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2023.06.06 (Tue)

買い付け日記 「フランス愛を叫んで買い付け日記は完」

さてさて1週間ちょっとの買い付けも終わり、いよいよ帰路へ。

経費削減のため?RERという郊外電車で空港に向かおうとしたところ、大混雑で死にそうになりました。
死にそうになりながら「シャルルドゴール空港に到着した!」と思いましたが急遽電車が第一ターミナルまでの運行となり(←フランス、あるあるです!)、ターミナル2まで次の電車にのりかえてやっと到着。
と思いましたら、空港もカオスといえるほどの大混雑。


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出国手続きの大行列。
入国の時に混むのはは分かりますが、出国なんていつもガラガラなのに。

数年にわたるコロナ禍を経てフランスは(もちろん日本も世界も)大きく傷をつき、街には浮浪者も増えたように思います。
マクロン大統領の進める構造改革は猛反発を受けて、フランスのいろいろなインフラは昔以上に機能をしていない!
市民の足のバスが運転手が足りなくて全然バスが来ないとか、来年のオリンピックに向けて町中が工事だらけとか、空港の駐車場さえ工事中とか。



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左岸の中心部サンジェルマンのすぐ近く、オデオン界隈のレストラン通りだってこのありさま。

実際ディーラーさんたちも自分たちの国の文句を超高速で話すのに尽きません(^∇^)ノ



でも・・・でも・・・・。
なんかフランスって攻めなんですよね。
それでも変化していこうとするし、それで不都合が生じていても(文句は日本人の100倍ほど声高に叫ぶけど)、案外人にも社会にも寛容。
清濁併せ呑むこんだまま、いろいろなものを受け入れて突き進んでいこうとする。

もはやかつての美しいフランスはない!なんて思うかもしれないけれど、やはり工事中の裏は相変わらず美しパりの街並み。
ひとたび地方にいけば、時間が止まったかと思うほど変わらないその地方特有の建物があって歴史があって・・・。
そしてどこでも表情豊かに語らう人たち。


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私が帰国した後、お世話になっているディーラーさんが送ってくれた夜のフランスの田舎の風景。

日本はディフェンシブですよね。
日本の社会システムの方がずっとうまく機能しているけれど、私たちは保守的だし守りが堅いですよね。


どちらも良いなと最近思うけれど、これだけのカオスの中を変化しながら突き進んでいくフランスに行くとやはりパワーがもらえます。
そこら中、工事だらけで電車もとまりまくり。
ストライキもショートノーティスだし、物価高もすごいけど。
それでも好き! 
また来るよ~

以前はパリ・ロンドンを回ることが多かった買い付けですが、今の市場を考えるとフランスに集中した方が良い買い付けができるかなと思っています。

私もあと数年で50歳。
この年になり若いころに住んでいた「フランス愛」が一層増してきたように思います。
いまさらながらにフランスは深い。
前回今回とノルマンディーを訪れましたが、ほかのフランスの地方を含めて、2-3日フランスの地方を回る買い付けにしていこうかなと思っています。

改めて「フランス愛」を叫んだところで、今回の買い付け日記は「完」です。
09:56  |  買い付け日記  | 

2023.06.02 (Fri)

買い付け日記「結局のところ、買い付けはご縁」

買い付け日記もそろそろ終わりにしないと!
ノルマンディーから再びパリに戻り、そのままアポに直行。
私が多分、一番親しくしているディーラーさんに会います。


数年前まではここでおそらく一番量を仕入れていたのですが、残念ながらここ1-2年はぐっと私好みのものが少なくなり、アポも後半に入れるようになってきています。
栄枯盛衰、新しく出会うディーラーさんもいれば少しずつ取引量の減っていくディーラーさんもいます。


でも会うのはいつも楽しみですし、必ず挨拶も兼ねて伺います!

ところが・・・良いサプライズ!
前回、彼のところでは2点の小さなジュエリーしか見つけられなかったのですが、今回は私好みのものがかなりの数見つけることができました。
アンティークジュエリーは大量生産されたものではないので、タイミングもありますし、これだから必ず多くのディーラーさんと会わないといけないんですよね。

ガーネットのスタッドピアスやシトリンのピアス。
バロックパールのネックレス。
3つ石のダイヤモンドのリング。
ちょっと面白いバロックパールのゴールドリング。
プチマーキーズのリング。
天然真珠と両サイドダイヤモンドで囲ったリング。
貴重なホワイトゴールドのチェーン
等々



夕方からのアポだったので終わったのはもう夕飯時。
そこから戻り、早朝から夜遅くまで働いた一日でしたが、良い買い付けができてよかったです!

買い付けはあと1日を残すのみ。
翌日は、夕方アパルトマンを出て夜遅くの便で帰国だったので、この日のうちにある程度荷物のパッキングのめどをつける必要があります。
ということで重い腰を上げて、なんとかある程度安心できる程度にはまとめます。

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買い付けの間は忙しく町を歩き回いていますが、時々このような愛らしいショーウィンドーに気分があがります。
うさちゃんが乗った、左右のカラフルな棚(黄色とピンク)はカルテルというイタリアの家具メーカーのコンポニビリだと思います。
私はカルテルが好きで、家にもちょっとだけ集めているのです。


でもこのパステルカラーのコンポニビリは少なくとも日本ではないはず。
なので特注?あるいは色を塗ったのでしょうか?
可愛い~と悶絶していました。
21:51  |  買い付け日記  | 

2023.05.31 (Wed)

買い付け日記「ノルマンディーとゴシック建築」

ユーロスターのストライキによりロンドン行きが挫折した翌日の朝。
今度はパリのサン・ラザール駅へ。
ここからノルマンディー地方へ向かう長距離電車にのります。


ノルマンディー地方の主要都市であるルーアンは、実は私がかれこれ26-27年ほど前に初めて訪れたフランスの町です。

当時、大学でフランス語を勉強していた私は、夏の語学留学でこの街を訪れたのです。
当時、「星空とともにパリへ」といったような←うるおぼえですが・・・
スローガンで早朝の4:30ぐらいにパリに着くエールフランスの飛行機があったんですよ。
そんな超早朝便でサン・ラザール駅にぽつねんと不安を抱えて大きなスーツケースを持って佇んでいた私です。
そんな若き日の自分に、「25年以上の時を経てそこに仕事で行くんだよ!」と教えてあげたいです。
当時と違い、今はアプリで電車の切符を買い乗り込みます。

この地方に私がお世話になっている大ディーラーさんがいます。
某フランスの有名女優も顧客のご年配のディーラー(=゚ω゚)ノ
大きな非常にハイクラスのジュエリーがメインの取り扱いですが、どうしても小さなジュエリーも入ってくるもの。
お金のために働く必要は全くない方ですが、いくつになってもそのような小さいけれどデリケートでセンスのあるものも私が脱帽するぐらい足を使って熱心に探し回っています。
本当にこの仕事が好きなんですよね・・・


電車から降りるなりパリとは異なる空気感。
当時3週間もいた町で、パリとは違い町も本当に変わらないので大体の土地勘があります。
前回の買い付けでもこの町にきましたが、最近はこの街に戻ってくるのが昔の思い出もよみがえり本当に楽しみです!

美しいゴシック建築の建物の宝庫。
今日パリは美しいものだけではないような気がしますが(←町中にスターバックスがあったり・・・)、ノルマンディー地方はどこを撮影しても美しい!

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ゴシック後期のフランボワイヤン様式と呼ばれる特徴的な建築です。

アンティークジュエリーの仕事の魅力の一つは、ジュエリーにとどまらず西欧の文化全般について様々な興味がかきたてらえることです。
帰国してから西欧建築の本を読んでます。
なぜかロマネスク様式から・・・

そして買い付けが始まります。
アールデコの繊細さのある、ハイクラスのネックレスや真珠のドルムーズピアス。
ちょっと面白い馬のホイッスルのペンダント(それは色の良いエメラルドが入っています)
少しローズを帯びた18カラットゴールドのロングチェーン、
三つ葉のオパールのリング
アールヌーボーのダイヤモンドのリング

等々。
他と被らないグッドセンスのアンティークジュエリーをいくつか仕入れました。
<続く>
22:18  |  買い付け日記  | 

2023.05.27 (Sat)

買い付け日記「突然始まったストライキ! ユーロスター」

今回は基本的にずっとフランスですが、一日だけロンドンに日帰りで行く予定にしていました。
ロンドン市内のアンティークフェアを訪れる予定でした。
朝イチのユーロスターにのれば時差で一時間遅いロンドンのフェア会場にぎりぎり時間通りに着き、夜遅く帰ってくればパリに荷物を置いたまま気軽に行ける!と思ったのです。
通貨等を入れ替えてハンドバッグのみでいざ出発!


早朝アパルトマンを出て、その日使う地下鉄は運行止めだったので違う路線で行き方で何とかパリの北駅へ。
この辺りは治安が良くないのでとりわけ早い時間はちょっと怖いです・・・

地理的にはまだパリですが、ここで「フランスからの出国」「イギリスの入国」を済ませます。
つまり書類上はすでにイギリスにいることになるのです・・・
すごいことだよなぁ・・・日本人は自動ゲートに対応しているため悪名高いイギリスの入国審査官にあれこれ言われることもなくなりスムーズに手続きが終わりホッと一息。

ロンドン在住のディーラーさんとも会う約束をしていたのでその方に連絡をしたり、FBをアップしたりしていました・・・・ところが・・・なんかアナウンスがうるさい。
しかも何度も何度も・・・流れてくる。
耳を澄ませると・・・


「ユーロスター職員のストライキが(たった今)始まりました!
本日のユーロスターの運行には遅れや運休が発生する恐れがあります。」


えー、たった今はじまったみたいな。できたてのほやほやみたいなストライキ!
あと30分ほどで出発時刻なのでほとんどすべての人がもう乗るばかりになっています。
フェアは1日だけなので遅れるとどんどんと行く意味がなくなっていくので、ハラハラして待っていました。
「行けたとしてもフランスにその日の間に戻れなくなったらどうしよう」といろいろなことが頭を駆け巡ります。
何せハンドバッグ一つ。
そして次の日はまた遠出の予定で、パリではない地方の町でもっと大事なアポがはいっているのです。

最初30分遅れると言われたのでそれならまだ許容範囲かと、ユーロスターの座席に座ったのですが…それからまた15分ほど待っても出発しない…
電車は超満員、みんな今かと電車が出発するのを疑っていません。

でも・・・なんか嫌な予感。
近くのスタッフに相談したら、「実のところ1時間は軽く遅れそう!急遽予定していない駅にも止まることになったんだよね。そこでもまた待つことになるから。最終的な遅れは僕たちにもわからないんだよね」
とあっさり言われました。
1時間以上遅れると仕事的に意味なくなってくるので、そして戻れなくなると次の日の仕事のほうが大事だったので潔くキャンセルしました。
これが大正解で、実はその後その電車は丸ごとキャンセルされたことを、知りました。
ありえない~!!!!


私はまだキャンセルする人がほとんどいなかったので並ばず入国履歴を取り消してもらい(地理的にはパリ駅ですが、前述したようにユーロスターはチェックインの時点ですでにイギリスの入国手続きが済んでしまっているため)。
「お気の毒に~ごめんね」みたいな感じでかなり優遇されて税関のスタッフとユーロスターのスタッフに誘導されて出ることができたのですが。
←当初返金不可と言われた運賃もすぐに返してもらえました!

その後のはちゃめちゃの混乱を想像すると、駅の中は恐ろしい混乱です!!

少なくとも午前発の電車ほとんどがキャンセルされてたので、新たに当日中の切符を取れた人はほとんどいません。
つまりあの時、私と同じ電車にのって出発を待っていた1000人ほどの人が「フランス出国とイギリス入国の手続き」を取り消さないと外にだってでれないのです。

改めて恐るべしフランス!!
いい加減にしてほしい。
でも早めの決断をした自分は褒めてあげたいです。


その後、パリ市内の小規模なマーケットを2つほど回り、そこでまた新たな出会いが・・・
その日は比較的ゆっくり休み所用を済ませ、次の日はやはり朝早くフランス北部に向かう電車にのらなければならなかったのでさすがにゆっくりめに過ごしました。

とある街中のマーケットをふらふらしていたら、演劇団がコスチュームを着てチラシを配っているのに遭遇!
フランスらしい光景です。

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ロンドンは今、ブレクジットもあり大陸からのものが(税関の問題が大きいです)入らなくなり、もともと値段はフランスより高めなのですがさらに物量が減り、マーケットとしてかなり死んでいるそうなので。
行こうかどうかちょっと迷っていたのです。
その分の予算を、最終日にこの日のご縁で会えた若いディーラーさんに使えたので良しとします!

イギリスはイギリスならではのアンティーク、特にムーンストーンなどのジュエリーはイギリスならではなので魅力もあるのですが・・・
ジョージアンの美しい金細工のジュエリーなどはもう枯渇状態ですし・・・
今回のこともあり、今後も市場価格の高いロンドンに行くより、むしろフランスの地方をもっと攻めようかなと考えています。
21:30  |  買い付け日記  | 

2023.05.26 (Fri)

買い付け日記「奇跡のメダル教会と祈り」

買い付けも中盤に近づいてきたある日の朝。
時差ぼけのせいで朝はかなり早く目覚めてしまいますが、その日のアポは10:30から。
アパルトマンの近くを少しぶらぶらしました。

こちらが店名の由来となっているシェルシュミディ通り。

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近くのホテル「LUTETIA」はパリを代表するアールデコ建築。

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ぶらぶらしているうちに、そうだこのまま「ボンマルシェ(世界最古の百貨店)」の食品館に行こうと足を延ばすことに。
食品館は8:30から空いているのです。
その食品館が開くのにもまだ少し時間があるなぁ・・・とそうだ、この近くに「奇跡のメダル教会」があったと思いだし足を延ばしました。

ちょうどミサが始まる前で、いつも以上に厳かな雰囲気の教会。
パリ左岸の中心部にありながら静寂に包まれたこの教会。
日本でもメダルが人気だそうでご存知の方も多いことでしょう。

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前日に会ったディーラーさんも「私、日曜日は必ず教会にいって祈るんだよ。」
という話を聞き、

知的で現代的で、(詳しくは書けませんが)伝統的なキリスト教会のタブーをいろいろな意味で破っている彼女が、祈り許しを請うているということに良い意味で衝撃を受けました。

最近、祈ること、人が許しを請うことについていろいろと思うところがあるのです。


私はクリスチャンではありませんが、この教会の懐の深いそして魂が研ぎ澄まされるような空間に私も思わず祈っていました。
これまで犯罪のような大きな悪いことをしたことはないですが、それでも日々の中で悔やむことはたくさんあります。
この年になってきたからか、「祈る、許されたい」という気持ちが少しわかるような気がするのです。

この仕事をしているとアンティークジュエリーでキリスト教関連のものを見る機会も多いです。
日本は大半がキリスト教徒ではないので買い付けることは少ないのですが・・・
今回もユグノー教徒のクロス(十字架)など珍しいものを面白いなと思ってみていました。
ユグノー教徒の多くはナントの勅令でフランスを逃れます。
そして面白いことにユグノー教徒には実はジュエリー職人が多く含まれていました。
その末裔が実はロシアの鬼才、ファベルジェです。


仕事があるのでそんなにゆっくりできず束の間の時間ですが、その後気持ちもすっきりしてアポに向かいました!


09:15  |  買い付け日記  | 

2023.05.23 (Tue)

買い付け日記「250グラムのステーキ」

現地に着いてから2-4日目が一番買い付けで忙しく、ボリューム多くジュエリーを仕入れます。
2日目の午後は、私が親しくしている女性ディーラーさんとアポが入っていました。
彼女は比較的小ぶりなジュエリーを数多く持っています。

小ぶりで状態の良いアンティークジュエリーは現地においても、実は多くはありません。
ピアスのばねがダメになっていたり、石の状態が悪かったり・・・
むしろ小ぶりなジュエリーだからこそ、色々な問題のあるジュエリーも多いです。

彼女は一言でいうと足で稼ぐ人。
私もびっくりするほど働き者です。
知識がしっかりしていて、状態も良いです。
ものすごく大きなジュエリーを買うことは少ないですが、シェルシュミディのメインのターゲットのものを多くもってらっしゃて、値段も良心的。
いつも早めに会うようにしています。

今回もゴールドドルムーズピアス、クレオールピアス、天使のメダル、三つ葉などのチャームペンダント、ダイヤモンドの(大きすぎない)リング等々。
小さな宝物が集まり、ほっこりしました。


さて午前も午後も多くのディーラーさんに会った買い付け2日目。
夕方は前述のディーラーさんと夕飯を食べる約束をしていたので、お互いラッシュで家で帰り約束していたレストランへ。


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伝統的なフランス料理のお店で、何とか訪れているお決まりのお店。
いつも必ずステーキを頂いているのですが・・・・250グラムと大きなステーキ。
前はなんともなく食べれていたのですがやはり年をとったのか・・・
しっかり何杯かワインも頂き、デザートにクレームブリュレまで頂いたらすっかり胃もたれしました。
胃袋も、もう若くはないです(・Д・)ノ


今回、ここまでちゃんとした外食はこれだけ。
後は、ランチにあわててヴェトナム料理屋さんでフォーを駆けこんだりはしましたが・・・(アジア系は早いので時間がないときに便利です)。


08:52  |  買い付け日記  | 

2023.05.22 (Mon)

買い付け日記「中国人のマネーロンダリング!?」

さて今回の買い付けの間、多くのディーラーさんが口にしていた中国人問題!
もうこの数年、アンティークジュエリー市場は中国人が一番大きなバイイングパワーになっていますので、それで価格が高騰していてみんな困っているのですが。
実際にお金を落とすのは中国人ということが多いですから、現地のマーケットやディーラーさんは致し方なく付き合うしかほかないところもあります。
ちなみにこの数年はアメリカ人もかなり大きく力を取り戻していますので、今、アンティークジュエリーで大きなマーケット中国とアメリカです。

今回特に聞いたのは「キャッシュ買い!」
100万円以上を超えるようなもの(時には1000万円以上)も、すべてキャッシュ(現金)で買っていこうとするのそうです。
それも大量に、そして大勢の人数でやってくるそうです。
フランスは自由な国とのイメージとはうらはらに、社会的、経済的な規制が多い国です。
マネーロンダリング防止のため、外国人がキャッシュで買おうとすると一定額以上(確か1500ユーロ程度)以上になりますとパスポートの提示が必要です。
そして仮にパスポートを提示したとしても、ディーラーさんにとってキャッシュを受け入れる限界はあります。
というのも実際、彼れらも売却したお金で別のジュエリーを仕入れないといけませんが、今キャッシュを受け入れてくるところはとても少ないですし銀行にも嫌がられる。

でもなんでそんな高価なジュエリーやオブジェを多額の現金で買うのでしょうか?
中国人のマネーロンダリングでは?と言われています。
というのも紙幣としては小さく20ユーロのお札を、超大量!!!!といった感じの買い方だそうです。


そして・・・その中国人というの、最近はなぜかドイツから来るそうなのです。
フランスは法律が厳しいので…フランス在住というよりドイツに住んでいる学生!」なんだとか。
どんな学生なんでしょうね・・・・


先日、ベルギーでハイクラスはフェアがあったのですが、そこでも非常に高価なアンティークオブジェを中国人がやはり現金バイをしようとしたそうなのですね。
ですが売主のムッシューは「NON」といったそうなんです。
というのもあまりに高価なオブジェであったのと、とても良いものではあったそうなのでそれであればなおさら、面倒に巻き込まれるのはご免と思ったそうです。

私が初日に会ったディーラーさんも開口一番
「私、もう中国人は我慢ならない」と決めたわ。
と言っていました。
諸刃の矢といいますか、確かに大きなお金は動くのですがリスクも大きいのですよね。

例えば、ちょっと前までは中国人はアンティークサンゴをたくさん買っていました。
私の知りあいのイギリス人のディーラーさんもそれを見越して大量のアンティークサンゴを(主にフランスで)買い付けていたんですよね。
ただここの所急に規制が入ったらしく、パタっと中国人がサンゴを買わなくなったそう。


別の若手の男性ディーラーさんいわく「あと、2-3年でこのような中国人の大量買いは収まるんじゃない?」と言っていましたが、私はやはり中国人は裕福な人も貧しい人も何といっても人口が多いので、購買力はそう簡単に低下しないと思うんです。
ただ何かしらの規制(中国人学生のビザの厳格化ですとか。嗜好品の購入は禁止とかしてくれないかなぁ・・・)が入って、買えなくなるとかそうした「急激な変化」はありえるのかな?と思いました。
そうなってくれると少し落ち着いてありがたいんですけどね・・・


写真はそんなきな臭い話を忘れるような、通りがかったお花屋さん。
ちょうど母の日でした!

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07:32  |  買い付け日記  | 

2023.05.21 (Sun)

買い付け日記「オークショナーから直接ジュエリーを譲って頂く!」

買い付け2日目。
2-3日目が買い付けの山場であることが多く、終日特に大事なディーラーさんとのアポを入れています。

朝から2人のディーラーさんとアポをとっていて、彼女たちの事務所へと向かいます。
2人のタイプの異なるディーラーさんで、それぞれコレクションも異なるところが面白いです。

1人の方が割となんでもありのいろいろ混ざったジュエリーをお持ちの方。
もう1人の方が数は少ないけれどかなり私好みのジュエリーをお持ちの方。
どちらの方もアンティークフェアなどに参加せず、基本的に彼女たちの仕事はアンティークディーラーへ卸をする人なので、いいものが見つかれば値段はかなりリーズナブルであることが多いです。
外国人との取引もほぼないです。


一通りセレクションが終わり・・・ただ困ったことに持ち帰りたいジュエリーに刻印のないものがいくつかあります。
アンティークジュエリーはそもそも刻印が発展をしましたのは19世紀を通じてなので、刻印のないものも多いです。
もちろん私としては刻印が打たれているのにこしたことはないですが、そもそもアンティークジュエリーには刻印が打たれていないものも、指輪などで過去のサイズ直しで消えてしまっているものも多いので、日本で販売する分には特に問題ないです。

ただフランスは基本的に「性悪説」といいますが、ある程度重量のあるものは基本的に再コントロールをうけなくてはいけません(軽量のものは免除されます)。
この法律、以前はもうちょっと緩かったように思うのですが、近年一層きびしくなってるようです。
この場合、例えば18カラットゴールドですといわゆる「鷲の頭(イーグルズヘッド)」ではなく、再コントロール用の刻印を打たれることになります。
日本では刻印のないものも販売するのに差し支えないですが、フランスの税関は手ごわいので。
万が一フランスの税関などで止められた際に、すべて刻印が押されていて該当するインボイスがあれば没収されるといった最悪なことが起こらないというメリットもあります。

ちょっと重量のあるプラチナチェーンがあったので、やはり刻印があるに越したことはないね!という話になりました。
刻印の再コントロールは、通常3週間ほどかかるプロセスですが、近くにそれを早めて進めてくれる友人がいるので一緒にいこう!ということで訪れたのがとあるオークション会社。
そこのオークショナー(いわゆるハンマーをたたく人)が彼女たちの友人なのです。


雨の降る中一緒に向かいましたが、残念ながらその刻印の再コントロールが混んでいてとても数日のラインに押し込むことはできないとのこと、でも・・・・。
せっかく彼女(=私)は日本から来たわけだし・・・・「オークションに出してない小粒のアンティークジュエリーはないの?」という話になり・・・
それほどの量はないですが、数点ある!
ということで、なんと直接譲っていただきました。
オークションを通すと30%の手数料(売り方と買い方から両方)かかるのですが、もちろんそんなのもナシです。

時期によるけどアンティークジュエリーが入るときもあり、特にオークションにかけるほどでも・・・といったアンティークジュエリーも出てくるそうです。
コレクションでまとめてオークションにかけるので、大きいものも小さいものも混ざっていることが多いのです。
オークション会社はかなり大きな宝石のついているものなど、一つずつの価格帯が相当に高いものがメインの商材です。
次回以降もタイミングが合って、(一言でアンティークジュエリーといいましてもコンディションとか好みとかいろいろありますので何とも言えないですが)お互い色々合えば、また直接取引できるよ!とのこと。
今は品物薄で本当に仕入れが大変なので、それができるとなんともラッキー。
嬉しい出会いです。


写真は朝、アポに向かうときに見つけたオーガニックハンバーガー屋さん。
バーガーショップ(ハンバーガー)なのに、オーガニックってなんか面白いですね。
フランスはいろいろなBIO(オーガニック食事)やレストランの店が増えています。


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04:28  |  買い付け日記  | 

2023.05.20 (Sat)

買い付け日記 「いい男=みんなゲイ」説

買い付けスタート!ということで最初に訪れたのはエレガントなマダムのところです。
彼女とも話してたけど、「Tomokoと知り合ってもうどれぐらいになるかしら?最初に会ったのってどこだっけ?」
と話していました。
かれこれ取引を始めてもう15年ほどになると思います。

彼女は大きめのラグジュアリーなジュエリーが多いので、昨今の日本マーケットを考えますとたくさんは買えませんが、3点ほど素敵なリングを頂戴することにしました。
特にそのうちの一つはセイロン産のサファイヤのリング。
お気に入りです。

彼女も20世紀初頭の、1910年ころの繊細さと上質さを兼ねた都会的なアンティークジュエリーが好きなのでセンスが合うのです。

話している中で、近くでやはりアンティークジュエリーを扱うムッシューの話がでました。
私は2-3回しか取引をしたことのないムッシューで個人的なことはほとんど話さない方なので知らなかったのですが、「彼ももちろんゲイよ~~」と彼女。
そのしばらく後で、彼女のところにやはりふらりと男性ディーラー2人がきたのですが、「彼らね、明らかにゲイでしょ」とやはり彼らもゲイ。
彼女との共通した友人で私もここのところ大変お世話になっている大御所のおじいさんディーラーがゲイなのはもちろん公然の話。


私:「えー、みんなゲイじゃん!」
逆にだれかストレートの男性ディーラーっていたっけ?」

彼女:「うーん、思いつかない。私のお母さんは昔からあなたの業界では旦那さんは見つけられないねって、言ってたのよーーー」
「あっ、思い出した!23歳のW君、彼は確かストレート!」


・・・って。
そこまで(年齢が)下がらないと、ストレートの男性が存在しなこの業界。
特にフランスのアンティークジュエリー業界の男性はほぼゲイです。

しかもみんな物腰が柔らかくコミュニケーション能力も高い。
ユーモアがありおしゃれですし、人格的にも素敵です。
「良い男=みんなゲイ説」少なくともこの業界ではあたってるかも!?


写真は時差ボケで早く起きすぎてしまったある日の朝のサンミッシェル界隈。

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余談ですが・・・
実はマクロン大統領もゲイとフランスでは囁かれています。
12:13  |  買い付け日記  | 

2023.05.19 (Fri)

買い付け日記 「より早く!より強く!」

買い付け日記では、〇を買い付けた◇を買い付けたという詳細より、私が買い付けの間に感じたこと、今のフランスの社会のことについてつれぐれと(好き勝手に!?)書いていきたいと思います。

今回は夜便だったので朝の早い時間にパリ市内に到着した初日。
午後遅めの時間からアポを入れていたのですが、その前に一つ行かなければらならないところが・・・。
それはフランスの銀行です!

非居住者なので基本的に小切手やカルトブルー(CB)と呼ばれるフランスのデビットクレジットカードは持てないはずなのですが、フランスに住んでいた時の履歴、帰国してからも取引履歴が長かったために以前から許可をもらっております。
ジュエリーの仕入れは高価ですし、小切手での決済が便利です。
しかし!
今回渡仏前に荷物の準備をしていましたら、小切手帳の残数がとても少なくなっていることに気づきまして・・・
フランスから日本の自宅に送っていただくのは間に合わなそうだねということで、アポを取っていたのです。

銀行の担当者ともコロナ禍を挟み、数年ぶりの再会!
ここがフランスらしくないところなんですが、小切手なんのその…雑談で盛り上がってしまいました。
担当者のお子さんが高校生と中学生ということもあり、教育の話に。


これはその日の午後に訪れたソルボンヌ卒のディーラーさんもいっていたことですが、今フランスの大学のキャパシティーって需要においついていないそうです。
ひと昔のフランスは誰もが大学にいくわけではなくて、いわゆる専門学校とか手に職的な道をバカロレア(フランスの高校卒業資格試験)を取った後に選択する若者も多かったのですが、最近は大学志望が増えていて。
加えてフランスって大学はそのすべてが国立で(グランゼコールといわれるエリート高等教育は私立もあるのですが)、数は少ないんですよね。

日本は一流大学へいくために中学受験が増えてきていますが、フランスもやはりいい大学にいくためには昔と違って私立の高校とか家庭教師とかつける家庭が増えているのだとか。
またフランスでも近年「学力の低下」が叫ばれているそうで、それは基本的な学力の低下だけでなく目まぐるしく変わる実社会で適合して必要なスキルが大学で学びづらいといったこともあるようです。


「フランスというと=自由の国」というイメージがありますが、比較的先進的な教育で知られているのはヨーロッパでも北欧(フィンランド)とかオランダあたりです。
このあたりの比較的小さな西欧の国のほうが、新しい時代のニーズに合致したい教育をしているようで、フランスの教育は日本の教育と同じで割と古いです。


色んなジレンマにもがいているところ、過去になまじ成功してきて優れた文化を持つ。でも今はやや斜陽な国という点で、でフランスと日本の社会が抱える問題は本当に似ているなぁと思います。

銀行の担当者のお子さんは今、科目の選択の真っ最中で完全理系男子みたいで物理を取るらしいのですが、生物は取らないといっているそうで。
となるとやはり医学とか薬学の道は絶たれるのでそれで本当に良いのかな?とかお母さんとしては考えているようです。
やはり世の中の役にたってほしいし・・・でもデジタル化が進んでいるからやはり理系(特に物理は強いかな)とか・・・

フランスというと出産も無料(無痛分娩が標準)から大学も学費が無料!ということでとても優れたシステムを持っているように紹介されることが多いように思いますが、抱える悩みは近いものがありますね。


絶賛不人気のマクロン大統領。
命の危険も感じているとかでボディーガードの数がすごいそう。

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記事の見出しは

チャレンジ 
「産業(経済)、教育、住宅」
改革を~ より早く!より強く!





02:57  |  買い付け日記  | 

2023.05.18 (Thu)

買い付け日記「10年以上ぶり、東京からパリへ!」

コロナもようやく落ち着き、また時々お客様から「もう買い付け日記は書かないのですか?」とコメントを頂きまして、
楽しみにしてくださっていた方もいらっしゃるのだなと久しぶりに買い付けを振り返り書こうと思いました!

今回は久しぶりに東京羽田から出発です。
もともと東京出身なのですが、この10年家族の都合で京都と神戸。関西にいましたからずっと関空をつかっていたのです。
特に神戸からは車ですと1時間ほどだったのですが、電車は2時間かかり不便な場所だったので今回楽に感じました。
今、東京で住んでいるところから羽田まで電車で一時間弱。
色々な方法でいけるのもありがたいです。
神戸の時はコロナで、自分で空港まで運転して、帰りも時差ボケの中やはり高速を運転して帰るといったこともありましたので、それを考えると何とありがたいことでしょう!


宿は今回はパリ左岸。
といいましてもセーヌ川まで徒歩で数分。
サン・ミッシェルという、火災で焼けて今再建をしているノートルダム寺院の近くです。
今回はなんととんでもないアパルトマンにとまりました。
そんな素晴らしい場所にある80平米超えのアパルトマン(*゚Q゚*)


なんでそんなことになっているかといいますと・・・もともと8区の小さなアパルトマンを日系のエージェントを通して抑えていたんですね。
ところがフランス人の友人が「自分の所有している17区のマンション、今賃貸に出していないから使っていいよーーー(彼はゲイのエリート独身貴族)」といってくれてありがたくそこを使わせてもらおう!と思っていたんです。
→そこで一度、抑えていた8区のマンションをキャンセルしました。

ところがその後、日本に遊びにきていたそのフランス人の友達からコロナを私がもらってしまったのですね(3月末)。
誰かの家にお世話になるのはこのご時世、リスクがあるなぁと。
しかも彼は、頻繁にゲイバーに出入りしているし・・・
加えてフランスがかなりデモやストライキで大変なことになってきましたので、いざとなった時に取引先等に歩いていけるような中心部がよいかなと思いいたり、やはり中心部に自分でいつものようにアパルトマンを借りることにしました。


ところがそうこうしているうちに、前述の抑えていたアパルトマンは予約がはいってしまったとのこと。
新たにオペラ座近くのアパルトマンで今準備している20平米くらいのをリーズナブルに貸せそうーということだったのでそれを抑えたのですが・・・
何と渡仏する1週間ほど前に・・・・そのアパルトマンの内装が間に合わず貸せなくなった!ということでお詫びに・・・・
そのエージェントで運営しているアパルトマんの中から好きなところを(同じ値段でいいから)選んでといわれまして・・・・
といことでルイ16世様式の内装が素敵な、超ゴージャスなアパルトマンに一人で滞在することになりました!!!


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現地のディーラーたちにその話をしましたら(商談で実際にそのアパルトマンまでに来たディーラーさんもいます)、
「なんてラッキーなの?」
「お詫びにそんなリーズナブルな価格でゴージャスなマンションをあてがうって、そのスピリットは日本だね」

とかなりリアクションされました。

そういうおもてなしの心?といいますか誠実な商売の仕方はフランスにはないですからね・・・
←確かにフランス人だったら、貸せなくなったよ!の一言で終わりだと思います。
もっともそのエージェントも代表の方と個人的に知り合いで、かれこれ15年ほどお世話になっているのでそれもあったのだと思います。
ということでなんともありがたいことに、とても素敵なマンションに滞在させていただきました。

続く・・・

05:35  |  買い付け日記  | 

2017.04.25 (Tue)

パリ雑感(でも主に食べ物の話!)

今回の買い付け後は、いつも以上にバタバタして買い付け日記を書くのを失念してしまっておりました。
久しぶりに大きなトラブルもなく(笑)、順調だったパリ&ロンドン。

というわけでかなり雑感ですが心に残ったことを書きたいと思います。

まずはパリですけれど。
色々テロとかありましたので一時期は非常事態らしい雰囲気が漂っていたパリですが、今は完全に平常運転に戻ったイメージです。
一時期は例えば世界最古のボンマルシェに入るときなどの手荷物検査が厳しかったり、オペラ座の裏のデパート界隈二十を持った警官がいたりして物騒な感じだったんですけれど。
あまりにそうした雰囲気がなかったので逆に「大丈夫?」といった感じです。


今回の大統領選を見ていても思うのですが、ある方向に国民が一丸となって突っ走っていかないところがフランスの強みだと思います。
テロ怖い、でもそれほどパニックにはらならないみたいな。
フランス人の思想は個人の中も集団の中にも「振り子の原則」のようなものがあって、それが実は私が学生時代にフランス語を学びたい!と思った理由なんです。


食べ物は相変わらずおいしかったです☆
今回もお昼は、休憩がてらレストランに入ることがありましたが、なんと私パリでランチするときは結構アジア系が多いんです。
まず一人なことが多いのと、アジア系のレストランってサービスが早いので、仕事と仕事の合間にはいいんですよ。
で、そのアジア系のレストランのレベルも相当高いのがまたパリのすごいところです。

今回いったのはパリのらーめん屋さんでも老舗のひぐま。
パリに何店舗があります。
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別にひぐまが最高においしいわけではないですが、たまたま便利な場所にあったので。
らーめんと餃子のセットで12ユーロとパリのランチにして相当安いです。

そして翌日の昼、アポまでに一時間弱しかないよーーーということでどうしようかと目がうつろになっていたところ目の前に韓国料理のお店を発見!
サンジェルマンデプレ教会から一歩裏道にはいったところにあるKBGと言うお店で、まさに行き当たりばったりはいったのですが、これが正解!

韓国料理屋と言っても良い意味で裏切っていて、中がこんなに垢抜けていて綺麗で。
それでお兄さんはフランス人なのですが、フランス人と思えないほど笑顔で迅速なサービス☆
それでおいしかった、前菜とメインでやはりランチが12ユーロぐらい。
これってパリでしかもこのパリで一番物価が高いエリアですごく安いんです。
こちらではブルゴギを頂きました。

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もちろんアジア料理はそれぐらいで、一度夜に友達と外食したときは伝統的なフレンチです。
日本ではあまり牛肉の塊を食べないのですが、パリに着くり、「a point(ミディアム)」の牛肉ステーキとか半分生肉の牛肉のタルタルを食べたくなるのが不思議です。
勿論ワインもガンガン。

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マルシェやスーパーのお惣菜を買うときも懐かしいフレンチの食材を楽しみます。
雑感といいつつ、ほとんどが食べ物の話になってしまいました!
ロンドンに続きます。
22:03  |  買い付け日記  | 

2016.12.01 (Thu)

買い付け日記「完」 ロンドン後半編&お散歩 

さて買い付け日記いつまで書いてるんだか(笑)。
帰国して1-2ヶ月経ったら、ポンドもずいぶん一時期より高くなり、前回の買い付けは本当にラッキーだったのだなと思います。

さて前回はロンドンで逃したジュエリーについて書きましたが、今日は本当に購入したジュエリーについて書きます!

いかにもエドワーディアンなイギリスの王道的なペンダントネックレス。
こちらはオリジナルのチェーンも残っていて、ガーネットも美しくてリーズナブルで良い仕入れでした。

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下記はブルーサファイヤのネックレス。
やはりエドワーディアンです。
プラチナにイエローゴールドバックxナイフエッジ。
エドワーディアンらしい特徴が良く出た、かっこいいジュエリーです。

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あと先行案内にも掲載したシトリンの指輪など。
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今回はロンドンでもそれなりの量を仕入れることができて、かつ勉強も出来て。
それと最終日に少しだけ観光もできました。

どこにいったかというと、ウィンブルドンコモン。
少しだけ時間を見つけるとロンドンでは特に自然が見たくなります。
いつもロンドン郊外に出かけていて、前々回はハムステッドヒース、前回はリッチモンドパーク、今回はウィンブルドンコモン。
全てロンドンの中心部から電車で30分ぐらい。
いずれも高級住宅地に隣接した場所にあります。
街の中心部まですぐにいけて、自然がすぐに近くあると言うのは、どこの国でもポイントが高いんでしょうね。


下記はウィンブルドンコモンの中になぜかあった住宅。
こんな自然豊かな場所に住めるなんてうらやましいーー、と思いつつ私にはそこまで静かな生活は無理でしょう(笑)
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前回のリッチモンド公園も公園と言うよりほとんど手つかずの自然そのものだなと思いましたが、今回のウィンブルドンコモンはそれ以上に自然そのものでした。
標識とかもほとんどなくて、途中で雨がふったときには入り口以外には何も建物がないので困りました。。。

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ハムステッド、リッチモンド、ウィンブルドン。
いずれも素敵でしたが、どこに住みたいかと言われれば、私はやはりロンドン北部ではないかも。
超が着く高級住宅地だけど、どこかスノッブすぎて。
うーん、リッチモンドかいいかなぁ。。
程よく垢抜けていて自然豊かで、駅前に私の好きなホールフードのオーガニックスーパーがあって、素敵!
でもウィンブルドンも程よく田舎っぽさがあってほっとするなぁ。。。
あっ、妄想でした。


と言うことで妄想と共に今回の買い付け日記を「完」にしたいと思います。
20:57  |  買い付け日記  | 

2016.11.23 (Wed)

ロンドンで逃したジュエリー

さてそろそろ買い付け日記もいい加減、完成させないといけないですね。
前回に続き、ロンドンでの日々を書きます。

最近はパリのあとに必ず立ち寄るロンドン。
買い付けとしては相変わらずパリてしたものがほとんどなのですが、主に勉強のためです。
ロンドンの方がアンティークジュエリーの市場はずっと大きく確立されているので、包括的に勉強するには便利です。


パリは近年ほぼアポイントベースで回っているため見る量が限られます。
ロンドンの場合、まだかろうじて常設市がいきているので、気兼ねなくjust looking出来るところが魅力です。

今回お世話になっているベテランディーラーさんに、常連しか入れない場所につれていってもらいました。
事務所になっていて、顔パスの人だけがディーラーさん同士、商いをしているところです。
皆さん、古くからの顔見知りなので緊張しましたが、良い経験になりました。
たくさんのトレイにその週の取れたて!?のフレッシュなジュエリーが入っていて、好きなように見ていくというもの。


ここで気に入ったものがふたつ。
一つは何とフランスのジュエリー。
プリカジュールエナメルのペンダントで、以前も似たようなテイストのジュエリーを仕入れたことがありますが、ピンク色が明るくとても美しい色彩でした。
下記は以前仕入れたかなり似たテイストのペンダントです。
これにもっとピンク色が入った色彩的にはそれは美しいペンダントでした。

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ただルーペで見たとき、驚くほど粗く、それで潔く諦めました。

もう一つは、ビルマ産ルビーのアールデコの指輪。
カリブレカットされたルビーは明らかにビルマ産の艶のある赤色で、そして明らかに1920年代のデザインのデザインの特徴が出ているのですが、ちょっとお花の形をしていてそれがなんとも言えずチャーミングだったのです。

イメージ的には下記のようなアールデコの指輪のルビーがもっと大きくて、デザイン的にもっとフェミニンに昇華させた感じです。
時代性が出ていながらも、これまで見たことのない美しいデザインでした。


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値段もbrexitだし何とかいけるかなと思うところだったのですが、何と小さなカリブレカットルビーの一つが欠けているではありませんか!
本当に一目ぼれのジュエリーだったので残念なのですが、カリブレカットのルビーの代替を見つけるのは困難ですから、泣く泣く諦めました。
でも本当に素敵なジュエリーだったなぁ・・・と今も思います。

他にもヴィンテージの美しいカルティエのライターなどを見つけて、かなり迷いましたが。
喫煙者ではない私には、どのような方がこのライターを必要とするのかいまいちピンと来ませんでした。
ちなみに完全に女性用です。
オイルの交換の仕方なども分かりません・・・。
ニーズはあるものなのでしょうか?
アイテムとしては完璧に美しかったのですけれどね。

まぁ、とりあえずここは最初の参戦だったので、良かったとしましょう。
22:05  |  買い付け日記  | 

2016.11.18 (Fri)

Brexitとロンドンでの買い付け

そしてロンドンへ。
今回はいつもより少しだけ長めにロンドンにいました。

なぜかと言うと、やはりbrexitの後のポンド安です。
ポンドが一昔前のユーロぐらいのレートになっていたので、割安感は否めません。


私はフランスのアンティークジュエリーが好きで今回も買い付けたジュエリーの大半がフランス製なのですが、数点はロンドンで買い付けたものです。
長らくアンティークジュエリーの中心地であるロンドンには、パリ以上に世界中からアンティークジュエリーが集まってきます。

本来は
フランス製のアンティークジュエリー=フランスで買う。
イギリス製のアンティークジュエリー=イギリスで買う。


のが私のポリシーですが、それでも昔の在庫などを出してもらうとロンドンでもなかなか良い買い付けが出来たのです。

為替の大きな下落で割安感のあるロンドンのアンティークジュエリーは、今在庫が少なくなってきていますから、そんな幸運は残念ながらあっという間に終わってしまうでしょう。

ロンドンはポンド安になってもパリ以上にホテル代が高い!
ということで今回はロンドンのステイは巷でうわさのair bnbにしました。
これまでも興味はあったのですがジュエリーをもっているときはやはり防犯面の心配がぬぐえずにいました。
今回、貴重品を私の信頼する方に滞在中預かってもらえましたので、それで身軽な身でair bnbに宿泊していました。
中心部からちょっと離れた交通の便の良いところになると、料金もぐっとリーズナブルになり満足のいく滞在ができました。

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価格も魅力ですがやはりアパルトマンですと短期間でも暮らすように生活できるので、居心地がよく身体への負担も少ないように思います。
ただ宿主の対応はまちまちのようで、いわば副業のように素人的なオーナーさんも多いので、ホテルのようなプロフェッショナルなサービスは期待できないですね。
今回あらかじめ合意していたチェックインの時間を変更して欲しいと言うメッセージが来まして、結局オーナーさんの隣人がチェックインを代理でしてくれました。
私は出張中も常時ネットに接続していますし、まぁ英語もOKですので比較的問題ないほうですが、場合によっては混乱を起しそうですね。
ですのであくまで一つのチョイスというところでしょうか。


ロンドンでも数こそパリよりずっと少なくなりますが、良質のジュエリーをリーズナブルに仕入れることができました。

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下記はフィリグリー細工の素晴らしい蝶の形のブローチです。
ゴールドではなくシルバーギルドなのですが(その分リーズナブルでもあります)、この仕事ぶりは本当に素晴らしい!
ただブローチはあまり使わないでしょうか。
今、ペンダントに加工しようか検討中です。
ご意見がございましたらぜひ!

下記はチェーンもついた完品のガーネットx天然真珠のペンダントネックレス。
イギリス、エドワーディアンジュエリーの一つの王道ですね。
こうしたイギリスらしさが綺麗に出たジュエリーも良いですね。

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普段はかなり高額に感じるこのタイプのジュエリーもセールかと思うほどの、リーズナブルな仕入れができましたので、皆様にも還元いたしますね。
今回は為替が本当に素晴らしく嬉しい悲鳴でしたが、アメリカでトランプ大統領が誕生してから、多くの為替専門家の予測を裏切って急激に円安が進んでいますし、こうした幸運は長くは続かないのでしょう。
残念ながら・・・。
22:01  |  買い付け日記  | 

2016.11.17 (Thu)

ロンドンからパリへ その前に食べる! 

催事を挟み、買い付け日記が中断してしまっていてごめんなさい。
催事場でも皆様が思っている以上に、ブログやHPをしっかりお読みくださっているのを感じました。
本当、ありがとうございます。
「ブログの更新頻度が落ちている」とツッコミも頂きましたし、頑張らねば!

さてパリでの仕事も落ち着き始めましたが、毎度のことながらゆっくり出来る時間なんてほとんどありません。
でも今回はアイスクリームを食べる時間がありました!

宿から近くにあるGROM。
本当に美味なジェラートのお店なんです。
何と新宿にこのGROMが以前できており驚いたのですが、お味のほうはだいぶ・・・・。
ノーコメントです。
とにかくパリの方のGROMは素晴らしい☆

だいぶ寒かったですが、がぶりとしてきました。
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あとパリでおいしかったものと言えば(なぜジュエリーでなく食べ物の話でいつも終わる!?)、このGROM近くで買ったお肉屋さんのロースとビーフ。

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お持ち帰りで塊をかって、アパルトマンで刻んで2日にわたって食べました。
フランスの肉料理は意外なことに、案外味付けのすごく薄いorほとんどしていないバージョンも多いです。
もちろんしっかりとした煮込み料理や、レストランでクリームのたっぷりかかったものもありますが、レストランでさえローストビーフ等を頼むと、ソースのほとんどかかっていない状態で出されることが多いです。
これにちょっと塩をかけて食べると、一番お肉の味がひきたちます。
フランスの特に子牛や牛肉は日本と比べてもおいしく、さすがお肉の食べ方を知り尽くしているなと思います。
アメリカでしたら、同じお肉文化でもソースがたっぷりかかってますもんね!


と言うことでそろそろ買い付け日記もロンドンへと向かいます。
パリからロンドンへはユーロスターへ。
少しぎりぎりめにいいったら、まったく待つこともなくイミグレーションを抜けて順調にユーロスターへ乗り込みました。
21:09  |  買い付け日記  | 

2016.11.03 (Thu)

買い付け日記 「マニアックなアンティークジュエリー」

パリも後半戦になってきましたが、この到着してから4日目ぐらいのちょうど中盤あたりが、一番しんどくなってくる頃です。
しかし大体の場合、この時点で消化できているのは大体買い付けの半分程度なので、このあたりがどう転ぶかはとても大事なところです。
やはり体力ですよね!

実は数ヶ月前から、少し運動を再開したんです。
日々、忙しいので一週間に二回、一時間ほどスポーツジムで身体を動かすだけなのですが、今回、その成果!?を早速感じました。
出張中、ずっと咳はひどく夜も相当眠りずらかったのですが、体力的にはロングフライトで腰が痛いとかそういうのもなくて案外ピンピンしていました。
アンティークディーラーは最後は体力、そして視力、あと気力!?
がんばるぞーーー。


ということでこの日も朝から盛りだくさんです。
まずかなり早めに約束していたディーラーさんの元へ。
郊外まではいかないですが結構端のほうまで地下鉄で向かいます。

博学で誠実で本当に長年お世話になっている彼女。
フランスのアンティークジュエリーでもちょっと変わっているものしか扱わない方です。
例えば年代が古いですとか、地方性があるですとか。。。
ですので彼女のところでしか会えないジュエリーというのが、多くあります。

私もこの手の「他にないジュエリー」というのが好きで、本当にツボのものが多いのですが、
希少性の高いジュエリー=当然値段も高いです。


そして彼女の集めるジュエリーはまぁ一言で言うと本当に変わっているんです。
アンティークにおいて珍しさ=希少価値ですからね。
現地でも一目置かれるディーラーさんですが、あまりにマニアックすぎて日本で売るにはずいぶん時間がかかったと言うジュエリーも多いです(笑)


私としてもやはり変わったジュエリー、他にないジュエリーと言うのはやはり見逃せない一方、日本ではなんだかんだ言って一般的に綺麗なものが好まれたりします。
自分の葛藤と、冷静な市場分析とお値段と色々天秤にかけて短時間で決断をしなくれはならない。
ある意味、彼女のところの買い付けが一番疲れる(笑)。
でも一番、楽しみであると言う本当に有難い尊敬する存在です。

さて今回もうーん、ここで一番悩みました!
ベストなチョイスが出来たと信じたいです。。。

先行案内でもご案内しました珊瑚のネックレスでしょ。
これは本当に何人もの方からコメントを頂きます。
長さの感じなど実際にご覧になれないことで、想像がつきにくい部分もあるようで、本当は催事等でご覧いただけると良いのですけどね。
優しいピンク色に一目ぼれです。

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あと18世紀のダイヤモンドの指輪。
1800年頃の非常に変わったデザインのまさにこの時代らしいダイヤモンドの指輪。
希少なアルル地方のダイヤモンドリングを2点入れて満悦です。

午後はまたタイプの異なるディーラーさんの元へ。
実は彼女、休暇中で。
アシスタントの方が対応してくれました。
ここで先行案内でも即効、完売しましたサヴォワ地方のピアスですとか。


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ガーネットの三つ葉が縦に2つ並んだ愛らしい指輪などを入手。
やはり本人ではないので、大きなものは買いにくかったですが、いくつかこれは!!!と思うジュエリーを仕入れることができたので、満足です。

あー、パリでの時間があっという間に過ぎていきます。。。
00:02  |  買い付け日記  | 

2016.10.31 (Mon)

買い付け日記 「ジャケットを忘れる」の巻

さて3日目。

この日は午前中はディーラーさんが、私の借りているアパルトマンまできてくれるというので、朝は少し楽でした。
「ダイヤモンドと真珠・・・」とリクエストをしていたのですが、その期待を裏切らず素晴らしいジュエリーの数々。

特にピアスは、昨今ダイヤモンドも真珠のピアスもとても高くなってきている中、美しいものを数点ですがようやく手に入れることができて、ほっとしました。
先行案内に掲載しております、美しいダイヤモンドのピアスも彼女のところで入手しました。

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あと彼女のところで仕入れて個人的にとても気に入っているのが、金細工の入ったしっかりとした作りのゴールドバングル。
フランスアンティークジュエリーの定番的ジュエリーですが、バングルが太すぎるものがほとんどなんです。
それですと日本女性にはあまりあわないので、仕入れることは少なかったのですが。
今回、幅が細身でサイズも大きすぎない、まさに日本女性向けのピッタリサイズのゴールドバングルを入手しました。

バングルって、本当良いサイズ感のものは一年中、重宝です。
近年、女性の大人のファッションが例えば秋冬であればダウンやライダーズなど、少しハンサム&ラグジュアリー系のよっていますよね。
そんな中に、さらっと華やぎが出て、こうしたファッションにもとてもあわせやすいところが良いです。


それから軽いランチ@アパルトマン。

午後の部は、少し郊外のほうにいきました。
ディーラーさん宅なのですが、彼女が引っ越したためにこの場所にきたのははじめてです。
あらかじめ地図などで調べていたのですが、思っていたよりも遠くガッツリ遅刻です!

いまだに引越し疲れの彼女からも、金細工のブレスレットや先行案内でご紹介しましたアールヌーボーのガラスのピアス。
久しぶりのガーネットのピアスや、ゴールドチェーンでよいと思うものも一つ入荷できました。


ところでここで一つ、私の天然ボケが炸裂します。
「バイバイ、またね!」と別れて駅に向かって歩き始めて・・・・、あれなんか寒いなぁ。
そうなんです、お気に入りのモンクレールのベストを置いてきてしまった!
早速彼女に電話するも、彼女も結構天然ボケで(失礼!)電話に気づかないことが多い。
何度電話するも出ず、マンションの外で待ちぼうけ。
犬を散歩させてかえってきたおじいちゃんに事情を説明して建物に入れてもらいました。
でもこの場所、初めて来る場所なのでどのフロアだったか思い出せない・・・。
と思いながら・・・なんとか郵便受けで彼女の名前から部屋番号を見つけて部屋の前までたどりつきピンポーン!

「あっ、ごめんごめん、他の電話に出ててぜんぜん気づいていなかったよーー」と彼女。



これだけ駅からもパリの中心からも遠いと、次の日に取りに来ると言うのは絶対避けたいから、良かった!
それにしてもいい年になるのにそそっかしいところ、何とかしないとなぁ。。。

夜は友人と食事。
アパルトマン近くのお店、Chez Fernand。
サンジェルマン界隈は観光客にはなじみのある場所ですが地価が高いため、お値打ちなレストランは少ないです。
そんな中、地元の友人に教えてもらったお店。
この場所にしてお値段もまぁまぁリーズナブルで雰囲気もよく、よくにぎわったビストロでした。


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サンジェルマンからもう少し歩いてモンパルナスの先とかいくと、ずいぶんリーズナブルなレストランも増えてくるんですけどね。
でも仕事以外ではまだまだ前半戦なので、近場で済ませたい私でした・・・。
ということで盛りだくさんなパリの一日がまた終わります。

17:16  |  買い付け日記  | 

2016.10.27 (Thu)

買い付け日記 「初日で大当たり!」

さて2日目。
買い付けは特に最初の二日間が勝負です。

この日は週日アポイントベースで。
午前中のアポイントは、もう何度もお邪魔してるムッシューのお宅へ。
もう7年ぐらいのお付き合いになります。
もともとパリでも大規模なアンティークフェアで、出会ったのがはじまりでしたが。
今は半分リタイアされていて、安全面の問題もあり昨年ほどからは、もともと参加しているフェアも少なかったのですが、それも一切でられなくなりました。

もう年金も出ているし、昔買ったパリの超一等地のマンションもあるし、自分が本当にやりたいジュエリーだけを、気に入った人たちだけにあって、楽しみ半分で仕事をしたいと言うスタンスをとられています。
実際バカンスに出かけていることも多いので、渡仏が決まるといつも早めに連絡してアポイントを取ります。

半ばリタイアということで、もうあまりモノもないんでしょーー、と思っていたら。
良いサプライズ!
今回最初のアポイントのこのムッシューのところが一番良かったのではないかと思うぐらい、次から次へとほしいものが見つかり困ってしまいます。


特にメルマガ会員様の先行案内でご案内した大粒のダイヤモンドリングや、エナメルのジュエリーがいくつも見つかりました。
エナメルのジュエリーはオリジナルのチェーンがついたものは、先日ご案内したものだけですが。
それ以外でも中がぱかっと開いてミラーのついたものなど、エナメルジュエリーがお好きな方にはたまらないジュエリーがざくざく。

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ダイヤモンドのリング以外にも大きな作品でとても迷ったものがあり、予算の関係で今回は見送ったのですが、心残りです。。。
初日の最初のアポイントで正直、ここまで見つかるとは思わず、これがある意味最後の方だったら思い切っていったかなというのもあります。
物不足のパリで嬉しい悲鳴です!

最初の方のアポイントって本当に大事なんです。
今回はおかげでとても余裕のある買い方ができました。



時差ぼけも、咳も、フライトの疲れも吹っ飛び、意気揚々として初日がスタートしました。

午後は、やはり長年のディーラーさんの事務所へ。
頂いたレモンタルトがおいしすぎる!!!

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物量の多いディーラーさんなので、この数年量としては一番仕入れをしているディーラーさんです。
こちらで18世紀のジュエリーや地方ジュエリー等も買えて、期待を裏切らない買い付けで初日にして二重丸の成績。
なかなか今回良さそう!!!という感触を得て初日の買い付けは終わります。

買い付けの1-2日目は夕飯時に一切アルコールも取らず、夜遅くは外出もせず、比較的早めに就寝するようにしています。
21:05  |  買い付け日記  | 

2016.10.25 (Tue)

買い付け日記 「最初から、うっかりミス」

さて買い付け日記、記憶をたどって綴っていきます。

まずパリCDG空港到着!
私はエコノミークラスで行きますが、エールフランスが所属するエアグループのプライオリティカードを持っています。
いわゆるゴールドメンバーみたいなもので、このカードがあるとエコノミークラスなのにチェックインはもちろん搭乗も。
そして今回は何とパリの空港の入国審査まで優先レールができていてびっくり。
何でもお金ですか!?


そしていつもはそれほど列をなさないパリのシャルルドゴール空港。
この日は空港職員に一部ストライキがあったようで、長蛇の列。
ということで早速、優先レーンを利用させてもらいました。

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プライオリティカードを持っていると荷物が出てくるのも早いようで、すいすいとあっという間に空港を出て、慣れた手つき?のつもりでパリの高速地下鉄RERへ。
こちらもすいすいーー。
と、思っていたら・・・。
途中で予定外に電車が止まり、なんだか聞きりにくいショートアナウンスが。
そしてその後にすぐに電車がきて多くの人がそれにあわてて乗り込んでいたので、思わず乗り込んでしまった・・・。


さー、そろそろパリ市内到着かな?
ん、でもなんだかずいぶんまだ田園風景というか、郊外というか。。。
ずいぶん時間がかかるなーと思い、ようやくしっかり駅名を見たら・・・
何と逆方向の電車にのってしまったらしく、思いっきり空港に戻っているではありませんか。(汗)


このエリアは治安が悪く、タイミング的に多くの人が乗換えなどでいないのであれば、スーツケースを持ったまま途中下車するのははばかれます。
こんな感じで、駅には落書き、そして駅のホームには、明るい時間でも人があまりいないです。
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それなら一層空港に一度戻ってしまうしかない!と判断して少し時間の無駄ですが、そのまま空港までいき、そこで再び乗り換えることに。
やれやれ30分以上ロスをして、何のためのプライオリティカードだったのであろう!?

やはり時差ぼけといいますか、天然ボケといいますか、油断は禁物ですね。
早速、冷水を浴びた気分です。。。

夕方の便なので、予約しておいたアパルトマンに到着したのはもう19時近く
とりあえず翌日アポのディーラーさんに、携帯からテキストメッセージを送り、予定通りいく旨を伝えて、あとは日常品の買出しへ。
お決まりの当面の食料の買出しです。
これ結構、といいますか大好き。

パリもロンドンも買い付けで膨大なエネルギーを使うため、買い付け以外で最もエキサイティングする楽しい場所は、私にとって地元のお気に入りのスーパーの食材コーナーです。
なんて、地味なんでしょう。。。

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フランスの食材は、スーパーでもお惣菜屋であれなんでもおいしいし、外食とは値段の意味で雲泥の差なんです。
フランスパンなんてハーフサイズで40セントですから(50円ほど?)
あまり値段を気にせずスーパーで、当面の食材を買うとき、しあわせです。


ちなみに写真の夕飯は・・・

・スーパーでなぜかよく買う、ノルウェイサーモンがなかなかおいしいお寿司。

・冷たいガスパッチョのスープ 
もちろん作ったのではなく出来合いです。
これがなかなかおいしいのです。
出張中の野菜不足も解消!?

・温かいフィッシュスープ
もちろん出来合い。
フランスのお魚スープはとてもおいしく、瓶で買っておいて買い付けと買い付けの間にアパルトマンに帰ってきてほとんどご飯を食べる時間もないときに、チーンと電子レンジで温めて飲むと、心も身体も休まります。

・タコとオリーブのサラダ
出来合いのお料理が肉料理が多い中で、アジア人には嬉しい比較的さっぱりのお味。

・michel augustinのヨーグルト。素材にこだわった乳製品やお菓子を作っているメーカーで、大好きなので必ず買います☆

仕事以外は本当に地味です。
次からの買い付けに備えて、この日はぐっすり眠ります。
22:34  |  買い付け日記  | 

2016.10.24 (Mon)

買い付け日記 「買い付けの前の厄除け」

今回も買い付け日記、ゆっくり綴っていきます。
まず出発前!

何と出発する1週間程前から、風邪をこじらせたのか咳がとまらなくなってしまいました。
この「咳がとまらなくなる現象」というのは、私は何度かございまして、もともと気管が弱いのです。
それで出発の前日まで病院へ薬をもらいにいったりしていました。
普段あまり薬をのまないようにしているのですが、「もう何でもいいから、咳を止めてくれ」といった感じです。

それでもあまりにも止まらないどころか、段々ひどくなってきましたので、最後の手段で神頼みに。
このブログをご覧の方にはもうお馴染みであろう、京都の清明神社です。

18時までということで、前日の夕方17:50ぐらいになんとか滑り込んだ清明神社。
あたりが少し暗くなってきた清明神社は、昼間の雰囲気とはまた異なり、さらに神秘めいてよい感じでした。

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さて出発!
果たして咳はとまるのでしょうか!?
否、良質のアンティークジュエリーをたくさん仕入れることはできるのでしょうか!?


翌日はやさかタクシーの乗り合いタクシーで空港へ。
このサービス、どうも関西圏らしいのですが自宅までタクシーが迎えにきてくれて、乗り合いで何箇所か回って空港まで連れて行ってくれます。
3000円ちょっとでdoor to doorなので愛用しています。

飛行機で最初の目的地、パリへ!
エコノミークラスの最前席、前に座席のない席をあてがってもらって、咳はとまらないけれど、幸先の良いスタートです☆
12:15  |  買い付け日記  | 

2016.05.17 (Tue)

買い付け日記 「ロンドン完」

さて今回のロンドンは駆け足でした。
と言うのも元々会おうとしていた女性ディーラーとうまく予定があわず、それで短めにしたのです。

実働はほぼ一日で、大きなマーケットに向かいましたが、会う人は限られています。
まず一番会うべき人のところに朝一番でいき、そのときは正直あまりピンと来るものがなかったので「とりあえず、他を回ってくるわ」
ということで早々に退散!

次に会うべきお兄さんのところに向かいます。
彼とは旧知の仲で(というのもイギリス人なのに、なぜかパリでよく会う)、顔見知りのフランス人ディーラーさんの話題を共有しながら、いくつかの指輪を入手。


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プラチナのエタニティーリングで、紫石はアメジストです。
イギリスで買いましたがフランス製!
エタニティーリングでアメジストの入ったものは、私も彼もとても珍しいように思いました、いかがでしょう?
初めて見ます。

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イギリスのオーソドックスなアンティーク指輪。
あまりこうしたオーソドックスなイギリスのジュエリーは扱ってこなかったのですが、ブルーサファイヤが綺麗で、最近はこうしたオーソドックスなリングも結構高くなってきているのですが、比較的リーズナブルで刻印も綺麗で残っていたので入手しました。

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こちらはさりげなく良質なエメラルドのリング。
15金であることが確認できていて、つまり1854年以前の作品であることが分かります。

次にやはり懇意にしているマダムの元に行き、なぜかイギリスでフランスの指輪を買ってしまう私・・・。
実は今回の買い付けの中でも、ひそかに結構この指輪がお気に入りです。
アンティークと言うよりヴィンテージ、1940-1950年頃の作品。
このダイナミックなかっこよさがいいです。

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それから最初の人のところに戻りしばし雑談をして 15金のゴールドチェーン(つまりやはり1854年以前の作品ということです)
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そしてまだ調査中なのですが非常に貴重なジュエリーを譲っていただきました。
希少なのは分かるけどプライシングがあまりに難しい・・・。
少し色々調べたりしたいので、こちらは情報を公開するのは少し先にさせていただきますね。


さてもうお腹が一杯過ぎるほど働きつくし、その日の午後だけオフだったので少し気分転換がしたくなりました。
ホテルに戻ったのがもう14時近くでそこからいけるところも少ないのですが、たまたま日本でイギリス関連の本を読んでいたときに、著者の方がリッチモンドに滞在だったので、何となく気になりリッチモンド公園に行くことに!
もうこれが素晴らしく良かった!
とてもラフな自然です。
ロンドンの公園といえばハイドパークあたりを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、私はどちらかと言うと粗野な自然その物を見せてくれるところが好きで、前回訪れたハムステッドの原野や今回のリッチモンド公園が断然好みです。
鹿の糞とかが普通に落ちていて、最高です☆
なのにiphoneに撮った写真が消えてしまっていて・・・・。
また人に頼んで、ご紹介できそう撮ってきてもらえそうだったら、とってきてもらいますね。

今回も仕事、仕事におわれた買い付けの旅。
でもなんだかそれがとても好きなんです。
余裕があって時間があって、観光なんてしても言いと言われたら悲しいので、今後も力尽きる限り走り続けます。
と、最後は熱く〆させていただきました



21:57  |  買い付け日記  | 

2016.05.16 (Mon)

そして(ようやく)ロンドンへ!

買い付け日記、そろそろ終わりにしなくちゃいけないですね。
今回はパリをすべてアポべースで比較的ゆっくりまわりました。
5日目の夕方にようやくロンドンへ電車で移動です。

地下鉄にのってパリの北駅に向かおうしていていたところ
もうじき着くーと思ったその矢先に
「北駅で警察の介入がおきています。地下鉄しばらくとめます」
と言うアナウンスが・・・。


まさか・・・テロ!?と思ったら数分後に動き出し、女性が駅構内の倒れていたのですがどうもチンピラ集団の仕業だったようです。
それはそれで少し怖いけど、でもまぁ血とかは出ていないな・・・とかなぜか冷静に対応している自分でした・・・。
何となくパリより治安が良さそうなロンドン。
ユーロスターに乗り込み電車が街中を抜けて、田園風景が広がるにつれてなんとなくほっとしました。


ロンドン到着は21時近く。
でも割と日も長く、そして駅近のホテルにしていたということもあり、張り切って地下鉄で移動!
そしたら思いのほか路線を乗り換えるときも、エスカレーターがなくて困りました。
もっともそこはイギリス紳士なので、やはりすぐに人が助けに来てくれる。
パリの地下鉄も昔はよくそうしたことがあったのですが、最近はずいぶん殺伐としていて、その点ロンドンの方が少し穏やかなような気がします。
何はともあれロンドンの宿舎につき、その日は近くのスーパーで飲料を調達して終わりです。

ロンドンのマーケットは朝が早いので、一応タクシーだけ予約しておきました。
今回ロンドンで知り合いのディーラーさんに良いミニキャブ( 通常のブラックキャブよりミニキャブの方が格安な料金設定になっている)の連絡先を教えてもらい、それで色々重宝しました。

とりあえずこの日は眠るだけです!



23:04  |  買い付け日記  | 

2016.05.14 (Sat)

買い付け日記 飛ばして書きます!

買い付け日記、ゆっくり書いていたら私の記憶からどんどんと失われていきそうなので、早足で仕上げていきます。

さてパリ4日目も当然のようにお仕事で、午前中は先日書いた象牙を入手したアンティークまーけっと&アンニュイな女性ディーラーの元へ。
午後もやはり別の女性ディーラーの元へ向かいます。
パリ市内を東へ西へ、まさに正反対の方向です。

プライベートで少なからぬ心労があったようで、激ヤセをしていてびっくり!
先の女性の話ではないけれど、フランス人女性はいつも自分の人生に真っ向勝負で、その分ちょっとしんどそうなこともあるけど色々すごいなと思います。
そしてプライベートがいかに大変であっても、相変わらずジュエリーは美しいものをそろえています。


色々仕入れましたが彼女のところで特に気に入ったのがこちらのネックレス。
先日の東京の催事でも実際にご覧になられて試着をされた方は、胸にあてると本当に美しいとおっしゃってくださいました。


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この日も結局遅くなって、翌日は夜にロンドンに向かうので、少し私的な買い物などを済ませて早めに切り上げました。
翌日は19時ぐらいの便で電車でパリからロンドンへ向かったのですが、この日も仕事は一杯に入れていました。

最終日のパリで仕入れたのは、例えば下記の天然真珠のリング。
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ピンチベックのロングチェーン。
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メレリオディメレーのブレスレット。
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あー、今回もパリで本当に頑張った!
そして一度アパルトマンに戻り荷造りをして、ロンドンへ向かいます☆
21:57  |  買い付け日記  | 

2016.05.11 (Wed)

まだまだ仕入れは続くけど・・・番外編

買い付け日記も長くなってきて、飽きてきたでしょうか?
かなり仕事、仕事なのがわかっていただけるでしょう。
パリは世界一ロマンティックな街とか言われていますが、私にとっては世界一仕事の街です(笑)。
でもそれでも、本当にこの街が好きですよ。

さて買い付けだけでなく、少し番外編も書きます。
慌しい中ですがプライベートで買ったものを紹介します☆


・まずお財布!
何度かバッグを購入しているジャックルコーさんで。
ここの革製品は柔らかく薄めで、でも丈夫だし本当に大好きです。
フレンチカラーが美しいバッグがたくさんあるので目移りしますが、今回はお財布がぼろぼろになっていたので新しいお財布を入手しました。

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・あとは手袋!
日本で買うとヨーロッパの革製の手袋は本当に高いですよね。
今年の冬もちょっといいなぁと思ったフランス製の革の手袋が日本ではとても高くて・・・と思っていたらどうも借りていたアパルトマンの近くに手袋の専門店があり、さくっていってきました。
私は買い物がめちゃめちゃ早いので、色々試着させてもらって2つ選んで合計所要時間10分みたいな感じです(笑)
比較的プレーンな、冬用の手袋と夏の紫外線よけの手袋を購入。
冬用なんてセールだったので、本当に驚くほど安かったです。。。

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・あとはただ食べ物です。
Meertのゴーフルは、閉店時間を微妙に過ぎていて鍵がかかっていたところ、ノックをしたら優しいお兄さんが特別あけてくれました。
フランスにしては珍しい出来事です!

あとはアパルトマンにも近かった、ポワラーヌのクッキー。
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ここで前日の夜に朝食用のアップルパイをかって 別途スーパーで買っておいたMichel Augustinのヨーグルトドリンクと共に食べるというのが、あまりに忙しいパリでの買い付けの日々の私のひそかな楽しみです。

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その他は、空港で東京での催事でお客様にお出しする、ヴァローナのチョコレートを入手。
本当に自分用に買う物なんてこんなもんです。


23:38  |  買い付け日記  | 

2016.05.10 (Tue)

買い付け日記 「女性という存在」

さてパリ4日目。
この日もフルスイングです。
まず朝一番でダメモトでよったアンティークマーケットで思わぬ戦士品を入手。
数多くの象牙のアンティークジュエリーです。

長さ152センチもある象牙のソートワール、アールデコらしい幾何学模様のネックレス、薔薇の彫りの入ったネックレス、指輪まで。
こんなに多くの状態の良い、センスの良い象牙のジュエリーを見たのはいつぶりでしょう?
買いまとめたこともあり、超お買い得価格で入手。


実はこれにはかなり訳があります。
ワシントン条約により売買に制限のかかっている象牙製品。
禁止されているのは、現在これから作られるものであり、アンティークジュエリーのように過去に作られた象牙の加工製品は禁止対象ではありません。
しかしヨーロッパで特にフランスで問題なのは、フランスは以前も書きましたようにかなり規制の強い国で、実際に売買をするためには証明書を提出することが義務付けられていて、それがまぁ本当に面倒でお金のかかる作業のようなんです。
象牙のアンティークジュエリーはもちろん貴重品ですが、それでもダイヤモンドなどに比べてそこまで1点ずつが高価なわけではないですから、業者としては割に合わない作業です。
それで今、一時的に行き場のなくしたアンティークの象牙のアンティークジュエリーが出てきていて、比較的リーズナブルに買い叩けたというわけです


これから作られないことを考えても、アンティークの良質な象牙のジュエリーが少なくなってきていることを考えても、長期的には確実にまたあがっていき、これまで以上に更に非常に品薄になると私は考えています。
最後の買い時かなと個人的には思いましたので、買えるだけ買っておきました。

さてそれからアンニュイな魅力を放つ色っぽい女性ディーラーさんのお宅へ向かいます。
ここで先行案内でも販売済みのフィリグリーのネックレスや。
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2つで1つになるダイヤモンドリング。
こんなの初めて見ます。
彼女は「婚約のための指輪」と勝手に名づけていました。

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あと皆が探している20世紀初頭のプラチナチェーンまで!
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一通り商談が終わり、雑談をしているときに私はこれまでにない衝撃を受けました。
というのも彼女とても美しくて色っぽいのですが、
「ねぇ、私何歳ぐらいだと思う?」と言う話になり。
「50代後半ぐらいかな」と思っていたのでそう答えると、実はもっともっとずっと上、20歳ほど見間違えていたんです!
アジア人は肌に湿気があり細いのでいつも若く見られますが、彼女が若く見える理由というのはそうした「ある意味での幼さ」とはまた異なるんです。
女性らしさ、成熟と経験、そして色気。
それで彼女が言うんです。
「私、まだ女なの、言っている意味分かる?」

うーん、衝撃を受けました



深いですね・・・。
彼女の発言で印象的だったのは、確かに見た目はすごく若くて周りにもそう言われて、自分自身も自分の年齢だと思えないで過ごしてきた。
実際つきあってきたのはいつも20歳以上年下の男性たちで、同じ年代の男性とデートしていると親子に見えてしまうそう。
でも「実際の年齢」と言うのは確かにあって、例えば寿命とか考えると「死」だって考えられない年齢ではなくなってきている。
それが自分自身ピンとは来ないのだけれど、実年齢を考えると重いと感じるのだそうです。
前から(仕事上の)付き合いはあり実は以前から何度か彼女の恋愛話は聞いてきたけれど、「女である」ということについて話したのは初めてで、良い意味で衝撃を受けました。

今回もはじめ本当の年齢をなかなか教えてくれようとしなくて。。。
それは「私は本当の年齢を隠したいわけじゃないの。でもtomokoはきっとこれから私を違う目で見ると思うから、そうした意味での言いづらさがある」
ということでした。
うん、確かにそうかな。
「女性」という存在について深さを感じて衝撃ではあったけれど、とても良い話を聞いたと思いました。
咀嚼するにはまだ時間がかかりそうですが・・・。
23:18  |  買い付け日記  | 

2016.05.08 (Sun)

買い付け日記「パリでおいしい魚料理」

さて三日目の夜は、ようやく友人と夕食に出かけることができました!

親しい男友達が二人いて(二人ともあちらの方ですが・・・)、そのうちの一人がこの時に骨折をしていて。
まず一人の友達の家にまず行き、そこからもう一人の友達の家に車で行こうということになっていたのですが、当日になりプラン変更!
パリの中心地にあるお魚料理のおいしいお店に行こうーとのこと。
「骨折しているのに、どうやってくるの???」と思ったのですが、無事に松葉杖を着いて友人登場。



どういうことか??だったのですが、この骨折をした友人。
以前から「会社辞めて自分で独立したいーーー」と叫んでいたのですが、その夢かない前回パリであった割とすぐ後に離職。
自分で立ち上げるモバイルのソーシャルアプリケーションの事業に加えて、こちらの事業と平行してフリーランスのコンサルタントとしても活躍。
コンサルタントをしている会社が指定してきたレストランの目の前だったんです。
「コンサルタント業だけで既にサラリーマン時代の収入を上回っているよ!」と超短期間の内に何気にすごく成功している。
「本当おめでとう、骨折大変そうだけどね・・・。チーン」
ということで再会を祝いました。


そしてこの魚料理のお店、本当に魚がフレッシュでおいしい。
なんでもチリ料理と和食にインスピレーションを受けているようで、フレッシュなお魚をカルパッチョ風に仕立てています。
日本人の舌にも良くあうと思います。
そんなに高くもありません。
よかったらどうぞ。

レストランの名前:Restaurant la Cevicheria
住所: 14 rue Bachaumont, 75002 Paris


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3人でぺちゃぺちゃおしゃべり。
話はやはりパナマ事件のこと。
実は友人の内の一人は、フランスを代表する大手銀行の証券部門につとめていますが、この銀行、実はこのパナマ事件とのつながりが指摘されているんです。
あまり詳しく書けないけど・・・。

あともちろんテロの影響のこととか。
二人とも数年のスパンで考えているけど、「数年後には一度、パリを離れたいな」といっていました。
それは治安の理由というよりも、なんだか今のヨーロッパの不安が蔓延する雰囲気が好きではないとのこと。
あとこれは私も含めて皆で一致したことですが、今やネットの発達とかフリーランスで働いている人にとってはある意味、場所の制約がなくなってきているねねということ。
東京であってもパリであっても、そこでしか出来ないことが段々と少なくなってきている。
であれば、その時に心が赴く場所で生活してもいいのかもしれない、ということです。


二人ともパリでかなりいい仕事をしていて、不動産なども保有しているのですが。
それはそれで保有しているものにとらわれ過ぎる必要ももないんだ、ということ。
二人とも精神が自由で、いつも話していて「自由」をもらえるような気がする。
とかいうと、友人Dにはいつも
「tomokoは本当に(良い意味で)日本人っぽくないよ、付き合いが長くなればなるほどそう思う。 相当に自由人だね」
とか言われます。
かれこれ20年の付き合いだから、おそらく的を得ているんだと思う。。。

食事の後は骨折した友人は、タクシーを呼びつけて優雅に帰宅(毎日タクシー通勤しているそうな)。
もう一人の友人Dが「autolib(オートリブ)」という電気自動車シェアリングシステムを使って、アパルトマンまで車で送ってくれました。
いつも大好きな友人たち、またパリあるいは京都、(あるいは別のところになってそうで怖いけど)会おうね!


23:22  |  買い付け日記  | 

2016.05.07 (Sat)

買い付け日記 パリで触れる珠玉のロシアンジュエリー

さて買い付け日記の続きです。
3日目は午前中にディーラーさんがアパルトマンに来てくれて、午後はアポイントメントが2件。

まずは旧知のディーラーさんのお家にお邪魔します。
彼女は私が今、付き合っている中でも最も初期の頃からお世話になっているディーラーさんで、彼女がいたからこそここまで来ることができたと思う人です。
しかしここ数年彼女は、かなりヴィンテージジュエリーの方に転向してきています。
彼女の持っていたアンティークジュエリー(30年以上にわたって彼女がコレクションをしてきたジュエリー)は本当に良いものがあり、かつかなりリーズナブルに売ってくれましたが、それも私とおそらくもう数人のイギリス人のディーラーさんがせっせと買い付けたために、底がつきてしまいました。


近年では彼女のジュエリーのテイストはだいぶ異なってきていますので、仕事的にはわざわざお邪魔して時間を頂くこともないのですが、何と言っても旧知の仲ですからご挨拶的もかねてお邪魔します!
案の定、たくさん散らかった家(失礼!)をあさり、多くのジュエリーを見せてもらいましたがなかなか私好みのものが出てきません。
そしたら観念したように
「tomoko 、わざわざ来てもらって悪いし、先日旦那の親族の身辺整理で譲り受けた19世紀の中でもかなり古い時代のアンティークチェーンがあって、仕方ないからこれを売るわよ!」
と嬉しいご提案。


それがこちら(先日の東京でのサロンで販売済み)。
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もう本当に綺麗なチェーンで、見たこともない珍しい網み方でした。
確かに旦那さんのお家、すごくいい家だもんなぁ。。。(実は彼女の旦那さんはちょっとした著名人!)

美しいアンティークチェーンは本当に最近出てこないので、さすがにこれはとっておこうかなと思って、でも一応東京でのサロンに持って行きましたら案の定あっという間に完売してしまいました。
しかも後から「やはりあれは売れてしまいましたよね?」と言うお声も。
いまや良いものは迷っている場合ではありません!


さてそれから少し時間があったのでオペラ座の裏のギャラリーラファイエットに簡単な用事をすませにいきます。
そうしましたら銃を持った警官が警備をしていてちょっと驚きました。
お客様にも「テロの影響は?」とよく聞かれましたが、それは今回色々なところで感じました。
実際地下鉄もよく「不審な荷物を見つけたので○号線はとめます」
とかしょっちゅうでした。


それからずっとお世話になりつつも、敷居が高すぎて(高級品が多いので)一度も取引にはいたってなかったディーラーさんのところに向かいます。
本当の初期の頃からお世話になっているにかかわらず、なんといってもパリでも屈指の高級ジュエリーを扱うディーラーさんですから、なかなかディールには結びつきにくかったのです。
でもずっとすごく良く覚えてくれていて、ずっと良くしていただいてきました。
人格的にも一流と思える人です。



私が彼らが付き合う世界中のディーラーの中でも一等若いということで、今後も長く付き合っていきたいし・・・と言うことで相当リーズナブルなお値段で記念すべき最初のお取引成立!

それがこちら。
本当に嬉しい。
色々な人に目をかけてもらってよくしてもらっている分、その期待に応えないといけないなと思っています。

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19世紀中期のフランス製。

このディーラーさんのところには、今パリでもロンドンでも滅多に見ることすら叶わない「ロシアの珠玉のアンティークジュエリー」を運がよければ見ることができます。
彼の出自の関係であちら側の裕福な個人から買い取る出来るパイプがあるよう。
さすがにあまり詳しくは伺えなかったですけどね。
ファベルジェに代表されるような帝政ロシア時代のロシアンアンティークジュエリーには目を見張るものがあります。
ただしロシアの富裕層が台頭してからは、主にロンドンにあったロシアのアンティークジュエリーはことごとく東からきた、超リッチ層に買い占められてしまい、いまやほとんど見ることはできません。


今回もちろん予算の届く範囲ではないのですが(値段を聞きさえしませんでした、むしろ礼儀として・・・)、ロシアのアンティークジュエリーを見せて欲しいという私の依頼で一つ見せていただきました。
手にしたときの感想はヒンヤリ、重量感のある18金はないイエローゴールド。
とてもマットでラインは直線的、それは美しいいつまでも触れていたくなる珠玉のロシアのアンティークジュエリーでした。
あー、サンペテルスブルクに行きたい!


買い付けはまだまだ続きます。
17:28  |  買い付け日記  | 

2016.05.05 (Thu)

買い付けは続くよ @パリ

3日目の朝も、変わらず朝からお仕事モードです。
でもこの日は最初のアポは、パリの少し郊外に住むディーラーさんが、私の借りているアパルトマンに来てくれる日なので少なくとも朝は少し楽です!

ところで少し話しがそれますが、イギリスのアンティークマーケットはとにかく「greedyなら早起きを!」と言われているほど朝が早いです。
一方のフランスはそれほど朝は早くないです。
イギリス人は付き合いが長くなっても比較的ビジネスライクで、その代わり「最も早く来た人にファーストチョイスを!」、みたいな考えが根深くあるようです。
よくよく話を聞くとそれも異なることが多く、巧みな人は「ここではこの類のものを売ってこのレベルのものはあそこに売りにいく」みたいに使い分けている人もいるのですが、それでも一つの場所での商いはそうした早い者勝ちみたいな法則が多少は活きています。

一方のフランスは完全に人付き合いの上に成り立っていることが多く、早いもの勝ちというのは実はあまりないです。
大規模なアンティークフェアですと、確かに良いものは早めになくなりますので時間との勝負ということもありますが、顔を知ったもの同士は実はこうしたフェアのような時以外に(今回の私の訪問のように)取引をしているんです。


行ってみれば新幹線で二時間半、東京と大阪ぐらいの距離なのにイギリス人ディーラーでもフランスにたまにでも買い付けに行く人はとても少ないです。
逆もしかりでフランス人ディーラーさんで、イギリス人のディーラーさんからも仕入れをすることがあるよと言う人はごく僅かです。
両国の違いって本当に面白いですよね。


さて時間通り、マダム登場!
いつもどおりハグをして、彼女には特に真珠とダイヤモンドのジュエリーをお願いしていました。
前回、とりおきをしてもらっていた下記のパリュールを無事に入手(先行案内で販売済み)。

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彼女のところでは今回、かなり真珠尽くしになりました。

下記は個人的にもお気に入りの指輪とピアスのセット。
真珠は初期の頃の養殖真珠で、1930年頃の作品。
アールデコも後期になり、ちょっとシャープなデザイン、私は最近このあたりがとても好きです。

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あとやはり初期の頃の養殖真珠のネックレスで、留め具の素晴らしいネックレスを入手。
下記は留め具にブルーサファイヤの入ったタイプのもの。

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あと先行案内でもご案内し、評判の良かった芥子真珠が入ったフィリグリー金細工のブレスレット。
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その他色々、このご時勢、数としてもかなりまとめて入れることが出来て大満足です。

ぺちゃぺちゃおしゃべりをしていたらあっという間にお昼過ぎ。
比較的余裕があるとおもっいたこの日も、慌しく過ぎていきます。
午後の部はまた次号で書きます
12:06  |  買い付け日記  | 

2016.05.02 (Mon)

Paris 買い付け編

到着してからの数日は本当に仕事で忙しく、今回も最初の3日間は、ずーっと仕事、仕事、仕事でした。
着いた翌日(2日目)はまず最初のアポイントは市内でアパルトマンの比較的近く。

お昼ごろに一度終わり、比較的アパルトマンの近くだったので一度戻り、軽食を慌しくつまみながら次のアポイント先へ。
彼のところは駅から少しあるので、いつまでたっても道を覚えない私のためにいつも駅まで迎えに来てくれるというジェントルマン!
地下鉄に乗り込んだところで、まずテキストメッセージを打っておきます。
そして駅で落ち合い、雑談をしながらアパルトマンへ。
感覚的にかなりガーリッシュなムッシューなので、完全にガールズトークのようなノリになっています。


相変わらずシックなアパルトマンに入れてもらい、物色開始!
彼はかなり量を扱うディーラーさんで、持っているジュエリーの幅が広いので向こうもかなりセレクションはしてくれていますが、それでも見ている量が半端ないです。
私の場合、まず自分の感性だけで(とりあえず細かな状態のチェックやお値段とかはおいておいて)、気になるものだけをよっていきます。

そして全部選びきったところで、選んだものについて細かく状態を見つつ説明も伺っていきます。
その中で、やはり諦めざるを得ないものもでてきますが、その際は潔く諦めるようにしています。
今回もかなり幅の広い作品をこのディーラーさんのところで入手しました。

先行案内でもご紹介し販売済みの「エグレット」と呼ばれる髪飾りの形の指輪。
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あと写真すらまだあまりできていませんが、巨大なエメラルドの指輪。
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短めだけれどリーズナブルに入手できたイエローゴールドのアンティークチェーン。

何気に真珠も充実。
天然真珠のピアス。
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天然真珠とダイヤモンドの二連になった指輪。
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「ピクチャー・ストーン」と呼ばれる、珍しいペンダントも入手。
宝石としてはアゲートですが、石の結晶が風景のように見えるのです。
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このでは本当においしいお手製のタルトを頂き、ベリーのすっぱさとタルトの甘さのバランスが最高でした。
勇んで写真を撮っていたのに、消去された中に入ってしまっていた・・・。
残念、今でも思い出すたびに涎が出そうなぐらいおいしいタルトだったのに・・・。

22:45  |  買い付け日記  | 

2016.05.01 (Sun)

パリ お仕事編「買い付け日記」

初日は着いただけで、本格的なお仕事は翌日スタート。
着いた日は22時頃に眠り、途中少しおきたりしながらも7時頃起きたので、何だいつもより眠ってますねヽ( ´_`)丿
年齢を重ねるにつれて、身体はきつくなってきますので、身体を適度に休めることは欠かせません!

翌日は買い付けのアポイントが2件。
まずは午前中にパリ中心部の旧知のディーラーさんの元へ。
彼の個人的な都合でここのところあまりあえていなかったので久しぶりの再会です!
どちらかと言うと専門は指輪、宝石の美しいジュエリーをそろえているムッシューなのですが、今回はなんかエナメルのジュエリーがたくさんありはまってしまいました。


こうして手に入れたのが先行案内でもご案内し既に販売済みの「シャルル10世時代のブラックエナメルのブレスレット」。

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下記はこれからアップするのですが、「幻のエナメル」と呼ばれるギロッシュ(ギロシェ)エナメルのペンダントネックレス。
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下記もアップはこれから。
ステンドガラスをジュエリーに再現した「プリカジュールエナメルのペンダントトップ」です。
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実はもう一つ、彼のところでやはりエナメルの美しいジュエリーを見つけて、予算の関係で諦めましたがいまだに諦め切れていない私です。。。
残っていたら抑えてもらおうかな。。。って、もう売れてしまっているかな。。。
もやもや。


久しぶりに会ったので色々盛り上がります。
ちょうど前日の夜に、TF1(フランスのTV局)でパナママネーの特番が放映されていて、私も時差ぼけの頭でそのニュースを何となく聞いていたのでその話でも盛り上がります。

私が
「プーチン(大統領)って、あまりにイメージどおりだよね」
というと

「あれは何の驚きもないよね(笑) アイスランドの政治とかはクリーンなイメージあるから驚いたけど、彼はそのまんまだ!」
と国は異なれど、プーチン大統領のイメージはどこでも同じ!?とか思い大爆笑でした。


彼の家の近くにマルシェが開催されていて、マルシェのお惣菜などはとてもおいしいので立ち寄りました。
買ったのはラザニアとか、ドライフルーツ(移動中も軽くつまめて健康的!)とか、翌日別のディーラーさんがアパルトマンまできてくれるのでその時に出すスイーツ、シェーブルのチーズ等。

しかしここで痛恨のミス。
場所を確認しようと思って歩きながらグーぐるマップを見ていたら、2台持ちの片方のiphoneを勢い良く落としてしまた!
幸い機能には問題ありませんでしたが、表面の端のほうにヒビが入りました。
(プロテクション用の液晶防護シートをはっていて、こちらは粉々に割れたので、そのおかげでこの程度で済んだともいえます)
この事故の修理のために、今回の買い付けの日記の写真が少なくなってしまうのです・・・。



下記は何とか救出できた写真。
宿泊していたパリのアパルトマンの写真です!
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22:58  |  買い付け日記  | 

2016.04.29 (Fri)

2016年4月 買い付け日記

ブログの更新、買い付けからその後の多忙な日々が続き、すごく滞っていました。
ごめんなさい。

今回も思い出しながら、つづっていきますね。
また後日ご説明しますが、滞在中の写真のデータが諸事情によりなくなってしまっていて写真少なめでごめんなさい。

まず今回は関空からパリへ。
パリでは今回フェアなどがなくオールアポイントメントだったと言うこともあり時間がかかり、少し長めに滞在しました。
それから夜のユーロスターでロンドンへ。
ロンドンで2日ほど過ごしてきました。



パリは友人が最近、17区のかなりスノッブなエリアに引越しをしまして、「いつでも泊まって」と言ってくれていたのですが、中心から少しあるのとそのエリアが裕福なユダヤ人街なので、今のご時勢何かとホットすぎるかなと思い、サンジェルマン界隈のアパルトマンに滞在していました。
サンジェルマン界隈はやはりパリの中でも安全度が高く、いつもお世話になっているエージェントに色々な意味で「安全」なところを紹介してもらったので(3重の鍵で、エレベーターも鍵がないと作動しない)、物騒な世の中ではありましたがかなり安心して過ごせました。

飛行機はいつもどおりエールフランスで。
平日の昼間に関空を出発する便でしたが、関空がかつてないほど混雑をしていて驚きました。
成田などに比べるといつも「空いているなー」と思う出国ゲートも長い列。
やはり外国人旅行者が増えているんでしょうかね。

飛行機も外国人の乗客が多く、隣もフランス人の親子だったのですが、息子の方が映画みながらずっと「ゲラゲラ」笑っていて、お母さんに「こら、静かにしなさい」とか言われているんですがなんだかとてもほほえましい姿でした。
だって大人にとって長時間フライトってただの苦行じゃないですか。
それがこの年代の男の子にとったら何だって楽しい経験になるんだなと思ったらすごく私も嬉しくなって、最後にその上品なお母さんに「うるさくて失礼しました」と言われたので、「私まで楽しい気持ちになれた」と伝えたら、「そういってもらえて嬉しい」と。
ちょっと心温まる旅の始まりでした。

機内では友人お薦めの映画「マイ インターン」を何度も見てしまい、号泣!
いやはやバリバリのアメリカ人キャリア女性でも、こうしたことに悩むんだなぁと、共感しまくっていました。
無事にパリに到着し、きっとぴりぴりムードだろうと思っていた入国審査もゆるゆるで拍子抜け。
ちょうど夕方のラッシュにかかるころでしたので、高速地下鉄(RER)で市内まで移動します。

空港から市内へはかつては別料金をとったのですが、ICカード(日本のsuicaみたいなもの)で今はパリ地域の全ゾーンと言うものが選べますので、それを購入すれば別料金はかからなくなりました。
これは旅行者にはなかなかよいですね。
1週間パリとその郊外(空港までも含む)の地下鉄、バス、RERすべて乗って20EURぐらいなんですからかなり安いと思います!

今回、前回iphoneを壊し苦労をしたのでiphone2台持ち、片方をsimフリーにして契約しているフランスとイギリスの携帯会社をネットであらかじめチャージしておきました。
そしたら本当にすごく便利でした。
(テクニカルな話なので、どこの携帯会社が安いとか良かったらまた別途書きます)
空港に着くなりメールをチェックできて、翌日のアポイントのディーラーさんに、軽く挨拶のメールを打っておきます。
「無事にパリについてるから、明日時間通りに行くね、tomoko」
みたいな感じです。


フランスは色々時間通りに進まないことも多いですから、このようなあらかじめの一手間をかけることで、翌日の仕事にバッドサプライズがなく順調に進むことが多くなります。
これを着いた直後の電車の中でできるようになったのですから、便利な時代ですよね。

アパルトマンを斡旋してくれている業者さんにも電話で連絡したら、荷物重いかもしれないですから駅まで迎えにいきますよ!と思わぬ優しい心遣い。
最寄の駅まで迎えに来てくれて、スーツケースももってくれて大助かり。
無事にサンジェルマンのアパルトマンにチェックインです。

このアパルトマンは以前も別の部屋を使ったことがあり、勝手も良く分かりとても良かったです!
すべてが順調にいき、思ったより時間があったので、まずは日用品の買出しへ。
大体何を買うかというと
・その日の夕飯
・次の日の朝食(お気に入りのパン屋のパンを買っておくと時差ぼけで疲れた翌日に幸せな気持ちになれます)
・滞在中の飲料(水道水飲めないし、これ重要!)
・翌日以降も外で食事をしている時間ほとんどないから簡単に食べることのできるお惣菜

などなどです。
飲料もあるしかなり重くなります。

あともちろんネットの接続と金庫を確認。
お風呂に入り、買ってきたお惣菜で夕食をとり、荷物を片付けてこの日は終了です☆
あー、書いているだけで思い出して疲れてきます。
お疲れ様、私!


23:00  |  買い付け日記  | 

2015.11.08 (Sun)

ロンドン〆

さてさて長らく続きました買い付け日記もこれにて一度〆にしたいと思います。

最終日のロンドンでは朝早くから大きなマーケットへと出かけます。
フランスに比べてまだこうしたマーケットが存続しているイギリスですが、ありきたりのものがそれなりに高価に売られてはいるのですが(つまりそれなりの物量は相変わらずあるのですが・・・)ここぞというものを見つけるのは(ある意味ではパリよりも)難しいです。

あと純粋にアンティークでないもの、戦後のヴィンテージであったり現代物に近かったり、部分的に改造されていたり・・・というものも格段に増えてきていますね。

朝早い時間でしたが、地下鉄で向かいました。

後日、それはあまりに危険だからやめたほうが良いと同業者にいわれましたので、次回はやめておこうと思います。
さすがにちょっと危ない雰囲気がありましたし、何かあってからだとまずいですもんね。

お目当てだったディーラーさんの元へ。
残念ながらこの日はあまりいいものをお持ちではなかったのですが、しばらく雑談を。
「君はいつもパーフェクトで、感動する」
と言っていただく。
何を持ってだか良くわからないのですが、とりあえずフランスでアイフォンを壊したとは言わないことにしておきます!

一つ彼が自分の指にしていた指輪が素晴らしかったのですが(ありえないほどシルキーで滑らか)、これは「まだ売ることができない」とのこと。
「自分も見たことのない謎の刻印が入っているので、もう少し調べてみたい」そうです。
詳しく見せてもらいましたが、確かにイギリスの刻印と類似していますが「20カラット」の刻印が入っており、それ以外のホールマークも見たことのないものです。
おそらくアイルランドなのではないかということでしたが、午後により詳しい人に来てもらって調べてもらうとのことでした。

ディーラーさんには色々なタイプの人がいて、こうした未知のものに出会ってもそのまますぐに売ってしまう人もいますし、一度きちんと調べてから売却する人もいます。
でもこうした細かいことをきちんと調べていくのは地道なながら大事なことで、これだけの人でもそうしたことを繰り返しているのだなと思いました。
そうじゃないと、ここまで一線では活躍できないのでしょう。


マーケット自体は大きくディーラーさんの数も多いですが、見たいと思うディーラーさんは限られています。
いつも同じ人のところにいってしまうのは、やはり好みがあうからなのでしょう。
それからいくつかのディーラーさんのところを回り、これだけ大きなマーケットなのに指輪2点だけを入手。
ユーロに比べてもポンドは高値が続いていますので、イギリスでの仕入れも一筋縄にはいきません。
特に私が欲しいと思っているのは典型的なイギリスアンティークではないので、なおのこと難しい。

しかしイギリスとフランスの両方を回ることで知識も相互補完的になりますし、イギリスのディーラーさんは優秀な人が多いのも事実ですので、今は二つの国を回ることがとてもためになっています。
(なんといっても世界のアンティークがもっとも集まるのはロンドン、でもフランスアンティークを買いたいならもちろんパリ!)

イギリス人ディーラーとフランス人ディーラーもつながるとことはつながっていて、例えばこの前の日にたくさんのダイヤモンドを仕入れたイギリス人女性は、私が初日にパリで買い付けをした女性と知り合いですし(仲は良くないけど・・・)。
この日に訪れたイギリス人男性の友人は、私と取引のあるフランス人が良く知っている人です。
なので色々話していくと「パリにによく行くんだ、○○って知ってる?」
「あっ、その名前聞いたことがある」
とか色々つながりさらに面白いです。

The world is small and the life is very short, maybe.

午前中いっぱい仕事をして一度ホテルに帰り、そして・・・ようやく半日のフリータイム☆
今回はロンドン郊外のハムステッドに行くことに決めていました。
ノーザンラインに乗ってロンドンの中心部から15-20分あまり、ハムステッドヒースと呼ばれる手づかずの広大な自然に触れることができます。

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ずっと緊張感を持って小さなものを見続けていたから、もう自然に触れたくて・・・
ひたすらハムステッドヒースを歩き回り、それからその後この界隈に住む知り合いの日本人家庭の家にお邪魔しまして(なんと裏庭からヒースにいけるというゴージャスなフラットでした)、一緒に夕飯をいただき失礼いたしました。
ひと時の休暇です。

フランスは相当、住んでいるときに行きつくしましたのでロンドンの特に郊外でいってみたいところを買い付けのたびに1回の旅行で1箇所だけ、大事に訪れてみたいなと思っています。




12:50  |  買い付け日記  | 

2015.11.06 (Fri)

ロンドンで買い付けの日々

さてロンドンお仕事編。
1日目はついただけで、2日目は朝から忙しい日でした。

まず早起きして、1つ目はアポイント。
イギリス人ディーラーですが、イギリスのジュエリーというよりフランスや大陸ヨーロッパのジュエリーを得意とする方がいて、メールで一月以上前から色々とやり取りをしていたのです。

これまでも何度もお世話になっている彼女ですが、これまではそこまで取引額はそこまで大きくなかった方です。
しかし今回、なんと私が送ったいくつかの写真や説明にぴったりのジュエリーで、しかももっと大粒のダイヤモンドのジュエリーをいくつも用意してキープしていてくれたのです!
彼女はとてもクールで気の強い、ぱっと見たところあまり人情にあつくなさそうな人なのですが、ここぞというポイントはしっかり抑えていて。
これからも大事に長く付き合っていけることでしょう。


朝イチのイギリス最初のアポイントで、イギリスでの買いつけで組んでいた予算のすべてを消化しそうな大きな買い付けをしました。
だって大粒のダイヤモンドって、最近本当に手に入らないですから、今買わずしていつ買う?ですよ。

目がダイヤモンドになりそうなぐらい、ダイヤモンド、ダイヤモンド尽くし。
Diamonds Are a Girl's Best Friendという言葉が頭をぐるぐるします。

この日、午前中早い時間はとても寒いロンドンでしたが、彼女とは仕事の話はあっという間に済むので(お互い決断はとても早い!)、それ以外に色々雑談してかれこれ1時間ぐらいまったく関係ないことで話し込んでいました。
仕事とは直接関係のないことですが、こうした雑談はとても大事だと思っています。
(もちろん相手も忙しいことが多いですから、タイミングが合えばで、そのあたりを思いやりながらという前提です)

買い付けに力を入れているディーラーさんですので、普段は本当に忙しくされているようですが。
1週間に1回の休みは山登りをしたりと少しアドベンチャラスな非日常を経験するようにいしているのだそうです。
私も少しオフの時間ができるとよく山を登ったり(といっても京都の小さな山ですので片道一時間ぐらいの危なくない登山です)、自転車を飛ばして人があまり来ないような自然の中にいくのが好きなので似ているのかも。

普段、ルーペであまりに細かなものばかり見ているからでしょうか。
またジュエリーを持って歩くのは非常に危険を伴いますので(特にロンドンやパリでは)、そうした意味で、そうした日常の仕事から開放されることが必要だということはとてもよく分かります。
翌日に会ったディーラーさんは、仕事以外ではガーデニングをしているといっていました。
それもまたよく分かる!!!

そのまま一度ホテルに戻り、息もつかないままセントパンクラス駅へ。
友人と待ち合わせです。
同窓会をするのではなく、一緒に郊外の買い付けまでいってもらうのです☆


最近、イギリスに移住した彼女もアンティークには興味津々で快く一緒にいってくれることに。
あらかじめローカルの電車の予約について調べてくれたり、電車の中ではなぜかミカンにホット紅茶に色々持ってきてくれたりと。
異国で買い付けのたびに出ているとは思えないほど、アットホームな電車の旅でした。


ぺちゃぺちゃ話し込んでいるうちに、あっという間に郊外のフェア会場に到着。
残念ながらここはあまり私のお目当てのジュエリーはなかったですが・・・。
こうした郊外のフェアはイギリスもフランスも概して値段はリーズナブルなのですが、「これは!」と思うような個性的で頭一つ洗練されたジュエリーが見つかりにくいのです。

広大な会場から、翌日に行く予定のディーラーさんに一本電話、前回取引をはじめたばかりとまだあまりなじみの少ないディーラーさんです。
「tomokoだけど・・・(分かるかな?)」といったら
「tomoko、○○を買ってくれたよね」とすぐに思い出してくれる。

良いディーラーさんは概して記憶力がずば抜けて良いことが多いです。

郊外のフェアはとてものどかでなかば観光客になった気持ちで和みました。
一度様子をみにきたかったので、次回以降は多分来ないと思いますが良い経験になりました。

ロンドンに戻ってから、先の友人にいろいろと自然食品のお店などを紹介してもらい、おいしいオーガニックのお茶や自然療法のクリーム等(こういうの大好き!)を紹介してもらい、楽しいひと時を過ごしました。
ありがたやーー。
22:27  |  買い付け日記  | 

2015.11.04 (Wed)

そしてロンドンへ

買い付け日記、まだまだ終わりませんーーー。
パリからロンドンへの移動はユーロスター(新幹線)。
なんと二時間半でつくので、感覚的に京都から東京へ行くのと変わりません!

時間節約のために、いつも夜19時ぐらいにパリを出る電車にのっていきます。
そうしますとパリとロンドンの間には一時間の時差がありますから、ロンドンには20:30ぐらいにつくことになります。
前回は六月だったので到着したときもまだまだ明るかったのですが、今回はしっかり日が暮れています。

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ユーロスターは切符はフランスの国鉄のHPから日本でも予約ができます。
今は便利になったもので、切符もそのまま印刷して当日はバーコードを自動改札機にかざせばOK。
今回は遅延などもなく(しょっちゅう遅れるのですが・・・)、無事にロンドンのセントパンクラス駅へ。
ホテルは前回も今回もこの駅のすぐ近く、スーツケースをだらだら引きながら、ホテルまで五分ほどで到着!

アパルトマンタイプのホテルで簡易キッチンはついていますが、ロンドンはパリよりもショートステイですし、マルシェなどの事情もあまり分からないのでまず100%外食です!
スーパーなどでおいしそうなヨーグルトやジュースを買っても甘すぎたりと、イマイチまだイギリスのスーパーでおいしいものにあまりありつけていないというのもあります。


翌日に郊外のフェアに一緒に行く友人にだけ連絡をして、とりあえずこの日は眠るだけ☆
イギリスの携帯会社で無料のSIMカードを送ってくれるところがあったので依頼をしていたのですが、日本を出る前に注文していたのにまだ届いていないとのこと。
このホテルには前回も泊まっているのですが、レセプションってだめだめで、もしかして失くした!?


私がなぜフランスやイギリスの現地のSIMカードにこだわるかというと、これだけグローバルな時代になっても、そして日本の携帯が現地で通じても(今回は壊したので通じませんでしたが・・・汗)、何かとローカルの番号がないと不便なんです。
例えばディーラーさんも日本の番号だと、掛け方が分からないという方は多いですし。
タクシーなどを呼ぶときにも受け付けてくれなかったりします。

いずれ世界共通携帯番号、みたいなものができたりするんでしょうか。
そんな日が来そうな気もしますよね!

19:08  |  買い付け日記  | 

2015.10.29 (Thu)

改めてシェルシュミディ(通り)

さて買い付け日記、まだお付き合いくださりありがとうございます!
パリでの最終日は、長いお付き合いのディーラーさんとのアポがあり、そこでも数点のジュエリーを仕入れます。

博学で、19世紀初頭の王政復古の時代を得意としている方ですが、考えたら最近この時代のジュエリーは、彼女のところでさえなかなか手に入らなくなっています。
今回も彼女のところではそれなりに数多くのジュエリーを譲っていただいて、そのうちの数点はこの時代のものではあるのですが、コンディションがパーフェクトではないものもあったりとなかなか難しくなってきているのを感じます。


そしてこれはこの業界全体にいえることなのですが、ものすごく良いものは今、天井なしに価格が高くなってきています。
そうなると、また皆様にとってもつまらないと思いますので。
それなりに手の届く範囲で、そしてしかも状態もよく他に滅多似ない珍しいアンティークジュエリーは、特に古い時代のものになればなるほど(18-19世紀初頭のフランスアンティークジュエリーになりますと)、天文学的に難しくなってきているなと思う今日この頃です。
もう逆立ちして歩くみたいな難儀なことを求められているイメージです。


彼女とは本当に長い付き合いで、今までも良いジュエリーをご紹介いただいていますが、当然ながら当時、予算の関係などで残念ながら見送ったジュエリーもあります。

最近、「あぁ、あのときのあのジュエリーは絶対に無理をしても買うべきだった!」とよく思い出すことがあります。
とても珍しいアイテムをお持ちの方なので、脳裏に焼きついてしまうジュエリーが多く、そして往々にして全体の市場が厳しくなってきていますので、そのとき逃すとその次はまずそのレベルのものをその価格帯で買えなくなってきている。
あるいは見つからない・・・という。
本当に困ったものです・・・。

でも今回も素晴らしい天然真珠のリングや、ルビーの入ったマーガレットのお花のリングなど素晴らしいジュエリーを譲っていただき、本当このご時勢にしてよく集めてくれているよなと改めて敬意の気持ちがわきます。

さて午後は少しはゆっくりできるかなと思ったのですがそうは問屋がおろさず、もう一件で仕入れをしまして、15:30ごろにアパルトマンに帰宅。

間にさくっと、なぜかパリで「ちらし寿司」を食べる!
日本食屋なのにまったく日本人らしき人はいませんでしたが、魚がフレッシュで適当に入ったのにあたりでした。
パリの口コミガイドでも推奨されたレストランのようです。
しかし醤油が甘口だったのだけは、残念です。

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そこから荷造りをしまして、その日は夜の新幹線でロンドンへ行くので、もう出れるように整えます。

そして1時間ほどの時間の余裕がでたので、散歩!
出かけたのはシェルシュミディなだけにシェルシュミディ通り(rue du cherche midi)。
そう時々聞かれるのですが、店名になっているシェルシュミディとは、パリのとてもスノッブなサンジェルマン地区のストリートの名前です。
もっとアンティーク屋らしい名前にすべきなのかもしれませんが、そうでないところもなかなか気に入っています。

諸々の事務的な用事で社名を言わなくてはいけないとき(例えば領収書をもらうとか、電話の伝言を残すときとか)もまず一回では発音してもらえません。
東京でお世話になっていました税理士さんは何年もお付き合いしていたのですが、ずっと「シェルシュさん」とか、ひどいときは「シェル」でした。
でもそんなところもまた気に入ってます!


シェルシュミディ通りはとても長い通りです。
実は今回滞在していたアパルトマンに平行して走っていたのがシェルシュミディ通りでして、時間のない中でもすぐに散策できたのです。
さて安いスマートフォンの画素の悪い写真で恐縮ですが、さっくりご紹介いたしましょう!


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↓まずここはシェルシュミディの工事現場!
って何でそんなところの写真を撮ったのだろう、私。。。
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大変失礼いたしました。
↓le petit verdotというレストランの看板です。
ここは実は日本人シェフがやっているフレンチレストラン。
それなりの格のお店です。
味にうるさいパリジェンヌにも評判がよく、私のフランス人のわりとこうしたことに詳しい友達も「あっ、そこ知ってるー」って言ってました。
あっ、私もいったことがあります。
しかしフランス人以上にフレンチなサービスでして、確かにおいしかったけど私はリピートしたくないです~~
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↓ごめんなさい、これもシェルシュミディ通りの何かのお店の写真ですが、何を撮りたかったのかもう自分でも分かりません・・・。
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↓これはシェルシュミディ通りの不動産屋の店先の広告。このあたりはパリで一番といっていいほど地価が高い。
102平米のアパルトマンが1,475,000EUR(2億円近く)
私はいつシェルシュミディ通りに住めるんだ!?
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↓ご存知の方もいらっしゃることでしょう、日本でも有名なパン屋「ポワラーヌ」
ここでユーロスターの中で、そしてイギリスの早朝に宿で食べるパンを買いました。
りんごパイとブリオッシュ。
あと、ここのクッキーもおいしいです。
以前はウサギの形をしたクッキーが売っていてそれがあるかどうか聞いたのですが、もうないそうです。
味は変わらないので普通の形のやつをかってきました。
別にウサギじゃなくったっていいんです。

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23:25  |  買い付け日記  | 

2015.10.27 (Tue)

パリでFree ?

気持ちの良い秋の日が続いておりますね。
京都は年間を通じて、暑くもなく寒くもない季節というのが限られ短いですので、本日は少しの間、京都御所の中で仕事をしていました。
京都御所は広大で、その一部を除けば一般の人が自由に入ることができます。
緑地帯のようになっていて、ベンチなどが置かれているのでとても気持ちが良いのです。


さて表題のとおり、パリでfree !

どういうことかといいますと、freeというのは最近フランスで人気がでている格安の通信会社です。
携帯はずっとorangeという日本で言うところのdocomoみたいな会社のものをつかってきましたが、今回のトラブルでいろいろおもったのがセカンドの番号をひとつ持っておいたほうが良いなと思いました。
そしてorangeはやはり旧体制の会社ですから、海外でネット上でチャージをするのに一苦労だったりして、あと料金も決して安くありません!


ということで、4日目のパリの朝、出勤前に朝の8時からやっているという(フランスにおいては超斬新!)Freeへ。
マドレーヌ広場の近くにパリ唯一の店舗があります。

ちょうどその後の10時のアポイントの途中にいくにも便利な場所にあるじゃないですか。
なんとsimカードが自販で買えるそうですが、どんなものでしょう??


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結論から申し上げますと大満足です。
本当に、自動販売機でSIMが2分で買えた!
システムがちょっと独特なので迷うところがあり、ガイドのお姉さんがなかなか捕まらないので苦労しましたが(お客さん10人ぐらいに1人ぐらいしか案内する人がいない!)、私の理解したところは以下になります。

・1ヶ月しか使えない、使い捨てsimカード
・毎月2EURの定期加入。

私は定期加入にしました。
だって2EURですもん!
(これで最低限の無料通話とテキストメッセージの送受信が可能になります)

これで毎回渡仏のために、携帯ショップの開いている時間に店舗を訪れチャージするという手間が省けます。
飛行機を降りて電源を入れればすぐに現地のメールや電話ができるように!
ちなみに月額20ユーロ弱を払えば、ネットもほぼ無制限で通話も無制限になります。
プランの変更もネット上でワンクリックでOK。
これすごく便利ーーー。

何で早くこっちにしなかったのでしょう~~、もっともfreeは最近知られるようになって来た会社です。


早速、登録を済ませると(これが少しわかりずらいのですが)、メールがきてログインなどができるようになるので、あとはWEB上ですべての操作が可能。
しかも感動したのは、なんと自動販売機で番号ポータビリティ(他社で使っていた携帯番号をそのまま維持すること)が無料でできる!
自販で無料でできるというところが、なんともすばらしい。
フランス通信業界の風雲児といわれているのになっとくです。
しかし規制の多いフランス社会においてなかなか大胆なことをしてくれる会社ですね。



旅行者の方にもメリットがありそうです。
自販の操作はかなりわかりずらく、受付はフランス流で不親切な上に人手がまったく足りていないですが、それでも試す価値はあると思いますよ!
ぜひ機会があったらお試しください。

携帯事故で落ち込んだ今回の渡仏でしたが、通信関係のもろもろを見直す時期に来ていたと思うので、結果といてはいろいろ収穫がありよかったです。
フランスは突如デモなど日本では考えられないことも起こりますし
(ちょうど私の数日前に南仏に出張に行った友人が、大雨のためにニース空港が閉鎖されてミラノに飛ばされ30件ほど電話してようやくその日に宿泊できる宿がみつかったとのこと、しかも南仏についてからも町のあらゆるところが水害にあい、クレジットカードがほとんど利用できなかったという話を聞いたばかりです)
やはり現地でも現地の情報がリアルタイムで取れると便利です。

ストライキなどが突然あったりしますから。
上記とは別の件で、最近パリの郊外地下鉄とタクシーの両方が一斉にストライキをして旅行者が空港から市内にたどり着くのに大変な思いをしたということもあったそうです。

いろいろな選択をすぐに取ることができるようにしておく必要をちょうど感じていたところです。
例えば交通機関が全部麻痺してしまったときにuberなどが活躍するはずですが、uber(配車アプリ)もフランスの携帯番号とスマートフォンがなかったらできないのです。
いやはや便利にはなりましたが、ある意味携帯がないとなにもできなくなってしまいましたね。

まぁ、しかし色々旅にトラブルはつきものなので、色々万全にして(次回こそ)臨みたいと思います!



12:02  |  買い付け日記  | 

2015.10.26 (Mon)

パリ 私的買い物編

買い付け日記、仕事から離れて少しカジュアルなお話もしたいと思います。
3日目の夜は、本当は現地に住む友人とディナーの約束をしていたのですが、私は携帯騒ぎで疲れ気味で、彼女は風邪気味な上に翌週に大事な国家試験を控えているということでキャンセルにしました。

さてどこに行きましょう?
借りていたアパルトマンが世界最古のデパートであるボンマルシェの近くだったため、手っ取り早くボンマルシェでのんびりすることにしました☆

パリにはプランタン、ギャラリーラファイエットなど他のデパートもありますが他のところはまず行かないです。
だってボンマルシェが好きだから!
なんていったって建物から好きだし、その充実した食品館は滞在中に一度は覗かないと落ち着きません!


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ボンマルシェそのものも好きなのですが、この界隈一帯がパリの中でも好きなエリアなのです。
ちなみに店名のシェルシュミディ(cherche midi)はこの界隈のストリートの名前なんですよ。


ボンマルシェはちょうど「ブルックリンウィーク」でした。
店内はブルックリンがらみの様々なアイテムが売られていたり、ちょっとしたプロジェクターで映像を流していたりと、デパートでありながらちょっとギャラリー的な楽しみ方もできるのが、ボンマルシェのいいところです。

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ボンマルシェで買わなくてはならないのは、お土産用の食品と・・・。
あとは自分用のほぼ唯一の買い物であるストッキング(というかタイツ)!
なぜ老舗デパートでタイツ?と思われるかもしれませんね。
この数年、フランスのbleu foretというタイツを秋冬はずっと愛用しています。
日本ではドゥロワーなどに一部おかれていますが、お値段も高いですし、色が本当に少ししかおいてないんです。
フランスらしい茶系の色や特に日本ではおかれていないブルー系のタイツを、大人買いします!


一度たまたまかって履いたのがご縁なのですが、一度はいてしまうと絶対に他のタイツがはけなくなります。
全然チクチクいないんです。
ほとんどがコットンか、あるいは種類によってはウールか混合されていますが、いわゆる化学繊維がまったくといっていいほど入っていないので履き心地がとても良い上に、フィット感もよく、色がよく、温かい!!!!!
なんだか回し物のように熱く語ってしまいましたが、本当にいいです。
一時期、輸入して販売できないもいのかと思ったほどです(^-^)/


しかしひとたびタイツを買ってしまえば特に目的もないので、閉店間際の人の少なくなったボンマルシェをひたすら、ふらふらします。
デパートの中は引ったくりなどの心配もないですし、夕方(というか19時過ぎ)のボンマルシェは優雅な時間が流れていて癒されます。
お洋服はもちろんインテリアを見るのが好きです。
結局買ったのはタイツだけだったけど、たまには一人でパリで自分と向き合って!?良い時間がすごせてエネルギーチャージできました。

21:28  |  買い付け日記  | 

2015.10.24 (Sat)

Day 3 買い付け編

パリ滞在3日目。
お昼ぐらいから郊外に向けて出発(この日もお昼抜き、決定!)
懇意にしているディーラーさん宅へ。
駅からも少し距離があり、私が何回もきているのにまったく道を覚えないので、ディーラーさんが駅まで迎えに来てくれます☆


男性ディーラーですが、いつもとても気が利く人で、

ケーキにシャンティクリームを乗せてくれたり、「紅茶はマリアージュフレールだよ。暑かっただろうからお水飲む?」
「コントレックス、エヴィアン?」とか、本当に至れり尽くせりです。

実にマメです。

私:「ねぇ、昨晩、私馬鹿なことをしちゃった、話していい?(携帯事件を話したい!)」

彼:「嫌!」

私:買ったばかりで充電不足のスマートフォンを勝手に人の家でチャージしている。

彼:「いつの間にかチャージしてるのね。そうよ、自分の家のようにしてちょうだい。」


と、いつも軽快なおしゃべりが続きます。

半ば友達と話しているような感覚のする彼ですが、実はディーラーとしては非常に優秀でおそらく今、パリでもっとも同業者から引っ張りだこな人です。
昔からの在庫も含めて、とにかくいつも買いに積極的だからです。
顔もひろく人当たりが良い上に、足で稼いでかなり量で勝負している人なので、品不足のパリにおいて比較的モノを持っているのです。。


夏の間の収穫を最初にお披露目するのが、その翌日から始まるフェアであったため、ひっきりなしに彼の携帯に電話やメッセージ、ラインが入ります。
その中には「tomokoに先にプライベートで見せるんじゃないでしょうね?」
といったものもあり、ライバル意識を感じます


確かに最初に見せてもらったほうが絶対得なわけで、これはロンドンでもそうなのですが。
現地のディーラーさんの供給源になるようなディーラーさんはいつも多くのディーラーさんから「私(僕)に先に紹介して、魅せて!!!」というアプローチとプレッシャーを受けるんですよね。

どうやってプライオリティを得るかは、やはりこれまでの実績などもあったり人としての関係もあったり、その人のビジネスのやり方や優先順位もあったりといろいろあるので一筋縄とはいきません。
私はちなみにそこまで抜きん出て彼から買っているわけではないので、このように優先してくれるのは本当に有難いことです。
しかし同時に「優先してもらうこと」は、必ずしも求めていい事ではないとも思っています。
優先してくれればそれには感謝するけれど、強制することではできないことです。


フランス人はムーディーなところが多分にあり、好き嫌いで仕事をするところも多く、フランス人的な気質を少し持っている私には非常にやりやすいのですが、ロンドンのディーラーさんなどはもっとシビアです。
世界中からもっと多くのディーラーさんが集まってきますので競争ももっと激しいです。
そうした中でどうやってそれを獲得していくかがまさにこの仕事の肝となるところです。


大事なのは仕入れる額や量だけでなく、私がどういうスタンスで仕入れや仕事をしていてるかというところも話して人として親近感を持ってもらったり信頼してもらうことは基本にありますし。
もちろん基本的なことをきちんと分かっていることを、分かってもらうことも取引をはじめたころは必要なことです。
自分がこの先伸びていくか否かもしっかりチェックされているようにも思いますので、そのあたりもどうやって伝えていくか、デリケートかつ肝のところです。
多分、絶対的に正しい方法とかはないので、ディーラーさん一人ひとりと人として付き合っていく中で、改善すべきところはしていって・・・・はっきり言うべきところはしっかり言って・・・みたいに模索しながら繰り返していくことになるのでしょう。

というわけで比較的まじめな話になりましたが、このディーラーさんとは、ノリとしてはまさに友達のようでいつもきゃっきゃきゃっきゃしています。
あっという間に時間が過ぎていく、帰りにまた最寄の駅まで送っていってくれて(さすがにもう帰れるけど・・・)、ハグをして別れます。
ここで今回の目玉のペルピニャンガーネットのネックレス等、初日に続いてそれなりの点数を入れました。
23:12  |  買い付け日記  | 

2015.10.23 (Fri)

Day 3 in Paris 携帯トラブル 解決の巻

さてパリで迎える3日目の朝。
この日の午前中は唯一のオフだったのですが、その前の晩の携帯事件のせいで呑気に散策とはいかなくなってしまいました(> <)

まず朝、あまりのショックで早く起きたため、近くのカルフールにいき、携帯につまってしまったSIMカードを取り出すべく、ピンセットを入手!
しかしあまりに奥につまっていたため、結局役にたちません。
まぁ、カルフールのチョコレートも一緒にかったので(これスーパーのチョコレートとは侮れない、おいしいんです!)、良しとしましょう。

carrefourchocolat.jpg

フランスで使用している携帯会社ORANGEの支店がアパルトマンから徒歩一分ぐらいのところにあったので、朝イチで飛び込みます。
比較的優しそうなお姉さんに、「せめてSIMだけでも救いたいんだけど、取ってください」とお願いする。

しかし強引に私が逆向きに押し込んだためかなかなか取れない!
(私、この時点でなんと2つのSIMカードを一つの携帯に押し込んでいたのだと勘違いしていましたが、友人が前の日の夜、アイフォンのsimカードは生存を確認した上で、機械そのものはこわれているけれど元のアイフォンにきちんと戻していてくれたのでした。)
しかしあまりに動転していてすっかりそのように思い込んでいた私・・・。

お姉さん:「これ、無理じゃない!?」

私:「そこを何とか、番号変えたくないし! この際、機械は壊していいから(こちらは海外出張時にだけ使っていた5年ぐらい前のアイフォンでもないとても古いスマートフォンでそもそも半分壊れかけていたので)、頼む!」

お姉さん:「機械壊していいのね。」
大きなカッターを近くの同僚に持ってこさせて「じゃ、行くわよーーー!!!!」

ポッキン。

おぉ、SIMカード取れた!
あまりに強引にとったので周りの枠は壊れて(しかしこれは簡単に修理可能であることが分かる)、携帯も約束どおり壊したけど。。。

いやぁ、こうした掟破りのことをしてくれるのがフランスですね。
ドコモなど日本の携帯会社ではたとえ顧客が「壊していい」といっても、規約的に壊してまで、顧客の希望をかなえてくれないような気がします。
フランス人の、こういうフレキシブルというかむちゃくちゃなところが好きなんですよね。


その後、simカードの枠を作ってもらいに、そこから徒歩5分ぐらいの(幸いなことにすべてが近かった!)ORANGEテクニカルセンターに行き、受付でお兄さんというかおじちゃんにちゃちゃっと直してもらい。
携帯本体を買い換えなくてはいけないのでそこで買おうとしたら、
「ここのはsimロックかかっちゃってORANGEしか使えなくなっちゃうから、FNAC(フランスの書籍&電化製品のお店)に言って買ったほうが絶対いいよ。」
とORANGEに雇われているくせに力説するので、そのすぐ目と鼻の先のFNACへ。

・simフリー
・カメラが使える(デジカメをもってきてないので、アイフォンが壊れている中、出張中の写真を撮るのに必要)
・スマートフォン機能(メールとかやっぱりこちらの携帯でもチェックできたら便利)
・1万円以下
でありませんか?


といったらなかなか手ごろなお値段の携帯電話を勧めてくれたので、迷う時間ももったいないのでそれで即決!
それから・・・アパルトマンに戻っては何か不備があったときに二度手間になるので。
そのすぐ近くのカフェに入り込み、ウェイターさんにハサミを借りて、買ったばかりの電話機に直してもらったばかりのSIMカードを差し込む(そうすればトラブルがあったときにまた、テクニカルセンターにすぐに駆け込める!)

案の定、動かない。

テクニカルセンターに再び駆け込む。
なんと(またもや!)挿し方を間違えていたようである。

半ばハゲかかったORANGEテクニカルセンターのお兄ちゃんに嫌がられながらも色々初期設定をしてもらい、ようやく無事終了!

日本のアイフォンは相変わらず死んだままですが、とりあえずフランス携帯(番号変わらず)復活し、しかもスマートフォンでローカルのネット接続も可能になり、外出中でもORANGEの回線でネット検索したり、e-mail見たりめちゃくちゃ便利になりました。

しかも下記の写真のとおり、知らずに買いましたがダブルSIM仕様でした。
doublesim.jpg



ダブルSIMとは日本ではあまり馴染みがないですが、1つの携帯に2つのSIMカードがさせる電話機で、例えば通話は○○で通信は新興の通信会社の△で費用を抑えるといったことが可能になります。
また国外に出たときはとりわけ便利で、私はこの後にフランスのSIMカードとイギリスのSIMカードの両方を挿して使うことを覚えました。


というわけで上記の作業がいずれも近くに集約されていたので、無事に小一時間で終わり、唯一のオフゆえに近くで私用の買い物も済ませることができランランラン。
午後イチのアポがかなり郊外なのでお昼過ぎにまた仕事に戻りましたーーー。
22:19  |  買い付け日記  | 

2015.10.20 (Tue)

パリ、携帯水没事件

さてさて買い付け日記の続きです。
パリでの2日目、仕事が順調すぎるほど順調に進み、夜は昔からのフランス人の友達と夕ご飯の約束をしていたので彼のアパルトマンへ向かいます。

友人Dは以前はパリ18区のあまり治安の芳しくないエリアにアパルトマンを2つ所有していたのですが、1つを売り、そして最近になってこの割とスノッブな17区のエリアのアパルトマンを購入したのです。
17区はスノッブなエリアとあまり治安のよろしくないエリアが混ざっていまして、西側(というか南側)はかなりスノッブなエリアです。
ユダヤ人街という一面もあり、通りの名前などにもユダヤ系由来と思われるネーミングが多いです。

彼が今回買ったアパルトマンもかなりブルジョワ的なエリアにあり、その最上階はもともとはメイドルームだったのですが、もちろん綺麗に改装してあり、勾配がかえって雰囲気がありいい感じ。
今回もともとこのアパルトマンが結構広いということで、「泊まっていいよ」という話になっていたのですが
(あっ、ちなみに彼は男性ですが、いわゆるあまり女性に興味がない部類なので色々な意味でOKなのです!)、
聞くと改装工事がかなり間際まで入っていたので、どうせフランスは遅れるだろうと今回は遠慮したのです。
そしたら案の定遅れていて、なんと友人も前日に引越しを終えたとのこと。
当然、アパルトマンはダンボールだらけで家具はまだ来ていない!
改装工事はとてもセンスよく終えられていてその写真もとてもたくさん撮らせてもらっていたのですが・・・。
その後の事件により残っていません。

さてさてアパルトマンの中はダンボールだらけでそこでアペリティフでワインを飲んでいたのですが、なんといってもまだ椅子さえきていない!
二人で近くのイタリアンに食事にいくことにしました。
地元の人でにぎわうなかなか素敵なレストランです。

この友人Dとはもう20年ぐらいの付き合いで、男女とか国籍とか超えて私が本当に時々絶対会いたくなる友人の一人で、根本的に色々な感覚がとてもよく似ているソウルメイト的な人物です。
フランスと日本というまったく異なる社会に住んでいながら、その時に関心あることとかが驚くほどにていて、いつも政治や社会、ビジネスの話など話題はつきません


今回は例えば最近世界中で注目され始めているuber やair bnbの話にもなりました。
uberはアメリカではじいまったタクシーの配車アプリサービスですが、最近パリやロンドンも席捲しています。
フランスのタクシー会社といえばこれまではtaxi bleu とtaxi G7のほぼ独占状態でした。
タクシーといえば日本もそうですが世界中どこでも既得権益の強い業界ですね。
それはやはり「無線」というシステムにありました。
そうした意味でuberは新しい挑戦者。
air bnbは従来の旅館やホテルへの挑戦者といえますね。
実際パリは今、ものすごくair bnbをする人が多いんですって。
でもこうした新しい覇者はある意味また市場を独占していくんだよね、という話や。

あと私は日本はわりと最近社会的に内向き傾向が見られると思っていて、また教育もどちらかというと「強い日本(それがある意味過去の栄光であっても)」というのを目指すような動きがあるように思うんですよね。
彼はフランスもまったく最近同じ傾向があるといっていて。
「フランスって自由の国とか言って結構しがらみが多いんだよね」と。
日本はとにかく規律の厳しい国というイメージがあるけど、案外自由な部分もあったりして。
「日本もフランスも、色々面白いアイデアとか人とかがいながらもいるのに、近年はなかなかしがらみに縛られていて社会の変革がうまくいかないというところがとてもよく似ているんだよね。」と。


確かにフランスと日本というのはまったく異なるのに、なんだか最近とても似ているなと思うところもあって、そんなこんなで盛り上がりワインを一杯のみ、二杯のみ、三杯のみ・・・。
あっ、スパークリングウォーターももらって。。。
それであまりに楽しく過ごしていたら、その水の入っていたグラスを倒してしまいました。
その斜め下の椅子の上にはハンドバッグを置いていて、そのハンドバッグのサイドポケットには携帯が二つはいっていて、そしてご丁寧にそのサイドポケットのチャックが開いていてそこたっぷり水が入ってしまいました。。。。

しかもバッグはまずいと思ってすぐにふき取ったにもかかわらず、サイドバッグが開いていたことにすぐに気づかない私たち。
やがて「あっ、一緒に写真をとろう!」といってようやく携帯がびちゃびちゃになっていることに気づきました。
時、既に遅し。。。


やってしまいました。
動転する私の横で、彼がSIMカードを取り出し自分の携帯に入れて無事を確認してくれたのですが、今度はあせってSIMカードを間違えた方向に力づく出いれて取り出せない!!!
私:「あぁ、私もうだめ・・・帰る!」

友人:「タクシー(じゃないuber)呼ぼうか」

私:「いい、もう地下鉄で帰るから(なぜか逆切れ)」

友人:「ごめんね(なぜ彼が謝ってるんだか。。。)」

よくわからないけど心配する友人を振り切って地下鉄で帰ってしまい、既に結構遅かったし酔いも回っていたし、うっかり降り口間違えて夜遅いのに一人でふらふら歩き余計危なかったと今、振り返ると思います。
ダメなことをしてしまったということはもちろんのこと、その後のSIM入れ違いとか、地下鉄で帰るとか。
幸い何もなかったとはいえ、きちんとした判断をできないのは私のだめなところだよなーと自己嫌悪に久しぶりに陥りました。。。
あぁ、次回から断酒すべきだな。


友人にはなぜか逆切れしてしまったので、次の日に電話をして謝りました・・・・。
いつも本当にごめんね、それでも長く友達でいてくれてありがとう☆
一度は落ち込みながら、なぜか必ず短時間で浮上できる自分のお気楽さと何度もドジなことをするアホ加減。
自分自身あきれながらも「もう仕方ないな」と自分自身と気長に付き合えるようになってきました。
そういうことがもしかしたら年齢を重ねるということでしょうか!?(あっ、違う?)
よく分からないけどその後は比較的きちんと事後処理ができるあたりが(しかしドジは相変わらず直らないあたり)自分でもよくわかりませんーーー。
22:12  |  買い付け日記  | 

2015.10.19 (Mon)

買い付け日記 Day2 in Paris

さて初日はついただけで、飛行機であまり眠れなかったせいか、夜の22時から朝の8時までぶっ通しで眠ってすっかり元気になり二日目を迎えます。
この日は午前中は、アパルトマンにパリの郊外からディーラーさんが来てくれるとのこと。

午前中10時の約束まで少し時間があったので、近くで食料品の確保とディーラーさんと一緒にたべるおやつを買います。
クレームブリュレを用意。
そして珈琲メーカーに珈琲を落としていると電話が!
あわててマンションの下まで迎えに行き抱擁をかわします


彼女と会うのは実に一年ぶりなのです。
というのも前回渡仏したときは、田舎にいっていてパリにいなかったのです。
しばらく諸事情で「売り」をしていなかった彼女の在庫は素晴らしく、初日の最初のアポイントで非常に大きな収穫を得ます。
それからあれやこれやと近況報告。
考えたら3時間近くたっていて焦ります。


私は行き当たりばったりのマーケットで1点ずつベストプライスを求めるといったやり方を取らず、これぞと思った数人のディーラーさんと毎回会い、長年付き合うようにしています。
もちろん赴いたマーケットなどでたまたまお得なものを見つけたらピックアップはしますが、昨今はそうした場所でお買い得品などめったいにないのが現状です。


仮にその時、たまたま在庫がそれほど充実していないとしてもお会いした限りは少しは買うようにしています。
そうして良い関係を細く長く続けていくのです。
今回フランスで仕入れをしたディーラーさんの全員と最低5年以上のつきあいで、会うたびに時間が許す限りお互いの近況とマーケットの状況(例えばフランスの地方のマーケットやオークションの状況等)について話し込みます。
共通で知っているディーラーさんも何人かいますから、その人たちの話にも及ぶことがあります。

時にはそれは国をまたいでロンドンのディーラーさんの話にも及ぶことがあり、結局私たちはどこかで皆つながっているのです。
大事なのはできるだけ供給源に近いところで仕入れをすることです。
そしてその方がなぜ良いものを供給できるかを把握はするようにしています。
そしてここぞと思ったディーラーさんとは少しずつ関係をはじめて、定期的に長く、そしてお会いした時はある程度まとめて取引をするということを心がけています。
それは誰かにそうしたほうが良いよ!と教えてもらったことではないのですが、それが良いと思っているからです。
そして他のディーラーさんもまた私とは異なる、別の大事にされている仕事のやり方をきっとお持ちでしょう。

次のアポイントまで余裕と思っていたのに結構ぎりぎりの時間になってしまいました、お昼抜き決定!
彼女とまたハグをしてわかれ、今度は少し郊外の方へ今度は私が地下鉄であわてて向かいます。

滞在していたのはこのvaneauのあたりです。
このあたりは皆様が思い浮かべるパリがまさに体現できるところでお薦めです☆

vaneau.jpg

次にお会いするマダムも、とてもおしゃべり!
噂話も好きで本当にいつもアップテンポで盛り上がります。
しかしこのディーラーさんは少し大きめの(価格もはる)ジュエリーが多いので、選ぶときは慎重です。
彼女は私と同じく、1910年前後のジュエリー(つまりアールデコのちょっと前、イギリスでいうところのエドワーディアンで、フランスで言うところのベルエポック後期)が大好きで、いつもその話にもなります。
結局、今回もこの時代あたりのジュエリーを数点入手!


それからまたマシンガントーク。
その後、彼女も予定が詰まっていたのでわりと慌しく分かれましたが、今度「夕ご飯食べようよ」と。
そうだね、今度夕ご飯を食べよう!
いつもお互いそんなことをいっていて、買い付けのときは私も慌しくしていてお茶ぐらいしかできないのですが、たまにはゆっくり結うご飯もいいかも。
毎度温かくそして刺激的に迎えてくれて、仕事絡みの人間関係でありながら一方で久しぶりに会う友人みたいな感覚もあります。

「明日はどこを回るの?」といった雑談にもなり、
「うんうん、なるほど彼は今、割と持ってるよね」
とかいろいろ他のディーラーさんの話にもなったりと、とにかく世界は狭いこの業界なのでした!

その後、夕方は少しだけ時間ができたので個人的な買い物を済ませ。
そしてこの日は夜ご飯を私的な友達と約束していたので、17区に向かいました。
そしてその夜、大変なドジをしてしまうとも知らずに、この頃は良い買い付けができたと気分もルンルンでパリの街を歩いている私でした・・・。


21:06  |  買い付け日記  | 

2015.10.18 (Sun)

買い付け日記のスタートです 「関空からパリへ」

買い付けがはいり、ブログが一休みしてしまっておりました。
申し訳ございません。
買い付けのときに起きたいろいろなこと、皆様とシェアしたくてうずうずしています。

さて今回も買い付け日記を少しずつ書いていきます。
きっと長くなると思いますが、どうかお付き合いくださいませ。

さて初日!
今回も関空からパリへ。
関空からヨーロッパへの直行便は決して多くありません。
私はいつもの通りエールフランスで向かいます。

フライト中はあまり眠れませんでした。
私はよくトイレに行くのでいつも通路側の席をとっているのですが、お隣2人はフランス人の元気なおばあちゃん二人組み。
なんともニューカレドニアに3週間のバケーションにいってきたそうで(パリ⇔ニューカレドニア間に直行便はなく日本で乗り換えになります)。
「現地で、日本人の結婚式もやってたわよ」
とか、やたらテンションが高い!


やたら話しかけてきてくれて、まぁ有難いのですが、最後着陸に向けてようやく眠れそうになったとき、私が眠りかかっているのにツンツン。

おばあちゃんたち:「on descend (降りるわよ)」

私(寝ぼけていて)「quoi ? (何?)」

おばあちゃん「だから降りるわよー、もうじきつくわよー!」

もう~~~。
飛行機なんて下降を始めて実際につくまで小一時間かかるんだから眠らせてくれーーー。
とまぁ、なんだか陽気な?フライトでした。


近頃テロ警戒のためかやたらと厳しい入国審査も嘘のようにいい加減で、順調にフランス入り。
夕方につき、ラッシュ時間はタクシーで向かうと非常に時間がかかるため、RER(郊外地下鉄)で宿に向かいます。
ついたときのパリは小雨。
パリまで向かう車窓からは相変わらずダメダメなparis nord(パリ北部)、治安の悪いエリアを電車が突き抜けていきます。

車窓から見える風景。
「花の都パリ」とは思えない風景ですよね。

parisnord_20151018164333968.jpg


こうした高い無愛想な建物がいくつも建っています。
これがまた悪名高い低所得者用の公団HLMです。
(電車から撮った写真なのでぶれていてごめんなさい、でも歩いて間近で写真撮影することはまずないエリアです)

parisnord2_20151018164335b8a.jpg

電車の中から翌日の朝イチのアポイントのディーラーさんに電話をしておく。
たまたま通じなかったので、留守電とTEXTメッセージを残します。
「無事に着いたから明日約束どおりよろしく!」
という内容です。
しばらくしたら「OK, 明日は約束どおり10時にいくねー」というテキストメッセージが帰ってきて一安心。

こういうのって仕事を順調に進めるのに(たとえばお互いの遅刻などで相手を待たせてしまうなどのロスを防ぐのに)有効です。
1-2分の手間をかけることで、次の日の仕事の安定感が増すのですから。

ラッシュ時ではありましたが大きなスーツケースを抱えてRERから地下鉄に乗り換えて、割とスムーズに予約していたアパルトマンに到着!
そうなんです、私はパリではいつもホテルではなくアパルトマンを使っています。
懇意にしているエージェントさんが待っていてくれて、今回も素敵なアパルトマンをご紹介くださいました。

部屋の中はこんな感じ。
まぁ普通といえば普通ですけど、同じ価格帯のホテルよりずーっと広くて居心地が良い。
しかも洗濯機に食洗機になんでもついてます。

appartement_7emeJPG.jpg

そして場所はボンマルシェのすぐ近く。
「最寄地下鉄駅から徒歩0分ですから!」という言葉の通り、本当に便利な場所でした。
今回いろいろなハプニングがあったにもかかわらず、それを乗り越えることができたのは、何かと便利の良い場所に滞在していたということもあると思います。

bonnemarche1.jpg

宿に着いてひと段落したらもう20時近く。
とりあえずボンマルシェの食品館で当面の食料を買って初日は終了です!
16:55  |  買い付け日記  | 

2015.08.19 (Wed)

自由、自由じゃない?フランス社会

買い付けから戻ってだいぶたちますが、お伝えしたいと思ったことを備忘録的に書いていきたいと思います☆
私がフランスに行くときは大体、エールフランスに乗ります。
エールフランスは日本発便でも、フランスの新聞を置いてくれていまして。

たいてい「ルモンド」と「フィガロ」を一部ずつもらい、機内で特に一面を中心にざっくり目を通すようにします。
というのもやはり一面に出ているようなニュースは、現地でも話題に上ることが多いですし、久しぶりにパリに行くのですから日本ではあまり伝えられないローカルなニュースも少しキャッチアップしたいところです。


今回面白いなと思ったニュースが、パリのアパルトマンの賃貸料に規制が入りそうとういもの。
すでにリールというフランス北部の都市で導入されている制度がどうやらパリでも実施される予定とのことです。

日本的にはちょっと信じがたいニュースなのですが、どういうことかといいますと。
たとえばエリアごとに細かく区切って。
たとえばパリ6区のこのエリアの賃貸料は平米あたりAユーロからBユーロの範囲内にしてね、と行政が決めるというもの。
その閾値を下回ることも、上回ることも原則的にはNGになりそうとのことです。


これものすごい共産主義というか、社会主義といいますか自由競争社会とは思えない法律じゃないですか!?
現地の友人ともその話がでて
「もうフランス政府って本当にあほ!だって不動産の価値を決めるものって、無数にあるでしょう」」っ
て憤っていました。

一応バルコニーの有無はその閾値を決める際に考慮されるそうですが、それ以外は原則場所(場所に関しては細かく区切られる)以外は考慮にいれられません。
でも同じエリアのアパルトマンでも
-日当たりの良し悪し
-どれだけ水周りがきれいにリノベーションされているか
-眺望のひらけているところ、眺めが悪いところ
-間取りのよしあし
-フランスは家具つきのアパルトマンも多いですからその家具や備品のグレード
-階数など
その物件の魅力を決めるものっていっぱいありますよね。

もともとこの法律の目的は、毎年あがり続けるパリの不動産賃料を抑制することだそうですが・・・。
実際に家主でもあり実際に人に賃貸物件を貸している友人Dいわく
「こんな法律が施行されたら家主にとっては何もしないのが得になるのだから(建物に手を入れて付加価値をつければ、当然賃料は上げたいというのが家主の心情)、パリの賃貸不動産のクオリティーが下がることになるよ!
ただでさえパリは賃貸物件を借りる需要が物件数を圧倒的に上回っていて、どんなひどい物件でも借りてがついてしまうような現状。
手を入れただけ損するのでればますます大家は何もしなくなるし、質のよい住まいをパリ地域で借りるということが現状ただでさえ大変なのに最悪なことになるよ」と。


次の日に夕食をともにしたパリ在住の日本人の友達ともまたこの話に。
彼女は2年ほど前に結婚したばかりで、もしかしたら近いうちに赤ちゃんもほしいし・・・ということで手狭になったアパルトマンの借り換えを考えているようなのですが、パリは本当に貸し手市場でだんなさんも彼女もフリーランスだと、物件を見せてもらうのも難しいほどなのだとか。

いやはや・・・
どの国も行政のやることって、どこか少しピントがずれている!?
それにしてもフランスって自由な国とかいいながら、社会のシステムは非常に規制が多く、ちょっと社会主義的なのです。
たとえばセールの時期なども国で決められているのですよ。

ニュースとしてはちょっと面白かったです。
フランスのプチねた、アンティークジュエリーとは直接関係ないですが面白いねたを見つけたら今後もご紹介してきますね。

ちなみに下記は別のフランス人の友達のアパルトマンの中からとった写真です。
エッフェル塔をはじめ、パリのあらゆる名所を眺めることができる絶景。
このアパルトマンは彼女とパートナーで実際に住んでいる部屋で賃貸用ではないですが、こうした部屋が実際に仮に出されるとしたら、付加価値は半端ないですよね(本来は・・・)!

parisappartment.jpg

14:13  |  買い付け日記  | 

2015.07.31 (Fri)

買い付け日記 「トラブル編」

さて毎回ご好評?の買い付け日記、トラブル編!
今回も(残念ながら)盛りだくさんです。

さて今回の困ったベスト5は・・・。

No5)ユーロスターが遅れた
先の買い付け日記でも少し書いたのですが、夜逃げのように時間に追われてパリのアパルトマンを出たにもかかわらず、パリ北駅でロンドン行きのユーロスターに遅延が。。。
その前の電車まで順調に動いていたのに、「ついてないな」なんて思いました。
30分遅れなんて可愛いものなので、いいんですけど、トラブルがあったというニュースが入ると、ヨーロッパでは平気で欠便などもありえますので、(最悪の時代が頭をかすめるので)動き出すまではどきどきしました。


No4) パリで私物の買いもののために薬局にいったお話は先のブログでもご紹介したのですが、実は予約した次の日にその薬局に戻ろうとして他の(隣の)薬局にいってしまったのです!
あまりに買い付けで疲れていたのか、記憶違いしてしまっていたうようで(汗)
「予約書」と言うのを見せても、
お店のお姉さん:「これ、当店の用紙じゃないですよ、本当に当店で予約しましたか?」
と言われて。
その時点ですぐに気づけばいいのに、なぜか完全に思い違いしていて
私:「そんなバカな、確かにここで注文しましたよーー」
と言い張る、はた迷惑な客です。
まさかと思い、隣の薬局に行ったらスムーズに出してくれまして、あぁ、お姉さんごめんなさい!!!


No3) パリのアパルトマンの建物内の鍵が壊れていた
「セキュリティーは気にしているので、レンタルアパルトマンも数重のセキュリティーがあるところを選ぶようにしています!」と自信満々に言いたいところですが・・・。
今回のアパルトマンはまず「建物全体に入る鍵、ガラスの内扉、お部屋に入る鍵」の三重構造だったのですが、このガラスの内扉のリモコンがなぜか壊れていました。
鍵では開くのでそのまま放っておけばよかったのですがうっかり指摘してしまったところ、滞在中に工事がはじまってしまい、そしてなぜか工事のお兄ちゃんは私の部屋の前で大音量でi padで音楽をかけていたので、プチ困りました。

工事で人が出たり入ったりしますと正直、貴重品を持っているだけにセキュリティーも気になります。
幸い何もなく、そしておにいちゃんも夜には帰ってくれたのでまぁよしとしますが、それにしても工事のお兄ちゃんが夜の20時まで、廊下で大音量で音楽をかけてしまうというのがフランス的ですなぁ。


No2)アムステルダムから帰国便に乗ろうとしたところ、荷物のチェックインに失敗した。
近年のヨーロッパは街の至るところでIT化・機械化が進んでいるのを感じます。
それはそれで便利で、例えば今回もネットでアムステルダム→関空の便にチェックインをしそのメールをI-phoneに送っておけば、それが搭乗券になるとう便利なものでした。

しかし荷物の預け入れまで機械化されており、機械で預け荷物を手続きするようになっているんです。
パソコンや搭乗券のスキャンは順調にいったのですが、荷物につける紙製のタグみたいなのありますよね。
あの巻き着け方を心配だったために、ぐるぐる巻きしすぎたせいかエラーを出してしまって。
タグをつけていないのにスーツケースが吸い込まれていってしまって、悲鳴をあげていました。

「Help, help ! きゃー、助けて。。。誰かーーー」

みたいに恥らいなく英語で叫びまくり、スタッフの人にも周りの人にも笑われてしまいました。
すぐに対応してくれて大丈夫でしたが、タグを外したままスーツケースが吸い込まれていってしまった時はあせりました!
きゃー、恥ずかしい。。。


そして記念すべき第一位は!!!
No1) ロンドンのホテルでいらいらして、ノートパソコンを水没させて壊した。

ロンドンには夜遅くついたせいか、地下の部屋に通されることが多いです。
今回も、建物の端っ子の地下の薄暗い部屋しかあいてなく・・・。
予約のときに「できれば上階で」と言うリクエスト出していたし・・・、とその時点でかなり不満はあったのですが仕方ないので我慢。
ところが。
翌日、早朝から働き少し休んでから午後の仕事に出かけようとしたところ、尋常ではない音が上階からしてきます。
はっと外を見てみましたら何と真上で改装工事の真っ最中!!!
しかも終日だそうです。
あまりの尋常でない騒音に再び、フロントへ。
「ほかに部屋はありません」の一点張りでしたが、何度もクレームを言うと、ようやく出てきました最上階のお部屋。
しかし本当、ここのホテルは前日もその日もスタッフの対応がひどくて(概してイギリスのホテルのホテルマンの態度はフランスのそれよりも一層ひどい、おそらく非常に待遇が悪いのです)、エレベーターもなく建物の端から端への移動であるにもかかわらず一切の手伝いもなし。
いらいらしていたら、うっかりノートパソコンにペットボトルの水をぶっかけてしまったのです。

それからすぐにドライヤーで乾かすなどをすれば助かる場合もあるそうなのですが、

電化製品=水が命取り

と言うこともあまりきちんと理解しておらず、表面を軽くふき取っただけで電源を入れて閉まったら完全にショートしてしまいました(涙)
あーあ、ふんだりけったり。
でも出発前から既にあやしい動きを見せていたパソコン、いずれにせよ帰国後買い換えなくっちゃと思っていましたので、まぁよしとします。

それにしてもイギリスのホテルは夜遅くつくと、必ず地下の部屋にされてしまいます。
ホテルっていくらレビューを見ても、最終的にはどんな部屋をあてがわれるかは分らないですし、スタッフの対応によって滞在の快適さは大きく変わりますよね。
そう考えるとやはりロンドンでもレンタルアパートの方がいいかなと思っています。
私はとにかく出張の時に太陽が見れないくらい部屋って、しんどいんです。。。
日が差すだけで本当に人生は楽しく感じられるし、特に忙しい出張の時は元気がもらえるんです。
人によって拘りポイントは色々あると思うんですが、日当たりなんてどの部屋にされるかによってホテルの場合ぜんぜん変わりますからね。
しかしロンドンの短期貸しアパルトマンって調べてみてもあまりなさそうなんですよね。
どうなんんでしょう!?

という訳で今回の買い付けのたび、トラブル編でした。
色々気をつけているつもり(本当か!?)でもやはりトラブルは欠かしません。。。

写真はロンドンの宿泊先の近くのパブ。
滞在中もいったことはないですが、なかなか素敵。

IMG_5982.jpg
15:14  |  買い付け日記  | 

2015.07.28 (Tue)

買い付け日記「私的お買い物編」

先日完了いたしました「買い付け日記」。
「楽しく読んでいます!」と言うご感想をいくつか頂きまして、調子にのって番外編へと移らせていただきます!

番外編では直接、ジュエリーの買い付けとは関係のない、まず私が私的に買ったものについてご紹介です。


1)バッグ。
かなり前にやはり以前フランスに住んでいた友人に教えてもらい、ルイヴィトンよりシャネルより(そもそもこうしたブランドのバッグ、持ってない・・・)好きなバッグブランドがあります。
バッグ好きな方にはひそかに有名な工房で、ジャックルコー(Jacques le corre)というメーカーです。
帽子屋さんとしても有名なジャックルコーは、日本ではHP Franceが取り扱っていますが、日本で見ることの出来るサイズや色は相当限られています。
フランス本土でもブティックはなく、アポイントを事前に取り、サロンで見ることが可能です。

はじめてジャックルコーのバッグを買ったのは確か2010年。
それからパリに買い付けに行く度によりたかったのですが、なかなか時間が取れずにいました。
2010年のときは最初なので無難に「黒バッグ」にしたんですが、でもなんといっても色の綺麗なブランドですからもうちょっと綺麗色がほしい!
今回事前に誕生日だったこともあり、日本からアポを取っておきました。

色々素敵すぎて、目の毒。。。
私にしては珍しく、迷いました。
パリを訪れたのは6月上旬、あと一週間でセールが始まります。
「ちょっと惜しかったな」と思いあまり他意なくその旨を伝えますと、何とかなり幸運な出来事が!

IMG_6318.jpg

色は写真がぼやけていて分りにくいと思うのですが、フランスらしい赤に茶色の入ったものにしました。
帰国後、こちらのバッグは仕事にプライベートに毎日大活躍しています。
綺麗な赤色を見るたびに元気一杯になりますから、良いお買い物でした。
柔らかい子羊の革でできていて、見かけよりずっとモノが入るしそして小柄の私には有難いことに、軽いんです。



2)薬局で大人買い!
フランスに来ると初日か次の日の朝早くにいくところがあります、フランスの薬局。
例えば日本でもファンの多いWELEDAの虫刺され用のクリームや、怪我をしたときに重宝なオーガニッククリームなどを大人買いしておきます。
こうしたものって日本では買えないものも多いのですが、リーズナブルですしとても重宝するんです。

3)アンティークシルバープレートのお盆
ロンドンで、これはプライベートと言うより備品として買いました。
買い付けも終わり、地元の感じの良いマーケットを半分視察を兼ねてふらふらしている時に見つけました。
純銀ではなく、銀を上にコーティングしたシルバープレート。
接客の際にお客様のちょっとした小物をお預かりしたりするのに良さそうです。

IMG_6315.jpg

似たテイストでも純銀のプレートはもちろんもっとずっとお値段がはります。
でも今回はこうしたニーズですので、むしろ重くないシルバープレートで愛らしい彫りのプレートを見つけて大満足です。
こちらを購入しましたお店のおじいちゃんはとても話好きで、30分ほど政治の話につきあわされました。
ちょうど小雨が降っていたのでそれもよしとしましょう。
こちらのプレートは、表参道にもって行く予定です!

4)参考図書
フランスの地方ジュエリーに関する文献と、数年前にパリで開催されたササビーズのカタログを手に入れました。
本当は参考図書ももっと山のように買いたいところですが、重量の制限も私が次回に買い付けまでに読破できる量も限られていますので、これも毎回の楽しみで少しずつ買い足しています。

というわけで意外に自分の買い物は少ない私です。
バッグは今回比較的迷ったのですが、それでも30分ぐらいかな。
薬局はいつもリストアップしたものをプリントアウトして予約し、次の日にとりに行くようにしています。

催事の際も参考図書などをなるべくご紹介できたらいいなと思っております。
今週末の8/1-8/2の催事はご都合のつかなくなられたお客様も出た関係で、まだ一部空きもございます。
暑い最中ではございますが、よろしかったらお気軽にお問い合わせくださいませ。

10:45  |  買い付け日記  | 

2015.07.25 (Sat)

半日のアムステルダム滞在 買い付け日記「完」

「いい加減いつまで書いてるのー?」と怒られそうですので、そろそろ終わりにします。

最終目的地はアムステルダム。
パリ&ロンドンでいずれも大物のジュエリーを仕入れ既に軍資金はすっからかん。
ということでそもそもが様子見の予定であったのが、完全リラックスモードで突入しました。


アムステルダムでは前日の夜遅くに空港内のホテルに宿泊し、荷物を置いたまま半日だけ市内を視察にいくという強行軍。
チェックアウトは12時だったのですが、「あのー、ちょっとだけ伸ばしてください」
とか頼みますと、そのときの予約状況にもよるとは思いますが1-2時間なら無料で延ばしてくださることが多いです。
今回も快くOKしてくださいました!


ということで朝からチェックアウトが速やかに出来るように大方の荷物を整えた上で、市内に向けて出発です。
タクシー!?
いえいえ電車でいきますよーー。
アムステルダムのスキポール空港はとても良く出来ていて、空港の地下からすぐに電車に乗れるようになっています。
自販機で市内までの切符を買い、ちょうどIC(インターシティ)がきましたのでそれに乗りましたらなんと15分ほどで中央駅へ到着。

こちらは少しぶれてしまっていて申し訳ございませんが、電車から見れる風景。
見慣れない国で電車に乗ると、いつも車窓から見える風景に釘付けです。
ちょうど小雨が降っておりとても美しかったです。

amsterdam_ic.jpg


そこから目的地は今度はトラムを使います。
こちらもとても案内が良く出来ているので迷うことはありません。
トラムとは路面電車みたいなもの。
こんな感じのものです。

amsterdam_tram.jpg

目的地としていた市内の場所までいきましたが、何せ余り時間がなく、そして誰でも簡単にパッといけるところに良いものがあるわけはなく、今回のアムステルダムでの買い付けはゼロです。

今後に関してはパリはもちろん、ロンドンでも良い人脈がどんどんと広がってきていますので、とりあえずイギリスとフランスに買い付けは集中させるのか。
あるいはアムステルダムにもよるのか、少し考えてみたいと思います。
私は関空を使っていますので、パリとロンドンによったときは往時か復路のどちらかで、乗り換えないといけず、であればアムステルダムにストップオーバーするというのは手ではありますが、やはり半日では無理でもう一泊しないと難しそうです。
しかしそうなりますとさすがにただでさえハードな出張がより長く大変になってしまいますね。。。
うーん、悩ましい!

いずれにせよアムステルダムでもアポベースで行かないと難しそうです。
アポが取れそうなところも少しめぼしはつけていたのですが、概してアムステルダムでのアンティークジュエリーはロンドンより高めとも聞いていたので(しかし穴場はどこの国にもあるはず!)それで今回はアポなしでとりあえず一般的なところを覗くだけにしたんです。

しかしながら、ロンドンで初日に会ったディーラーさんは、以前はフランスでよく仕入れをしていたのですが、昨今フランスのジュエリーが非常に在庫がなくなってきているということで、オランダあたりにも最近はよくいかれるようなんですよね。
彼女ともう少し親しくなりいろいろと教えてもらった上で、再度トライと言うのが良いのかなとも思っています。


このようにして一見迷路の先にあるようなジュエリーに、少しずつ近づいていくような試みはわくわくして、楽しいものです。
この仕事はどこかで嗅覚に頼るようなところがあります。
くんくんと良さそうなアンティークジュエリーを目当てに、色々な人との雑談を通してたどる道のりは、その過程にも色々な発見や収穫があり、ディーラーさんが10人いてもまさに十人十色。
各人が異なる道を歩むでしょう。


小雨の降る、水の街アムステルダムはとても美しかったです。

amsterdam_canal.jpg

↓のような自転車通路もあり、成熟した生活しやすそうなヨーロッパの街。

amsterdam_bycle.jpg

オランダ人の背が高すぎて色々なものが大きすぎるのが私には玉に瑕でしたが、それでも住んだら気持ちが良いのだろうななんて思う街でした。
またこの街ともご縁がありますように。

これにて今回のパリ・ロンドン・アムステルダム強行出張の買い付け日記は「完」ですが、番外編もまた書きます。
特にトラブル編!
今回も何気に色々なトラブルがありまして、是非ご紹介したいです(^ ^)
お楽しみに!

17:07  |  買い付け日記  | 

2015.07.22 (Wed)

ロンドンからアムステルダムへ

買い付け日記、長すぎですねー。
でもまだまだ色々と書き足りないことが・・・。

今回はロンドンに二泊、そして終日ロンドンで働いた後にアムステルダムへ向かいました。
何でそんなことをしたかと言いますと、前回の時に素晴らしいアムステルダムカット(ダッチカット)のダイヤモンドブレスレットを手に入れまして、それがオランダの有名工房のものであることが後で分かりまして。
やはり現地にいって(以前、観光では訪れたことはありますが)、ダッチローズカットのダイヤモンドジュエリーを見つけることができたらな・・・という安易な考えからです(^ ^)


しかしもちろんどの都市のマーケットも今は、ぱっと行ってよいものを仕入れることが出来るなんていう環境にはないです。
色々な人と知り合いになり少しずつ、様子を探っていかないといいものは買えません!
ということで本当の様子見で、今回半日だけ滞在しました。

ロンドンからアムステルダムへは、セントパンクラス駅から電車に乗りました。
大きいスーツケースをひきずりながらセントパンクラス駅から出ていたガトウィック空港への直通電車に乗り込みます。
このセントパンクラス~ガトウィック空港行き電車の情報はガイドなどにもほとんど載っておらず、現地の人もほとんど知らないというなんともマイナーな電車のようです。
ガトウィック空港へはエキスプレスがヴィクトリア駅から出ていて、皆さんそのイメージが強いようですね。
現地の友人もディーラーさんもまったく知らず、ようやく駅で乗り場を訪ねて見つけましたが、なかなか便利でした。


ロンドン→アムステルダムは何と、easy jetと言う格安航空会社で飛びました。
格安だけあってサービスはゼロで、チェックインはもちろんネットで済ませていたのですが、荷物の預け場などもまったく表示がなく、隣に並んでいた人に確認しながら・・・・。
「分かりにくいよねー」なんてぺちゃくちゃ、おしゃべりで良かったです。

この日は、日中は終日ロンドンで仕事をして、夜の便で移動しました。
ホテルは正午にチェックアウトしていますし、疲れていたのでラウンジで一休憩。
ガトウィック空港のラウンジはとてもおしゃれで、シアタールームがあったり、キッズルームがあったり。
そしてエステルームまであります(今回はやらなかったですが、次回トライしたい!)
食事も温かいスープなどもあり心が和みます。

ここでぼーっとしていると、ラウンジのおじちゃんが5分ごとに「OK? なにかあったら何でも言ってね。WIFI使いたい?」と話かけてきます。
今回は色々な場面で皆さんに親切にされ、私の感覚では10-20代の頃より、これぐらいの年齢になったほうがヨーロッパでは「マダム」として厚遇されることが多いように感じます。



easy jetのようなLLCは遅れなどが多いという評判ですが、何の問題もなくアムステルダムへ到着。
それからターミナルを出て、歩いて数分でホテルへ到着です!
と言うのも今回は滞在が半日なので、何とアムステルダムの空港の中のホテルを予約していたのです。
こちらのホテルは今回の滞在の中では唯一、いわゆる高級ホテル(たまたまレートが良かった)。
久しぶりに高級ホテルに泊まりましたよーー。
なんだか落ち着かない(笑)。

下記のようなラウンジバーがありお洒落ではありましたが、疲れていたのでバタンと眠り、これであればどこに泊まっても関係ないですよね。
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22:15  |  買い付け日記  | 

2015.07.13 (Mon)

ロンドンで見るフェイクアンティークジュエリー

さて、今週末より宝塚ホテルでの催事も控えており、催事の準備に追われています。
買い付け日記もそろそろ終わりにしないと・・・。

さてロンドンでの滞在はパリ以上に短かったですが、内容は濃かったです。
初日はついただけ、次の日は朝からマーケットを回り、アンティークフェアを一通りみて、そして午後の終わりに個人的に親しいディーラーさん宅へ行かせていただきました。

もちろん目的は買い付け!ですが、色々な話に及びました。
彼女自身はとても誠実な商売をされている方ですが、色々なジュエリーのサンプルなども持っています。
ここで「フェイクアンティークジュエリー」と言ってしまうと語弊はあるかもしれませんが、いくつか全てがオリジナルでないジュエリーを実物と共に見せていただきました。

1)1960年ぐらいにアールデコ当時のジュエリーにもして作られたと思われる指輪。
パッとみた感じでは1920-30年代のアールデコのエメラルドの指輪そっくりに見えます。
私が違和感を感じたのは触れたときで、異様に軽いと感じました。


*重量というのはジュエリーや素材を判断する上でとても大きな要素になります。
例えばその時代にその国で作られたジュエリーをこれまで山ほど見てきたとしますと、手の感覚でなんとなくこのタイプの指輪はこれぐらいのさわり心地だったというのが記憶に残っているのです。
その時代はやはりこうしたデザインであれば、こうした貴金属の使われ方がした・・・とかそうしたルールのようなものってあるんです。
そうしたジュエリーを模して後年に作られたものは、見かけはかなり似たテイストに仕上がっていたとしても、使用する貴金属の量も違ってきます。
アンティークジュエリーって裏面なども凝った作りのものが多いですね。
装飾的な違和感だけでなく、おそらくそうした微細な素材の使い方が重量感の違いにつながることが多いのでしょう。


それからしっかり近くで見ますと、基本的な部分を鋳型で作っていて、ミルグレインなどが後ほど手作業で入れられていることが分ります。
これらのミルグレインもオリジナルのアールデコのジュエリーに比べればずっと粗いです。
触感も明らかにざらざらしており、この指輪は手にした瞬間に、いくつものシグナルが感じられる指輪です。
しかし手にするまでは、他のジュエリーと並んでいますとそれらしく見えるのも事実。
なかなか腕が良いと妙に感心しました。

2)これは悪意があっての改造ではないのですが、中心のメイン石が割れてしまっていたと言うことで大きなアメジストだけが後年に入れ替えられたペンダント。
こちらもパッとみたところは、要するに変えられたのは石だけですから違和感がそれほど感じられません。

しかしやはりこれも触った時に、違和感を感じます。
こちらは石の部分がフレーム部分に比べて妙に重いといいますか、ちょっと変わった形の石とペンダントだったこともあり、石を入れ替える時に重心が多分うまくあってないんです。
あと触れたときの、周りのエナメルの感じ。
随分ざらざらした感じがして、年月を経たエナメル特有の触感とは異なりました。
加工の際に何か事故があったのだと思います。

3)こちらは完全にアンティークジュエリーを模して作られたジュエリー。
銀製のローズカットダイヤモンドのペンダントで、中々良く出来ていました。
なかなかよく出来ているのですが、ダイヤモンドのクオリティーもデザインも細工もいずれも(本当のアンティークジュエリーと比べれば)相当劣りますので、パッとみた感じは「品質のよくないアンティークジュエリー」と言う印象を受ける方が一番多いと思います。
私の場合、いずれにせよここまであまりクオリティーが高くないジュエリーが目に入ることはないです。
しかし今、作ったと言われれば、そのレベルとしては非常に高く、なかなか良く作られていると妙に感心しました。

実はパリでも、アンティークジュエリーがどんどんと数が減ってくる中、名だたるアンティークフェアなどでさえ、現代ものや所謂ヴィンテージと呼ばれるもの、あるいは一部加工などが施されているものもいっぱい出展されているのです。
ただいわゆる「故意に作られたアンティークジュエリー」に関しては、フランスでもそれらしきものはあるのですが、故意に作られたとは思えないほどあからさまに違和感を感じさせるものが多いです。
つまりずっとフェイクアンティークジュエリーのクオリティーが低いです。
ロンドンの方がずっとハイレベルです。

ロンドンは、アンティークジュエリーを取り巻く環境がパリよりはずっと整っており、例えば修理にしても鑑別にしてもクリーニングにしてもずっとパリより揃っています。
つまりだからこそ、かなり上質なフェイクアンティークジュエリーも作られる素養があるのだと思います。
それだけの腕があるということです。

これらはもちろんそう断りの上で売られる分には問題ないのでしょうが、作り手やその時にオーダーした人に仮にその気がなかったとしても(ある場合も多そうですが)。
結局いろいろなところでオリジナルのアンティークジュエリーに混ざり、「オリジナルのアンティークジュエリーだよ」と売られることもでてきてしまうのだと思います、それが問題ですね。


彼女とはその後も実に色々なことを話し、とてもいい時間を過ごしました。
そしてもちろん何の問題もない素晴らしいアンティークジュエリーを数点、譲ったいただきました!

その日は夜は、現地に住む大学時代の女友達とディナーの約束が入っていました。
あわててホテルアパルトマンまで戻りましたら、ほどなくしてピンポーン。
宿泊していた場所から二人でぺちゃぺちゃおしゃべりしながら、カムデンの方向へ。

素晴らしく美味しいギリシャ料理(このタイミングで、ギリシャなんてタイムリーですよね!)。
ローカルでもとても人気のお店のようで、すぐに満席になっていました。


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彼女ともビジネスや社会の話、、、、いえいえ完全にガールズトークに花が咲いていましたよ!
彼女はなかなか波乱万丈の人生を歩んでいて、数ヶ月前に数度目の結婚でめでたくロンドンにきたのです。
が・・・そこからまた色々なことが起こるのが彼女らしく、そしていつどんな時も素晴らしく自分のパワーを持ち続け、実際にいろいろな道を切り開いてしまっているところが、また彼女らしい!
この友人はいつどんな時も、自分らしい人生をまっとうするだろうと、そうした意味でとても信頼している友達です。

机を並べて勉強していたころからもう20年ほどがたち、お互いの環境も色々変化し、それぞれの事情も異なっている部分も多いのに、色々なことをネタにゲラゲラ笑いあえるところは、昔からまったく何も変わっていないです。
出張中の異国のロンドンで彼女と再会できるなんて、amazingでした!
22:47  |  買い付け日記  | 

2015.07.09 (Thu)

ロンドン買い付けの旅 LAPADA(英国骨董協会)

さて買い付けの舞台はパリからロンドンへ移ります。
いつもながらほとんどのジュエリーはパリで買い付け済みですので、ロンドンは良いものがあったら仕入れるぐらいのスタンスで望みます。

最初の日は着いただけ。
次の日は早朝から活動開始です!
朝の6時前に家を出るので、さすがにタクシーでないと危ないかなと思い前日の夜に予約しておいたのですが、一年で一番日の長い六月、何とこの時間でも既に外は日が燦々さしていました。

この日に向かうマーケットは数年前に一度訪れたぐらいで、しばらくご無沙汰していたのですが、一人だけ気になるディーラーさんがいたのでそれを目当てにいってきます。
彼女のところには相変わらず好みのものもちらほらありました。
しかし既に先約がいて、そのドイツ人に思いっきり好みのものをもっていかれてしまいしょんぼり・・・。
といってもこのポンド高ですので、本当に仕入れたかは微妙なところです。

ロンドンのマーケットは・・・
パリに比べるとまだまだずーっとモノが沢山あります。
状態の良いアンティークジュエリーも、年代の古いもの(19世紀後期以降は特に)もパリほどまでには枯渇はしていません。

ただし問題点を挙げますと・・・

-どこも品揃えが似たり寄ったりであることが多い。
(特徴的なジュエリーは一般的には少ないです)

-それは値段に関しても同じで、おのおのが好き勝手にやっているフランスとは異なり相場の値段と言うのがある程度フィックスしているような感じがある
(つまりお得品を見つけるのは難しい!)

-異様とも思えるポンド高
2010年にかなりの金額をイギリスの銀行に移していますから、ポンド高でも大丈夫と言えば大丈夫なのですが、であればユーロ圏で買った方が良い?と言う比較は常にあります。

私がイギリスに来るのは、フランスでは見つけることができない、また別の意味でスペシャルなジュエリーを探すためですから、ありきたりな美しいジュエリーがありきたりの値段であっても、なかなか食指は動かないのです。。。
その日の朝は、そのお目当てで行ったディーラーさんからリーズナブルな売れ筋の指輪を2点ほど選び退散します。

そして次は・・・買い付けではなくオリンピアと言う場所に向かいます。
ここで年に2度開催されている、高級アンティークフェアが目的です。
ここでは仕入れが目的ではなく(というのもプロが訪れる市場とまたお値段の付けられ方が異なりますので)、純粋な見学。
いわば「観光」です(^ ^)
会場は下記みたいな感じです。

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さすがに世界中から素晴らしいアンティーク(ジュエリーに限らない)が集い、仕入れをする心配もないので楽しめました。
そしてここで仕事上の収穫もありました。

ふらふらしていましたら、LAPADAのブースを見つけ、担当者と色々話をしてきました。
LAPADAとは何かと言うと簡単に訳すと「英国骨董協会」。
ちょうど相談をしにいきたいと思っていたところです。
この仕事をしていて時々問題になるのは、そのアンティークの真偽をどのように証明するかということです。
もちろん私を信頼してもらえれば一番いいですし、基本的にやはり当店であれ他のお店であれ信頼できるお店で買わないといけないと思うのですが・・・。
「そのジュエリーがその時代に作られたとどう判断するか?」、その整合性は自分自身で証明するのは立場上、難しいところがあります。


と言いますのも日本では宝石の鑑別等(その石が確かにダイヤモンドである、ルビーであると言った証明)は鑑別機関で科学的に行えるのですが、アンティークの証明は誰にもできないからです。
(そのような資格はないですし、おそらくいくつもの国のアンティークジュエリーを包括的に見れる人はプロでもほとんどいないからです)
時々、日本国内で「アンティーク証明書」と言う不思議な書類が出回っているようですが、以前これについても調べましたところ、とあるお店がバックにある機関でした。
それが悪いとは一概にはいえないのですが、鑑別と言うのは「中立性」がないと意味がないわけです。
またいわゆるライバル店の店主が「あーいった、こーいった」みたいな話はよく聞くことですが、(日本に限らずどこでも同じ)、これが中立性にかけがちになることはご想像の通りです。

とういことで鑑別というのは、一番良いのは信頼がおける、中立性をもった個人ではない団体が出すのが一番ふさわしいということになります。
費やす時間や費用、手間を考えますと、全ての作品に関して行うことはできませんが、例えば今回仕入れましたジュリアーノのクラスの作品はその価値があるでしょう。

それで色々伺っていましたら、基本的にそれは可能だと思う。
「ただもともとそうした証明書のようなものを出す目的って、ようするに通関のためなんだよね」
とはおっしゃていました。
イギリスは高価なアンティークジュエリーを持ち出す時に出国税を払う場合があります(ケースバイケースですがあとで免税のように返してもらうことも可能なケースも多いです)。
このときに年代を特定できる書類が必要になり、それをLAPADAが出しているわけです。
フランスにはこの仕組みはありませんから、イギリス特有の事情なわけです。
という訳で日本のお客様が本来求めているものと、もともとの目的は異なるものなのでしょうけれど、役にたつこともあるでしょう
またケースバイケースで色々相談してみたいと思っております。

ちなみにこのLAPADAには会員というものがあり、日本ではLAPADAの会員というと箔がつくような風潮がありますが・・・会員になる用件につきましても色々伺ってきましたが、
・5年以上の経験
・既に会員になっている2名からの推薦状
・出国税を既に払っている実績
・会員費を払うこと(ちなみにけっこう高い・・・)


と、とてもシンプルだよ、と言われてしまいました。
しかし私の場合、EU最後の出国地はUKでないことが多いんですよね。
そういった際の、出国税はどうなるのか・・・とかこのあたりはかなりテクニカルな話になりますね。
LAPADAの会員になるメリットもとそうした税金絡みの実務の上でのアドバイスなどをいただけるのが一番のメリットとのことです。
「会員であれば、必ずしもディーラーとして知識があるから優れているから」と日本では思われがちだと思いますが必ずしもそれを証明するものではないのです。
もっともそれだけしっかり実務を行っている=しっかりとしたディーラーである可能性は必然的に高くなるでしょう。


といったいわば組合的な要素も強い組織ですので、ロンドンの一流のディーラーさんも加入していない方もかなり多いです。
これはその方の実務の取り方(主に税金絡みの処理)による部分が多そうです。
ロンドンで常に大作を仕入れられている業者さんはやはり入るべきなのだろうと思いますが、私の場合微妙ですね。
でも色々相談できそうなところですし、とりあえずの疑問点は全て教えてくださって、偶然ですが出会えて幸運でした。

この日は、午後の終わりから市内で別のアポイント(既にアポイント済みでしたが、ちょうどオリンピアで確認の電話が入りました)。
急いでオリンピアを出てお昼も食べず(考えたら朝から何も食べてない!)、とあるディーラーさんの自宅へと向かいました。
そこでもまた実に面白い話を聞くことができましたが、長くなりましたのでまた次回!
23:12  |  買い付け日記  | 
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