難しい場合もあります)、この指輪の場合は宝石のセッティングが独特であるから、クローズドセッティングであるから、フレームのつき方等々です。
このように小ぶりであってもピリっと特徴があり、ありきたりでないフランスのアンティークジュエリーには心がつかまれます。
宝石を包むゴールドのセッティングや、ショルダー部分の控えめながら美しい装飾など、アンティークらしい魅力の詰まった作品です。
トルコ石といいますと夏のイメージがありますか?
私はむしろ今、着けたい気分です。
秋のさわやかな青空のもとで!
今週末からはいよいよシルバーウィークですね。
お出かけの方も多いことでしょうが、当店は営業しておりますのでお気軽にご連絡をくださいね。
2015.09.09 (Wed)
ユーゲントシュティールのバングルブレスレット(ハナミズキ、ドイツ製、ビルマルビー)
京都は思いのほか、今回はたいしたことはありませんでした。
雨がずーっと降っていてそれは滅入るといえば滅入るのですが、風がなかったので普通の雨っぽかったです。
それにしましてもここのところ本当に雨が多いですね!
晴耕雨読といきたいものですが、雨が降っている日ほどお出かけしたくなってしまう私です(笑)
さて、先日シェルシュミディとしては非常に珍しいドイツのアンティークジュエリーをアップしました。
ドイツのアンティークジュエリーは私の記憶する限りこれが初めてです!!!
ドイツはなぜかさりげなくご縁のある国で、たとえば今も親しい友達が二人ドイツに住んでいたり、別の友人がドイツ人と結婚していたり、なぜか京都でもドイツ人の知り合いができたり・・・。
20代の頃は会社員で何度か出張にいかせていただいたり。
ドイツ語はまったく話せないんですけど・・・
何のお花かな?と思いましていろいろ調べましたらハナミヅキのようです。
ドイツのアールヌーボー(ユーゲントシュティール)の作品なのですが、こうした少しマニアックなお花がモチーフになっているところも、なんだかドイツらしくて好きです。

このピンクを帯びた美しいルビーは間違いなく当時のビルマ産ルビーです。
少し「紫の気配」もある色ですね。
ビルマ産ルビーの一部は紫の色合いを持っているものもけっこうあります。
そしてこの紫味は、超高温での加熱処理で除去するのが一般的です。
しかしこの時代ですので戦後のような加熱処理は行われていません。
この時代の綺麗なルビーはビルマ産のものが多いです(あとはロシア産などもありますが、この時代はビルマのルビーが多いですね)
第二次世界大戦が近づいてきますと、極東からの貿易ルートが難しくなりますので、ルビーは難しくなってくる宝石です。

そして圧巻の裏面。
曲線のようで直線のようでもある、耽美的でありながら後年のダダイズムにつながるようなライン。
やはりフランスやイギリスのジュエリーとは異なりますね。
譲ってくれましたのはロンドンベースのディーラーさん。
やはり長いキャリアを持つ良い人なのですが、「こんな裏面見たことない」と彼女も言っていました。
まったく同感です。

お客様でこのバングルの写真をご覧になられて「メルケル首相がつけていそう」といったコメントを下さった方もいます。
まったく同感です(笑)
2015.09.06 (Sun)
アンティークレースブローチ(ローズクォーツ、天然真珠、15金ゴールド
こちらは土曜は快晴、日曜は一日中雨、まぁそれも良いものですね。
さて先日、小さめの愛らしいピンクのブローチをアップいたしましたのでブログでもご紹介させていただきます。
ピンク色の石はローズクォーツです。

先日「ピンク色の宝石(特にピンクトパーズ)でオーピンセッティングになったジュエリーがほしい」
と言ったお客様の声を頂きまし改めてていろいろ考えてみましたが。
基本的にピンク色の宝石があしらわれたアンティークジュエリーはクローズドセッティングです。
あるとしますとアンティークジュエリーの中でも比較的後年に作られました、ピンクサファイヤのアンティークジュエリー。
あるいはピンクトルマリンを用いたアンティークジュエリーでしょうか。
しかしピンク色のアンティークジュエリーといいますと、私の頭に浮かびますのは王政復古の時代(あるいはイギリス、ジョージアンの時代)の少ないゴールドの量でそれは素晴らしい金細工と一緒にセットされたピンクトパーズかローズクォーツ、あるいはピンク色のガラスペーストのジュエリーです。
アンティークジュエリー的に言えば特に価値があるのが、そうした特徴が良く出たジュエリーになります。
典型的なのが下記のようなジュエリー。

そんなことを含めてアンティークジュエリーで使われるピンク色の宝石のエピソードも書きましたのでよろしかったらご参考になさってください。
今回アップしましたローズクォーツのブローチもこの時代のもの。
そしてその小ささはレースにつけるブローチであったがためです。
楕円形の愛らしいフォルムはペンダントとしても引き立ち、おそらくペンダントに加工して売ったほうが良いお値段がつけられそうだなとは頭をよぎりましたが、ブローチとしてお使いになられたいお客様もいらっしゃるかもしれませんし現状のままお出ししております。
ペンダントへの加工につきましては、職人さんにはあらかじめ確認が取れており、
「ブローチパーツをすりとって、ピンのヒンジを利用すれば、ペンダントへの加工も可能」だそうです。
ご相談くださいませ。

2015.08.27 (Thu)
ダッチローズカットダイヤモンドブレスレット(ローゼンダール工房ROZENDAAL、オランダ)
写真で見ているだけでもうっとりしてしまう、まさにダッチローズカットダイヤモンドの見本のようなジュエリーです!



そしてこちらのブレスレット、単にダイヤモンドが美しいだけでなく、なんとローゼンダールというオランダの有名工房製作のジュエリーです。
ローゼンダール工房は日本ではそれほど知られておらず、本当に知る人ぞ知るといった工房ですが、オランダでは王族ご用達と言うこともありとても有名な工房のようです。
このようなイギリスにもフランスにもいない、銀とゴールドを張り合わせたセッティングで、ダッチローズカットダイヤモンドを全周に張り巡らせた素晴らしいダイヤモンドジュエリーを作っています。
オランダ、特にアムステルダムはダイヤモンドの町。
今でもロンドン・パリに比べてアンティークダイヤモンドが安く手に入ると言う噂はありますが、本当のような嘘のような。。。
やはり場所によりけりといったところでしょうか。
最近は買い付けでロンドンで過ごす時間も増えてきましたが、ロンドンは本当に世界のディーラーさんが集まりますね。
同じジュエリーを取り合うのがドイツ人だったり、ロシア人だったり・・・パリ以上に世界のディーラーさんが集まっているなと思います。
と言うことでオランダのジュエリーのうち既に、結構な量がロンドンにもきているという話もあります。
もちろんやはり現地でだからこそ手に入るお値打ち品などもありますからなんともいえないですけどね☆
オランダのジュエリー、特にダイヤモンドはやはり美しいものが多いですので、今後も少しずつご紹介していけたらよいなと思います。
個人的に一番好きなアンティークジュエリーはやはりフランスのものが多いです。
あとロンドンはやはり英国のアンティークに限らず商品量が多く、レベルの多い作品もそれだけ多いように感じます。
あと個人的にすきなのは数はものすごく少ないですがロシアの作品。
デンマーク、イタリアなども数はとても少ないですが個人的にかなり好きです!
本当にアンティークジュエリーの魅力って尽きないですよね。
逆に私があまり好きでないのはアメリカのアンティークかな・・・。
アメリカってアンティークジュエリーがないと思ってらっしゃる方も多いですが、20世紀初頭はアメリカでも多くのジュエリーが作られています。
(その中の一定部分はアメリカ人のオーダーでヨーロッパ、特にパリにオーダーされて作られたものですが)
日本のディーラーさんでも、毎年マイアミで開催される大規模なアンティークフェアに行かれる方は多いです。
まぁでも、私は引き続きヨーロッパで探してきますね!
話は相当脱線しましたが、美しいオランダのアムステルダムカット(ダッチローズカット)のダイヤモンドジュエリー、ぜひご覧ください!
タグ : ローゼンダール
2015.08.25 (Tue)
アンティークエタニティリング(ハーフエタニティ、ダイヤモンド)
さて先日、新着でダイヤモンドのハーフエタニティーリングをアップいたしました。
ハーフエタニティと書いておりますが、3分の2ぐらいにダイヤモンドが入っています。
正面から見ますと指いっぱいにダイヤモンドが広がるイメージです。


エタニティリングは現代でも有名ですが、その起源はアンティークジュエリーに遡ります。
(もっともそれを言いますと、すべての指輪そしてジュエリーのモデルが過去にその歴史は遡るのですが・・・)
ダイヤモンドだけでなく色石をつかったものなど、一言でエタニティリングと言いましても実にいろいろなデザインがございます!
とても惹かれる指輪デザインのひとつでして、変わったエタニティリングを見つけますととても嬉しくなります。
今回もあと2点ほどエタニティリングを仕入れていまして、まだ説明文等がまったくできていないのですが、ちょっとご紹介いたしましょう。
下記はトルコ石が全周に入りましたフルエタニティリング。
19世紀フランスのアンティークですが、ちょっと古代の影響を受けた装飾スタイルです。

下記もとても古いフランスのエタニティリングです。
赤石はルビー、そしてこちらの指輪は地金はなんと銀です。
とても古い時代の珍しいエタニティ指輪。
なじみのディーラーさんのところで仕入れまして、それを持ったまま他も回っていましたら、他のディーラーさんにもとても評判が良かったです!

シェルシュミディには今、魅力的なジュエリーがありすぎて、新着のアップが間に合っていない状況です。
フェイスブックやブログなどで気になられるジュエリーがございましたら、お気軽にご連絡をくださいませ。
2015.08.23 (Sun)
ナチュラルパールクラスターリング(マーガレット、オールドマインカットダイヤモンド)
天然真珠を用いたアンティーク指輪は、これまで何度も扱ってきましたが、真珠はやはり海の生き物だったからか、それぞれ表情が大きく異なるところが面白いです!
たとえば同じ時代のダイヤモンドのアンティークリングでしたら、ここまで大きくその指輪の持つ雰囲気が異なるということはないです。
この真珠のリングは、私は少しすましたようなお洒落さんの表情があるように思いますが、いかがでしょうか?


良い天然真珠は顔が映りこむほどといいますが、まさにそのような真珠。
かなり真円に近い形の非常に艶のある真珠です。
横から見ますと完全な真円出ないところがまた面白いですよ!

真珠といえば先日、すばらしい1900-1910年頃の真珠のネックレスを手に入れまして(東京のオープンサロンで売約済み)、それが養殖なのか天然なのか、いつもお世話になっているフランス現地のディーラーさんが調べる時間がなかったということでそのまま持って帰ってきたものがありました。
注:↑の指輪の真珠は天然です、わかりいやすく天然です。
判別が難しいのはとくに1900-1920年頃に作られたネックレスです。
それで日本の鑑別機関にいくつも当たりご相談したのですが、いろいろと面白いことがわかりました。
「日本は真珠に関しては独特すぎる、おかしい!」
と海外で言われることが多く、それが身にしみる経験をしました。
詳しくは書きにくいところもありますが、要するに日本の鑑別機関ではほとんどのケースで
「養殖真珠か、天然真珠か」
を表記してくれないということがよくわかりました。
でもこういったらなんですけど真珠のもっとも大きな価値ってそこなんですよ!
そこを書かずに(調べずに)その鑑別書が何の意味をなすのか、はなはだ疑問なんですけどね。
たとえば海外の著名なジュエリーオークションでは天然か、養殖なのか明記されることが多いです。
日本は養殖真珠の国で、鑑別期間というのは基本的に業界が必要として発達するものですから、そのあたりにかなり独特な背景があるのでしょう。
いろいろ理由は説明してくれたのですが。
たとえば日本の養殖技術は進んでいて天然真珠のような内部構造を持つ養殖真珠についての研究が進んでいる。
ほぼ間違いなく天然真珠と思えるケースでも、養殖真珠でもその真珠の内部構造を作ることが不可能出ない場合は、その可能性を排除できないので天然とは明記しないとかetc
でもたとえばアンティークの海水真珠である程度の大きさのものは、核がなければ基本的にヨーロッパの鑑別機関は天然と判断しますし、それで間違いないんですけどね。
要するに天然真珠かを明記しないことで、養殖真珠を守っているともいえます。
これ以上は書きにくいのですけどね・・・。
うむうむ、実に独特です。。。
2015.08.14 (Fri)
ビルマ産アンティークルビー指輪(マーキーズリング、無処理)
夏休み中の方も多いことでしょう!
HPをご覧いただいているお客様も普段よりは少ないかもしれませんが、先日目の覚めるような美しいビルマ産ルビーの指輪をアップしましたのでお知らせです。

ビルマルビー特有の彩度の高い華やかな赤が印象的な指輪です。
写真では光の加減でピンクが強くでてしまいましたが(照明の光の加減で難しいのです)、実際は僅かにピンクを帯びた赤といった色。
試着時の写真の色が自然光下でみた色合いに近いです。
どうです?
なんともいい色だと思いませんか?

水気を帯びているのではないかと思うほど、艶があるルビー。
もちろん天然無加工の非加熱のルビー。
アンティークルビーは実に色々な色調の石が存在しますが(現代のような人工トリートメントが施されていないだけに)、一番綺麗と思う色がこのピンク帯びた赤。
もちろんもっと赤が強く出たピジョンブラッドは有名ですが、アンティークルビーではちょうど良いピジョンブラッドの石はまず滅多にないです。
やや暗い色調にどうしてもなっていることが多いです。
そんな中ビルマルビーでも非常にお薦め(かつ人気があるのが)こうした明度の高い、少しピンク色のかかった赤いルビーです。
ルビー、ルビーと書いていますが、実はダイヤモンドも特筆すべき美しさ。
圧倒的な美しさのゴージャスなリングです。
2015.08.10 (Mon)
ハート型アンティークロケットペンダント(3色カラーゴールド、天然真珠)
パッと見たところ愛らしいハートのペンダントに見えますが・・・。

何と中が開く、ロケットペンダントです。

ロケットペンダントは、普段アンティークジュエリーにご興味のない方もアンティークでお探しになられる方もいらっしゃるようで、よく色々なご質問をいただくアイテムです。
このロケットペンダントは100年以上の時を経ていますが、今もパチンと良い音を立てて閉まります。
これって当たり前のように思いますが、経ている年月を考えましたら驚異的なことです。
あと100年後・・・、私は間違いなくこの世にはいないと思います。
今、私がこうしてブログを書いているパソコンは数年後には壊れているでしょうし、珈琲を入れているマグカップも、絨毯も、携帯電話も10年後には使える状態ではきっとないですね。
今住んでいるマンションですら(賃貸なので自分のものというわけでもないですが)、きっともうないでしょう。
ふと日常を見渡して自分の死後も美しいまま残っているものがあるか、想像してみてください。
「もう、何もかも残らないんだわ!」と悲観的になることもないと思います。
でもこのペンダントは100年後も今ときっとあまり変わらないまま、これまでの100年も美しく存在し続けたように美しいままでしょう。
このように自分に置き換えて考えてみますと、なぜ昔の人がロケットペンダントに愛する人の髪の毛や写真を入れたのか分るような気がしませんか?
Life is very short・・・だけれども、永遠に持ち続けていたい気持ちや感情があったのでしょう。
昔の人の時間の捉えかたは現代人のそれより悠久としているような気がします、素敵ですね。
でも忙しい現代人の私たちだからこそ、もう少し長いスパンで自分の人生を見れたらいいですよね。
そんなこんなを色々夢想させてくれる、ロケットペンダント。
文章長くなりましたがロケットペンダントは、色々なこを想像してしまう、アンティークジュエリーの中でもひときわ物語性のあるジュエリーです。
2015.08.05 (Wed)
アンティークロケットリング(カボションカットオパール、ロイヤルブルークロワゾネエナメル)
アンティークジュエリーの中でも特に人気のアイテムに「ロケットペンダント」がございますが、一段とレア度が増すコレクター垂涎のアイテムが「ロケットリング」です。
一見普通のリングに見えますが・・・

裏に本当に小さなゴールドの爪があり、それを引くことで今でもとてもスムーズにパチンととても小さな音をたてて、扉を開閉することができるのです。

ロケットペンダントの方はまだ少しは市場に出てきますが、ロケットリングは肌感覚としましてはロケットペンダントの10分の1以下、ロケットペンダントも非常に見つけずらくなってきている昨今、正に幻のコレクターズアイテムです。
改めてシェルシュミディでこれまでにご紹介いたしましたロケット指輪をふりかえってみましたところ、こちらの指輪で僅か3つめ!
しかもこのような宝石をアレンジ下ロケットリングは今回が本当に初めてです。
清涼感ある青紫色は、一瞬何の宝石だろうと思いますよね。
宝石であることは一目瞭然ですが何の宝石か分らない、ちょっとお詳しい方は一瞬「ムーンストーン」と思われるかもしれませんね。
石の底から明るい色が挿す、それは美しい楕円形のオパールが贅沢に用いられています。
正面から見ますと綺麗な楕円形に見えますが、横から見ますと下部のほうが膨らみがあります。
オパールは遊色効果もありますし、そうした色彩を全て計算しつくした上でのセットです。
よくよく考えて見ますとこれだけの大きさのカボションカットのオパールが、良く見つかったものです。
正面から透けないロケットをオーダーして、後にこの素晴らしいオパールを見つけたのか。
あるいはこの素晴らしいオパールを見つけて、職人さんが素敵なロケットリングにすることを提案してくれたのか・・・。
どちらでしょう??
想像の膨らむリングですね。
「モーパッサン、オー・ヘンリーあたりなら素敵なショートミステリー書いてくれそう」という粋なコメントも頂きました。
暑い日が続きますので、クーラーの効いたお部屋で、こうした素晴らしいアンティークジュエリーが作られた時代の名作を読むのもいいですね。
当店がお付き合いしている中で、知識の上で最も頼りになる仏のディーラーさんに、
「どんな文献を読んでいるの?」
と聞いたことがあります。
GIAも持っている彼女は宝石の本もまたアンティークに関する本もほとんど読破しているそうですが(読書大好きな方ですので)、「当時書かれた小説と絵画はとても多くのことを教えてくれる」
と言っています。
例えばその時代に描かれた肖像画を見れば、その時代に流行していたファッションや髪型、ジュエリーが一目瞭然に分りますよね。
小説はあるときは、絵画以上に描写が豊かで緻密ですから、想像力も膨らむというものです。
アンティークジュエリーは、どれだけ勉強したつもりになっても、何も知らないと思うことだらけです☆
2015.07.26 (Sun)
ブルーサファイヤアンティークリング(2色のサファイヤ)
熱中症などくれぐれもお気をつけくださいませ。
来週末に東京での催事をひかえておりますので、さすがにここまでの猛暑日にならないよう祈っております。
当日は会場も十分にクーラーを効かし、冷たいお飲み物などもご用意しておきますね。
くれぐれもお気をつけていらしてくださいませ。
さて現在、シェルシュミディではブルーサファイヤの指輪がなぜかとても充実しております☆
ブルーサファイヤはお好きな方が多い宝石ですので常に捜しているのですが、数としては意外なほど出てこない宝石ですので、これだけ揃ったのは数年ぶりです。

こちらの指輪、左右のブルーサファイヤの色のトーンが異なるのにお気づきいただけるでしょうか?
写真では映しずらく恐縮ですが、それぞれの石を留めているゴールドの色も変えられています。
トーンの少し異なる2石のブルーサファイヤをたまたま見つけてそれを生かした指輪を作ろうとしたのか、あるいは元々そうしたコンセプトで依頼を受けていて、2トーンのブルーサファイヤを探したのか。
どちらでしょうね。
いずれにしましても同じトーンの2色のブルーサファイヤを使い同じセッティングをした方がずっと楽ですから、意匠であることは間違いございません。
アンティークジュエリーってつくづくこうしたところが面白いですよね。
手元を見るたびに色々なことが頭に浮かびそうな、そんな素敵な指輪です。
元々このタイプの指輪デザインは「トワエモワ(toi et moi あなたと私)」と呼ばれています。
そうしたことからも、この指輪をオーダーされた方の愛ってどんなだったのだろう?とか色々想像してしまいます!
2015.07.24 (Fri)
ブルーサファイアプラチナリング(バゲットカット、プラチナ、1930年代)

こちらのリングはお好みは分かれるでしょうが、アールデコの斬新な部分が良く出た特徴的な指輪で、特にヨーロッパ現地ではとても高く評価される類の指輪です。
実際、私がこちらの指輪を入手し、別のディーラーさんにその日獲得したジュエリーをまとめて見せましたところ、彼女が一番気に入っていたのはこちらの指輪でした!
働く女性、あるいは働く男性にとてもお薦めしたい指輪でして、ポエティックで繊細なアンティークジュエリーとはまた異なる世界を教えてくれる一点です。
現在、シェルシュミディでは偶然ですがブルーサファイヤのリングが充実しています。
ぜひ選べるうちにいろいろとご覧になってくださいね。
2015.07.16 (Thu)
アンティークアメジストネックレス(ライラックカラー、ドラップリー、ハンドメイドチェーン)
とても明るい淡いライラック色のアメジストが豊かに使われたアメジストネックレス。
1粒ずつとても大きな石が使われています。
そして表面はかなりフラットに見えますが、とても厚みのある石で裏にキューレットが驚くほど長く伸びています。
こうした宝石のカッティングはアンティークジュエリーに時々見られますが、現代ジュエリーでは見ないユニークなカッティングですね。

ドラップリーと呼ばれる胸にひだのように広がるタイプのネックレスです。
ハンドメイドの非常に凝ったオリジナルチェーンも魅力的。
完売です、有難うございます!
2015.07.12 (Sun)
アールデコダイヤモンドピアス(ドロップ型イヤリング、ルビー、1920年代)
このピアスは私は個人的にとてもタイプのジュエリーです。


フレンチらしい明るい色合い。
ルビーの入ったアンティークピアスは実にとても少ないです。
アンティークピアスで用いられる赤石の大半はガーネットなんです。
年代は1920年代と記載しておりますがもう少し早め1910-1920年ぐらいになると思います。
このあたり数年レベルでは、判断がしにくいアンティークジュエリーももちろんございます。
20世紀初頭のフランスの息吹がかじられる瀟洒なピアスです。
このような独特のスタイルがある、クオリティーの高いアンティークピアスを見つけることは、近年とても珍しくなってきました。
私はイギリスのアンティークでもフランスのアンティークでも「スタイルのあるもの」を意識してジュエリー選びをしています。
フランス語では(その人やモノ)のスタイルがよく出ていることを示して「stylisé」。
「stylisé」は様式化されたものを示す言葉で、スタイルのある女性のことを形容する時にも「stylisée」と言う言葉が用いられることがあります。
現地のディーラーさんにもよく
「tomokoはstyliséされたジュエリーが好きだね」
と言われます。
多分そうなのだと思います。
styleのあるジュエリーもそしてstyleのある女性もとても素敵だと思うからです☆
話は少しそれてきましたが、それだけ素敵なピアスです。
これからの季節、大人のワンピース姿に髪をアップされてあわせて着けていただくと・・・想像するだけで素敵です!
2015.07.11 (Sat)
アンティークスタッドピアス(ダイヤモンド、ホワイトゴールド、アールデコ、星)
ダイヤモンドのアンティークピアス、アールデコの頃、特に1930年代のホワイトジュエリーが流行していた頃のピアスです。

-透明度のあるダイヤモンド
-ダイヤモンドが台座に深く埋め込まれているところ
-星の形になった台座
-細やかな彫金
小粒ながらしっかりと作りこまれた高級感あるピアスです。
ちなみにこうしたピアスポストが真っ直ぐになった耳にぴったりと装着するタイプのピアスを「スタッドピアス」と呼びますが、アンティークピアスでスタッドピアスはとても少ないです。
これまで何度か販売をしまして、こうしたピアスはパッと見たところそこまで派手ではないので
「まぁ、一個ぐらいこの手のピアスがあると重宝かしら・・・」
みたいな感じで購入いただくことが多いのですが、実際にお使いになられるととても重宝なようで
「あの時、薦めてもらって本当に良かったです!」
とコメントをいただくことが多いタイプのピアスです。
ちなみに下記は何を後ろにつけているかといいますと、先月訪れました神戸宝飾展で購入しました「ピアスをなくさないためのピアスキャッチ(現代もの)」です。


こちらのピアスはオリジナルのキャッチもギザギザ部分を両側から押すことで開くという仕組みになっており、通常のピアスよりずっと外れにくいタイプのピアスですが。
「絶対にピアスをなくしたくない!」と言う方には、こうしたピアスキャッチをつければ無敵だと思います。
「絶対失くさないピアスキャッチ」は当店で販売しているものではございませんが、気になられる方がいらっしゃいましたらご紹介いたしますね。
2015.06.12 (Fri)
薔薇のアンティークピアス(アールヌーヴォー様式、カラーゴールド)
色々進化しているんでしょうけど、なかなかついていけません(><)。
本日、個人的にもお気に入りのアールヌーボーのピアスをアップしました。

金細工だけで瑞々しい薔薇の花が表現されています。
花びらの重なり合う様子とか、拡大しても本当に柔らかく見えます。
こうしたデリケートな金細工、そしてカラーゴールドの美しさは、金細工技術の高かったアールヌーボーならではの醍醐味です。
この時代以降、20世紀に入りますと、フランスはイギリスほどは極端ではないですが、ジュエリーの世界にプラチナが入ってきます。
プラチナならではの特性を活かした素晴らしいジュエリーが、特にアールデコ期につくられていくことになるのですが、物事には一長一短があり、そうしたプラチナによるセッティングの発展が、皮肉なことに金細工の技術の凋落をもまたもたらします。
実際、フランスのジュエリー歴史で、金細工の美しいジュエリーは1900年頃が絶頂で、その後は段々に見られなくなっていくのです。
お好みもあるかと思いますが、私はゴールドの(特にイエローゴールド)の繊細な金細工のアンティークジュエリーがとても好きで、それほどプラチナが大好きなわけではありません。
どちらかと言うと繊細さの残ったゴールドのジュエリー、プラチナでもイエローゴールドとのはりあわせだったり、部分的なプラチナ使いだったりと、あまりプラチナ、プラチナしすぎていない方が好みです。
なぜならその頃のジュエリーのほうが細工の妙があると思うからです。
このあたりは好みもありますね。
さて金細工の美しいジュエリーが作られた時代といえば、フランスの宝飾史ではアールヌーボー期以外にもう一つ注目すべき時代があります。
それは王政復古の時代(完全にではないですが、隣国イギリスのジョージアンの時代に少しかぶった時代です)、
フランスのカラーゴールドは早くから発展し、この頃に既にカラーゴールドの美しいジュエリーが作られているんですよ。
今回のピアスをご紹介しながら頭に浮かんだのは下記のブレスレットです。

こちらは既に販売済みなのですが、やはり素晴らしい金細工&カラーゴールド。
しかし時代は大きく異なり、こちらは典型的な王政復古の時代のジュエリーです。
何が異なるかと言いますと私からすると一目瞭然なのですが、言葉ではなかなか説明しずらいですね。
王政復古の時代のこうした金細工のジュエリーはなんと言っても数が少なく、本以外では中々出てこないので、また資料を探してもうちょっと深くこの2つの時代の金細工の違いについて、解説したいと思います!
2015.06.08 (Mon)
アンティークロイヤルブルーサファイヤリング(ダイヤモンド、三つ葉、18金)
雨は大変ですが、嫌いではないです!
アジサイも綺麗ですしね、皆様はいかがでしょうか?
昨晩遅くに目の覚めるようなブルーサファイヤの指輪をアップしました。
色石の中でもブルーサファイヤとルビーは近年、良いクオリティーのアンティークジュエリーを見つけるのが、大げさな話買い付けに幾たびに難しくなっていると感じる宝石です。
実際とても久しぶりにブルーサファイヤの指輪のご紹介になります。
ロイヤルブルーの鮮やかなブルーサファイヤ。
超大粒ではございませんが、直径5ミリほど。
大人の女性も満足できるボリュームです。


ブルーサファイヤを上手に付ける女性といえば、近年で言えば英国のキャサリン妃のイメージが近年では私は強いです。
故ダイアナ妃の指輪であったブルーサファイヤの指輪を、ウィリアム王子が贈られていましたね。
キャサリン妃はブルーのドレスなどをよくお召しになっていますし、イメージにもブルーサファイヤはとてもよく合ってらっしゃいますね。
日本女性も紺やブルーのお洋服はいくつになっても着る色ですね。
私は以前はよく黒を着るのが好きだったのですが、年齢があがってきたせいか、黒ですと肌が沈みすぎてしまって、紺やブルーを選ぶことが多くなりました。
良い明るいブルーのサファイヤがあったら、やはり重宝です。
よろしかったら是非ご覧ください!
2015.06.07 (Sun)
アールヌーボー女性像の指輪(自然主義、1890-1900年頃)
女性の顔を、ゴールドだけで描いた指輪です。

こちらの女性の表情がとても綺麗です!
世の中では、この手の「アールヌーボーの女性のリング」は何でもかんでも「表情が綺麗」と説明されていますが、私からすると「実はそうでもないよな・・・」と思うものも多いです。
しかしこちらの指輪の女性の表情は本当に柔らかく、そして美しいです(少なくとも、心より私はそう思います!)。
アンティークジュエリーにしても現行のジュエリーでも、売る側の立場の人はとにかく自分の商品を褒めますね(笑)
しかしそれが本当に美しいか、ご自身の尺度や感性を研ぎ澄まして考えてみるのは有効なことだと思います。
アールヌーボーのジュエリーそのものについても、エピソードの欄で色々追記をさせていただきました。
少し長いですが・・・お読みいただけましたら嬉しいです。
アールヌーボーのアンティークジュエリー
そのスピリットが、ただなだらかな曲線や自然主義、ただ綺麗なものを描きたかっただけではないということを、ぜひ知っていただきたいなと思ったからです。
19世紀末のフランスの退廃感、近代都市として石畳の綺麗な町並みが整い始めたパリの夜、その妖しい美しさ、耽美的なものの考え方。
戦争のない時代がつづきた(ベルエポック時代)、しかし世紀末ならではの終末思想や不吉な予感も蔓延していたパリ。
こうした空気感をジュエリーから感じることができたら・・・それはまたアンティークジュエリーの魅力の一つですね。
アールヌーボーのジュエリーはこれまでシェルシュミディでも沢山ご紹介してまいりましたが、一つ既に販売済みなのですが最近HPに追加したジュエリーがあるので、この場でご紹介いたします。
こちらは先行案内→それに続く東京でのオープンサロンと言う流れで数年前に販売済みのものなのですが、まさにアールヌーボーのスピリット(特にジャポニズムの影響)を強く感じさせるアーティスティックな作品でした。

2015.05.31 (Sun)
四つ葉のダッチローズカットダイヤモンドリング(18金ゴールド)
ダイヤモンドがダッチローズカットで、ふっくらとお山のように盛り上がった立体的なカッティングの美しいダイヤモンドでした。

あっという間に完売してしまいまして、ブログをアップするのも失念してしまっていたのですが、よろしかったら是非ご覧になられてください。
ダイヤモンドをさりげなく四つ葉に並べただけのように見えますが、そのふっくらとしたダイヤモンドや台座下の透かしなど、全てがグッドバランスでコロンとした愛らしい指輪でした。
なじみのディーラーさんのところで紹介してもらったこちらの指輪、彼女も私好みであろうと、しばらく前から取っておいてくれたのだそうです。
こういう指輪、ありそうでなかなかないのですが、今後も頑張って探してまいりますね。
よろしくお付き合いください。
2015.05.26 (Tue)
18世紀アンティークダイヤモンドピアス(葡萄、ローズカット、オリジナルボックス付き)

葡萄の形をした、そしてよく見るとその中に「お花」が描かれたピアス。
長年懇意にしているディーラーさんの元で拝見したときに、そのダイヤモンドの美しさにも心惹かれるものがありました。
留め具部分のダイヤモンドまで美しい!

ピアスですがペンダントにもなりそうです。

18世紀のジュエリーの中でもひときわ見つけにくい18世紀のピアス。
本日、18世紀のジュエリーについてのコラムも色々更新をしましたので是非ご拝読ください。
「18世紀アンティークジュエリーの特徴と魅力」と言うコラムでは特に18世紀のピアスの実例をご紹介させていただきました。
18世紀アンティークジュエリーの特徴と魅力
調べ物&書き物dayでぐったりしております!
18世紀ジュエリーの魅力を感じていただけましたら嬉しいです。
2015.05.24 (Sun)
アンティーク天然真珠リング(ブルーグレイ、ダイヤモンド、スクエア)
ずっとこのままだったらいいですが、四季の豊かさは人生を豊かにしてくれているのかもしれません。
先日、天然真珠の美しい指輪をアップしました。

当店は真珠のジュエリーの仕入れに関しましてはかなりのこだわりがございます。
色々文献を読んだりもするのですが、アンティークパールの世界は知れば知るほど奥深く、いつになったら探求が終わるのでしょう!?
真珠は一般的にはオフホワイトが、ダイヤモンドは無色透明が良いとされていますね。
例えば1750年の文献にすでに下記のような記載がございます。
their complexion must be milk white, not of a dead and lifeless, but of a clear and lively hue, free from stains, fouls, spots, specks, or roughness; such are of the higest esteem and value
David Jeffries "A treatise on diamonds and pearls"より
しかしもちろんダイヤモンドも真珠も「綺麗なカラー」であれば、その色が珍しければ珍しいほど希少性を持ちます。
現代では共に色々な人口処理が可能なのですが、アンティークの無加工の石で、天然のままで美しい色であればなお更です。
今回ご紹介した指輪は、真珠がほのかにブルーを帯びたグレイッシュカラーの真珠です。
ぷっくりとしたフォルムと石の中心から放たれる艶、神秘的な色の真珠です。
ダイヤモンドもラフなカッティングのローズカットですが、透明感があり、共に宝石の凛とした美しさが感じられます。
アンティークの真珠のジュエリーは1900年以降のものが多いのですが、時代を遡れば遡るほど、石そのものに神秘が漂うような気がします。
当店は今、久しぶりに天然真珠のジュエリーが充実しています。
前回の仕入れで、真珠は幸運に恵まれました。
しかしアンティーク市場で、天然真珠のジュエリーは年を追うごとに良質なものに出会うことが減ってきています。
ぜひ色々選べるうちに、チェックなさってくださいね。
2015.05.18 (Mon)
7色のプリカジュールエナメルのアンティークペンダント(ステンドグラス)
私がもう一人欲しいような欲しくないような・・・。
さて本日「7色のプリカジュールエナメルのアンティークペンダント(ステンドグラス)」をアップいたしました。
*そして既に完売いたいました、有難うございます。

精緻なアンティークエナメルの中でももっとも高度でそして美しいといわれているプリカジュールエナメルの技法が用いられています。
プリカジュールとはフランス語の「Plique-a-jour」から来ています。
通常のエナメルのように七宝(エナメル)の裏面に基盤としての金属の下地がなく、金属枠のみによってエナメルを支える至難のエナメル技法です。
ステンドグラスと同じ状態で光線を通しますから、特に光にかざした時に美しく見えるジュエリーです。
この光にかざした状態のお写真や動画を撮りたくて、ここ数日悪戦苦闘をしておりましたが、これがなかなか難しかったです。
このプリカジュールエナメルは、かのルネラリックが得意とした技法です。
ルネラリックと言いますと皆様、アールデコの香水ビンのイメージが強いかもしれませんが、ルネラリックはその職業人生の前半はアールヌーボーのジュエラーとして活躍。
そして後半を今度はアールデコのガラス工芸家として活躍したという、まさに日の目を二度みた稀有な人生を歩んだアーティストです。
ルネラリックをアールヌーボーの著名なジュエラーとしてスターダムに押し上げたのが、このプリカジュールのエナメル技法でした。
ルネラリックは数々のプリカジュールエナメルの優れたジュエリーを残していますが、下記はエピソードの欄にも掲載しましたパンジーのブローチです。
ガラス、エナメル、ブルーサファイヤで描かれたパンジーのブローチ、アメリカのウォルターズ美術館所蔵です。
こちらは同系色の色の妙が感じられる作品です。

プリカジュールエナメルは非常に難しい技術でしたから、使われる色は1-2色のグラデーションであることが多く、今回のペンダントのように7つものカラーを施したプリカジュールエナメルは非常に珍しいものです。
下記は以前に当店で販売しましたプリカジュールエナメルのペンダント、やはり同系色の色でまとまった作品です。
プリカジュールのアンティークジュエリーで比較的よく見られる色彩です。

今回のペンダントは栞のように薄く(こうした栞のように薄いペンダントは、やはりアールヌーボー期に作られたジュエリーの一つです)、そして両面にほぼ同じパターンのエナメルが施されています。
エナメルだけでなく、金細工の繊細さも美しい作品でした。
優れたアンティークエナメルのジュエリーは、それこそ現代では絶対に再現不可能。
ロマンを感じるアンティークジュエリーですね。
2015.05.11 (Mon)
アンティーク天然パールリング(クロスオーバー、ローズカットダイヤモンド)

清楚で美しい天然パールとローズカットダイヤモンドのクロスオーバーリング。
フレンチらしい上品なリングです。
ぱっと見たときは、パールがほぼ真円のように見えると思うのですが、実はよく見ると違うのですよ。
写真は静止した状態ですので、分りやすいですね。
実物はセッティングの妙でもっと真円に見えますので、写真と実物を見比べることで、より一層セッティングの妙を感じました。
天然真珠と言えば、当店のお客様より先日興味深い本をご紹介いただきました。
「the book of pearl」と言う英語の本になります。
ジョージ・フレデリック・クンツさんという著名な鉱物学者(ティファニー社に勤務されていた)が書かれた真珠に関する専門書です。

残念ながら、こちら英語版しか存在せず、しかもkindleなどのオンライン書籍でしか読めないのが残念です。
私も英語の場合(難易度があがりますので)、やはり長くなりますとペーパーブックでないと読みにくいのですよね・・・。
今度イギリスに行ったときにでも買いたいと思っております。
でもオンライン書籍でも十分に読む価値はありそう、少し読み進めてみましたが非常に面白いです。
アンティークジュエリーはジュエリーを購入したり眺めたりと言った楽しみはもちろん、本などを読んだりして、あるいは美術館などを訪れて楽しめるところも良いですね。
本日アップしました指輪の話から少し脱線しましたが、アンティーク真珠についての文献は国内ではほとんどありませんから、上記の本はお薦めです!
2015.05.07 (Thu)
アンティークローズカットダイヤモンドピアス(星と花、金細工、ローズゴールド)
本日「アンティークローズカットダイヤモンドピアス(星と花、金細工、ローズゴールド)」をアップ致しました。

シェルシュミディでご紹介するアンティークピアスは20世紀初頭のジュエリーが多いのですが、こちらはその一時代前、1890年頃の作品です。
ポエティックで温かみのある作風、ローズカットダイヤモンドは20世紀以降もなくなったわけではないのですが、やはりこの時代のローズカットは20世紀以降のローズカットと少し異なりますね。
写真はアップして撮っておりますが、金細工の細かさがお分かりいただけますでしょうか。
こちらのピアス、外枠はお花の形をしていますが、ダイヤモンドの台座部分が星(エトワール)です。
エトワールをモチーフにしたジュエリーは、19世紀後期以降も20世紀初頭-アールデコ期に秀でたジュエリーが作られるのですが、それはおそらく1910年に地球に接近したハレー彗星が影響していると思います。
当時、ハレー彗星はヨーロッパで大きな話題になりました。

星をモチーフにしたジュエリーには、他のジュエリーにはないロマンを感じますね。
2015.04.29 (Wed)
カリブレカットルビーのアールデコ指輪(ダイヤモンド、1920年代)

「カリブレカット」、アンティークジュエリーの本などを読んでいると時々出てくる言葉ですね。
カッティング技法と思われている方もいらっしゃるようですが、これは宝石のセッティング(石留め)をあらわす言葉です。
フランス語でCalibre cut(カリブレカット)。
石を留めるのに爪を使わずに、石の両側の縁をわずかに倒して留めます。
「爪を使わず」にと言うところがポイントです。
アンティークジュエリーにおいて長年「宝石を留める爪」は一つの大きな制約でした。
(むしろその手を装飾的にうまく活かしているケースも多々ありますが・・・)
20世紀に入り宝飾技術のレベルが高くなり、ハイクラスのジュエリーを中心に叶えられたのがこのカリブレカット。
小さな石を連続してラインを作る時、爪がないことで宝石がすっきりとして見えます。
そしてまるでデッサンに描いたようなジュエリーデザインを体現することが可能になったのです。
カリブレカットはは以下のようなアンティークジュエリーに見られることが多いです。
・アールデコ期のハイジュエリー
・この時代の同じ色の同じ形の連続する石を留める時。
・アクセントカラーとなる色石の石留め(主にルビーとブルーサファイヤ)
です。
今回ご紹介しました
*「中央のメイン石」の周りにカリブレカットのルビー(あるいはサファイヤ)を配した指輪」はアールデコのジュエリーで好まれた一つのデザインです。
*中央のメイン石はほぼ100%ダイヤモンドであることが多いのですが、稀に下記のような例外もあります。
こちらはメイン石がアクアマリン(当店にて販売済み)。

またカリブレカットは指輪に限りません。
例えば下記のようなブローチ(当店にて販売済み)。

ネックレス(当店にて販売済み)。

そしてアールデコより少し後年の下記のようなゴージャスなカクテルウォッチ(当店にて販売済み)でも用いられることがありました。

カリブレカットが用いられたアンティークジュエリーは1920-30年のアールデコのジュエリーに最も多いのですが、その前後20世紀初頭から1940年頃までのハイクラスのジュエリー及び高級時計に見られます!
2015.04.24 (Fri)
アールヌーヴォー、バタフライのブローチ(蝶、ガラスペースト、天然真珠)
バタフライ(蝶)をモチーフにしたアンティークジュエリーは19世紀後期、特に19世紀末にアールヌーボー様式の影響を受けてヨーロッパで絶大な人気を誇ります。

↑
色とりどりの石はペーストガラス。
そしてその背景にはぎっしりと天然真珠がセットされています。
真珠は台座に埋め込まれるように深くセットされているので、私は最初見たときにそこまで真珠に目がいかなかったのですが、見れば見るほどこの「天然真珠xペーストガラス」の色の組み合わせに吸い込まれていきます。
ペーストはピンク、ミドリ、青、ブルー。
ペリドット、ピンクトパーズ、ブルーサファイア、ガーネットを連想させます。
ペーストガラスは私は、個人的にもとても魅力を感じる素材なのですが、皆様はいかがでしょう?
こうしたペーストは単にガラスをそのままセットしたのではなく、ガラスを一度粉砕し、高温で練り直しています。
私たちの日常生活で目にするいわゆる「ガラス」と成分としては同じですが、風合いが異なるのはそのためです
当時、巨匠と呼ばれるジュエラーも蝶にインスピレーションを受けて、アールヌーボージュエリーの傑作を残しています。
エピソードの欄にはジョルジュフーケやルシアン・ゴートレが当時、製作したまさに歴史的なジュエリーもご紹介しましたのでぜひご参照ください。
宝石の美しさだけでなく、その構図が他のどの時代にもない特別で独創的であることを感じていただけることでしょう。
また下記は当店で保有している、他のバタフライのアンティークジュエリーです。

↑
特にこちらのペンダントはなぜまだ売り切れていないのだろう?と本当に不思議に思うジュエリーです。
美しいシルエットはもちろんのこと、ハイクオリティーのダイヤモンドが贅沢に使われているジュエリーです。
特に中心のローズカットダイヤモンドの美しさは、厚みもありカッティングも完璧で、アンティークジュエリーと言えどもここまで存在感のあるローズカットダイヤモンドは滅多に見ることがありません。

↑
こちらは何とオリジナルのチェーンが付いており、オープンワークの美しい蝶(バタフライ)です。
この時代のジュエリーは、空間の取り方が独創的で面白いジュエリーが多いです。こうした曲線が入り組んだオープンワークは言うまでもなく、高度な宝飾技術を要します。
美しい蝶の世界、是非ご堪能ください。
2015.04.18 (Sat)
アンティークフルールドリス指輪(カボションカットオパール、ダイヤモンド、18カラットゴールド)

フルールドリスをモチーフにしたアンティークジュエリーは数としてはとても少なく、私も片手で数えるしかでったことがありません。
フルールドリスはそれ自体が「様式化されたデザイン」ですので、ジュエリーになったときの形にもバリエーションがあります。
またエピソードの欄にも書きましたが、フランスの歴史の中でフルールドリスは「秘められた信条を示す」部分もあったようで、そのせいか部分的に用いられていたりして、そうした訳ですぐに気づかないものもあったりしてそれがまた面白いところです。
下記は当店で販売済みのやはりフルールドリスのブローチですが、この形が一番オーソドックスで分かりやすいですね。

一方下記のゴージャスな指輪もやはりフルールドリスをモチーフにしていますん。
必ずしもまったく同じデザインでないところが面白いところです。
フルールドリス自体、代表的なものでさえいくつもパターンあり、こうしたバリエーションの違いも面白いです。

今回の指輪はベルエポック時代らしい、洗練されたフルールドリスが魅力的です。
そして何といっても宝石が綺麗。
オパールは特別大きくはないのですが、下のほうからピンクの色がぐぐっと挿すのが、写真でもお分かりになるのではないでしょうか?
オパールの色の多様さを写真でさえ、はっきり捕らえることが出来るのは珍しいです。
もちろん実物はもっと美しいです

2015.04.13 (Mon)
アンティーク天然真珠指輪(三つ葉のクロスオーバーリング、トワエモワ)

幸運と言うと日本では四つ葉のイメージが強いことと思いますが、西欧では三つ葉も幸せの象徴とされてきました。
アンティークジュエリーで、三つ葉は四つ葉以上に度々ジュエリーのモチーフになってきました。
古来より守護の力を持つと信じられてきたとか。
本日アップしました指輪では、三つ葉の葉が全て真珠で構成されています。
そして三つ葉の葉っぱが一枚ずつ異なるように、天然真珠なのでそれぞれまったく形や色艶が同一ではありません。
養殖真珠が溢れ、人工的にお化粧された宝石に溢れる現代では、このようなジュエリーを作ること自体もう不可能で、
どこか牧歌的な古きよき時代を感じさせる作品です。
是非ご覧になられてください。
「ふー、大変だー」と思ったときに、この愛らしい指輪が手元にあったら、ほっと出来るのではないでしょうか?
女性の人生は普通に過ごしているだけで、どこか垢のようなものがたまるものだと思うのです。
物理的な意味ではなく、時にスペシャル大変なことがあったわけではありませんが、時にはふっと一息つきたいですよね、わたしたち

2015.04.09 (Thu)
アンティークガーネットネックレス(19世紀フランス、ワイルドロースの花、ポンポン)
先ほどHPにアンティークガーネットネックレス(19世紀フランス、ワイルドロースの花、ポンポン)をアップしました。

数時間で完売いたしましたが(有難うございます!)確かにあまり見ない構図のジュエリーで、またガーネットの色がとても綺麗でした。
フランスのアンティークジュエリーで使われるガーネットの色は、イギリスのアンティークジュエリーで見るガーネットより、明るく美しいものが多いです。
よろしかったら是非ご覧ください。
2015.04.06 (Mon)
アンティークジェットピアス(星の彫り、大粒、18金)

写真では大きさの比較が分かりずらいかもしれませんが、これまでご紹介してきましたアンティークジェットのピアスの中で群を抜いて大粒です。
フランスでよく見つかるこの手のアンティークピアスはこの半分ぐらいのジェットが多いのです。
黒は意外に顔周りに効くジュエリーで、特にジェットの黒はマットな黒なので上品に顔周りが引き締まります。
「黒のピアス?」なんて思われるかもしれませんが、これまでたくさんジェットのピアスは販売してきましたが、皆様思っていた以上に重宝するとおっしゃってくださいます☆
あわせてエピソード欄にもアンティークジェットのジュエリーや当時のモーニングジュエリー(喪のジュエリー)についても書かせていただきました。
アンティークジェットとモーニングジュエリーについて
是非ご参考ください!
お気づき下さっているお客様もいらっしゃると思いますが、最近エピソードの欄を刷新しています。
以前より内容を絞込み、それぞれのテーマをもっと詳しく進化した内容にしています。
もともとアンティークエピソードを書き始めた当初はもっと気軽にアンティークになじんで欲しいと言う想いで、「初心者向けの内容で短い時間で読みきれるもの」といったコンセプトで書いてきましたが、最近お客様とお話するにつれ皆様のアンティークジュエリーに対する知識が豊富なので、もうちょっと進化させて深く掘り起こしたほうがご満足いただけるのかなと思った次第です。
是非またお時間のある時でも覗いてやってください。
ご感想等もいつでもお待ちしております。
2015.04.03 (Fri)
アンティークダイヤモンド胸飾り(ペンダント、19世紀初頭、ワイルドローズ)

年代としましては一応19世紀にはいっていますが、そのデザインやスタイルは完全に18世紀のものです。
19世紀初頭の王政復古時代のジュエリーには、前世紀のブルボン王朝のジュエリースタイルのジュエリーが愛されたということもあり、かなり類似した作品が見られます。
じゃ、18世紀のジュエリーの特徴っていったい何ぞや?と思いますね。
考えましたら改めてまとめて書いたことはなかったように思います。
とういことで下記に改めさせていただきました。
18世紀のアンティークジュエリーについて
アンティークジュエリーを1つの時代に区切って、その時代の装飾様式や宝石の特徴、宝石のカッティングやジュエリーデザインについて書いたことはあまりなかったように思います。
こうしてまとめて見ますと特徴が分かりやすいですね。
是非ご参考ください。