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2009.04.07 (Tue)

Story ・・・カルティエクリエイション~めぐり逢う美の記憶

上野の国立博物館でやっている「Story ・・・カルティエクリエイション~めぐり逢う美の記憶」にいってきました。
もう垂涎のジュエリーの数々です。
思ったよりカルティエのアンティークジュエリーも多くて、ガーランドスタイル、アールデコの時代は特に充実していました。
平日なのにかなり込んでいて、皆パンフを手に、熱心に見ているんだけど、このパンフが。
「クッションシェイプ/ラウンドオールドカット ダイヤモンド、ミルグレインセッティング」

とか書いていて。

どこが区切りなのかも良く分からないし。
これはかなりジュエリーリテラシーの高い人じゃないと、理解できないのでは・・・?と思ってしましました。
でも普段シェルシュミディのサイトやメルマガを呼んでいる人なら、だいぶ同じような技法や用語がでてくるので、それだけでもだいぶ違うのでは?
とわけのわからぬ自画自賛!

最近、シェルシュミディにも
「昔のカルティエジュエリーを探して欲しい」という依頼があり。
もちろん探すには探すんだけれど、同時代の同じくらいの技巧や石をつかったジュエリーであっても、カルティエとつくだけでお値段が何倍もするものです。
*もっとも今回の展示会にでていたようなカルティエジュエリーと同レベルの商品はウチにはありません、今回の展示は、基本的にものすごく大作ばかりなので(30カラットのサファイアとか)、たとえカルティエでなかったとしても目の玉が飛び出る高さでしょう。
っていうか普通に市場で手に入るものではないし。

なので私としてはどちらかというと、「そのお金を出すなら、同時代のブランドじゃないジュエリーなら、ずっといいのが買えるのに」
と思うところもあるのですが。
確かに20世紀初頭のカルティエとかブシュロンはものすごくいい作品を作っていて、多少ムリをしても、もし手に入るならこの時代のカルティエのものをなんとか手に入れたいという気持ちも分かります。
第二次大戦前までのカルティエがすごいと思うのは、常に時代を先取りしていたということ。
19世紀末からWWⅡぐらいまで、Cartierは常にジュエリー業界のトレンドを5~10年くらい先をいっていました。
例えばカルティエは1910年頃に既に1920年代のフランスアールデコを如実に表したようなジュエリーを作っていたり、20年代はずいぶんシノワズリのものを作っているんですが。
フランスのジュエリー史において、ガーランドスタイルを抜けて、典型的なデコのものが顕著に作られるのは1920年になってからだだし、シノワズリのものが作られたのは、せいぜい20年代後半なんです。
もしカルティエ製ということを知らずに、そのタンクウォッチやカクテルウォッチを見せられたら、普通なら1940年代初頭かなと判断するようなデザインを、カルティエは既に30年代半ばぐらいで作っていたりする。
いつもちょっとだけ早いんです、これはすごいことですよね。


ということで美の世界にひたった約2時間。
思ったより展示のボリュームがあり、結構込んでいるので。
歩きやすい靴と体力が温存しているときに、ぜひ足を運んでみてください。

帰りがけにカタログも買っちゃいました。
ジュエリーの写真がたくさん入ったカタログって、見ているだけで楽しいですよね。

最近アップした作品。カルセドニーとアメジストのヴィンテージのバングル。これは戦後70年代のものなのですが、クールでかっこいいですよ~。

カルセドニーのビンテージバングルアメシストのVintageバングル

タグ : カルティエブシュロンジュエリーアールデコエドワーディアンヴィンテージ70年代カルティエクリエイションガーランド

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